2023/09/25
【世界初】「残コン100%の生コンが国土交通省の現場に実装されました」他(月刊残コン Vol.73)
この度国土交通省が管轄する現場に残コン100%のコンクリート(舗装)が実装された。徐々に社会問題化しつつある「残コン」のリサイクルのあり方に先鞭をつけ、さらにはCCU、SCMsの採用など世界初がてんこ盛りの出来事は世界の脱炭素・資源循環コンクリートをリードする。
国土交通省が「残コン100%」を認めた
なんと! 国土交通省さんの現場で「残コン」リサイクル技術や脱炭素技術が実装されたばかりでなく、その技術体系を背景とする事業に2度目の事業再構築補助金・グリーン成長枠(経済産業省管轄)の補助が決まりました! 他、今後、どのような発展を遂げるのかを占っていきたいと思いまっす。
【国土交通省】残コン100%の生コン
こちらの生コンにはいくつかの特徴があるものの、何よりもまず「残コン100%由来の骨材だけで製造されている」が世界初。つまり、社会問題として顕在化しつつある「残コン」の循環に国土交通省が先鞭をつけた格好。
関連記事:【静岡】「世界に先駆けて実装された、純白のオワコン。大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」伊豆中央コンクリート・土屋建設
さらに「セメント使ってない」「副産物(SCMs)」だけ
更なる特徴は、結合材に「セメントを用いていない」「代わりにSCMs(高炉スラグ微粉末)100%)」という点は、日本の国土交通省が世界に資源循環・脱炭素の範を垂れることを意味している。リーダーはJAPANだ。
関連記事:「いよいよ始まる純白のオワコン国土交通省での採用。セメントを用いない副産物だけのコンクリートその意義とは」
そんな本事業に国の補助が決まりました
そんな「残コン100%」「セメントを用いない」「代わりにSCMsが結合材」という特徴を備えた当社事業にこの度4,000万円に及ぶ規模の補助金(事業再構築補助金・グリーン成長枠)が交付されることとなった。この快挙は前回に続いて2回目となり、W採択は非常に珍しい事例ということ。それだけ、国の本事業に対する関心の度合いが伺われる。
関連記事:【事業再構築補助金グリーン成長枠採択】「カーボンニュートラル社会を実現するジオポリマーコンクリートの製造販売」
生コンキャンプ定期演創会で近況報告!
生コンキャンプ定期演創会「どこへ行く?! SDGsな生コンクリート」
主催:生コンキャンプ
日時:2023/10/20 13:30〜 18:30迄
会場:丸壽産業会議室 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2丁目8−6 日本橋ビル2階 日本橋ビル
会費:10,000円(懇親会込み) ※リモート参加の場合は1,000円/名
プログラム:
⓪基調講演「二酸化炭素ブームとの上手な付き合い方」(横浜国立大学細田暁教授)
①セメントを使わずに製造されるコンクリート
②CCU(Carbon Capture and Utilization)の活用事例
③生コン屋さんの流動化処理土「イワモル」について
④集まれ!透水性コンクリート
⑤CO2を吸い込むコンクリート
目まぐるしく進化するコンクリート盛りだくさんの近況報告は10月20日東京で予定されている。コンクリートに関わる全ての方に門戸が開かれているため奮ってご応募ください。
関連記事:生コンキャンプ定期演創会「どこへ行く?! SDGsな生コンクリート」
最新プロダクトとして流動化処理土「イワモル」が続く
これまで生コンポータルでは「オワコン」「オコシコン」「ドットコン」といったいわば、「大地に蓋しない」ことを特徴とする透水性コンクリートを推してきたが、上述までの技術を応用した最新プロダクト「イワモル」(流動化処理土)事業が本格的にローンチした。なお、設備投資不要で生コンプラントで製造できるのみならず、本プロダクトは「CCU」もふんだんに実装可能であり素の潜在性は計り知れない。
関連記事:【イワモル】「強度は必要ない。固まりゃなんだっていい。マンホールの固定・埋め戻しに使いたい」
ここから始まる「残コン」伝説
「コンクリートをもっと身近に」
世界では「砂マフィア」が暗躍するなど、砂資源をめぐって戦争まで勃発する騒ぎ。そんな中、総生産量の3〜5%とも言われる「残コン」が全て砂や砂利、CCUなどに100%コンバージョンできる僕たちの技術は絶対に求められることだろうね。さあ、補助もついたし、ここからとことん全力で前進しまっす。
オワッコーン‼︎
我が国の建設行政国土交通省さんが「残コン」をきちんと認めて向き合ってくださったことを意味する今回の出来事はいわば快挙ですね。世界で初の出来事でっす。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。