2023/08/08
「嘘でしょ?! 猛暑日に コンクリ よりも【100℃以上高温】で作業を行うアスファルト。それでもまだ、95:5の【95】でアスファルトが選ばれる?!」
世間からは長閑な光景の一幕にしか認知されないその舗装工事(アスファルト)。実は作業する方々は140℃を超える灼熱地獄の上でせっせと故郷のインフラを支えている。こうした現場は埋もれさせずにきちんと発信し、コンクリートとアスファルトは適切なバランスで整備される必要がある。
過酷なアスファルト舗装工事のご紹介
ぱっと見「なんてことない長閑」な光景
こちら、狩野川河川敷(かわまち事業)で行われているアスファルト舗装工事の様子。長閑な地方の長閑な光景にしか見えない、が。
サーモグラフィで撮影してみた
温度を測ってみると実はアスファルト材料温度は何と140℃超。灼熱地獄の上での作業は平然と行われていただけだった。
酷暑の中「過酷」なアスファルト舗装工事(動画)
アスファルト工事現場で実際にサーモグラフィで温度計測をしたところ、145℃の値を示した。現地に立ち会ったコンクリートの専門家、池上さん「こんなのパワハラではないか」と眉を顰める様子。
コンクリート温度は35℃以下と決まってる
コンクリート温度は、JASS5や標準示方書で生コンを荷下したときに35℃以下になることが規定されています。 しかし最近は温暖化の影響で気温が高くなってきていることがコンクリート温度の上昇にも影響を及ぼして全国各地で問題となっています。(引用元URL)
引用元で示されているように、コンクリート温度は35℃以下で管理することは建築・土木で規定されているコンクリート専門家の間ではいわば常識。(※JISではなく、建築・土木の規定と指摘していただきましたJIC森先生、いつもありがとうございます!)
「オワコン」は35℃以下
施工方法や見た目がアスファルトと酷似する「オワコン」の材料温度は35℃以下。つまり、100℃以上もアスファルトよりも「冷たい」コンクリートとすることができる。
オコシコンも「コンクリですから」35℃以下
作業されている方がかがみ込んでも全く心配ないのが「オコシコン」。なぜなら、コンクリートだから、145℃とか灼熱ではない。
問題視される真夏のアスファルト舗装工事
参考記事:最高気温36℃の"猛暑日"。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】。
その答えは単純明快で「コンクリート舗装にすればいい」となる。
撮影協力(土屋建設)ありがとうございました!
フィニッシャーでのアスファルト施工のサーモグラフィです。140度もあるアスファルト、この気温の中での施工はものすごくつらいと思います。近づくだけで顔が痛いレベルなのにみなさん笑顔で対応いただきました。
アスファルトを工事する方々にとっては決して名誉な内容ではないにもかかわらず気持ちよく撮影・取材にご協力いただきました土屋建設様には感謝してもしきれません。
「適材適所」国土交通省のキャッチフレーズは予算消化のキャンペーンか何かの類か? 未だ95:5でコンクリート舗装が全然採用されてねえこの現状を、あたいらコンクリート産業に身を置く人間は真摯に受け止めるべきだぜっ。
アスファルトvsコンクリート vs から and へ
こちら、35℃以下で施工されているバズプロダクト「オワコン」はアスファルト同様の機械(アスファルトフィニッシャ、コンバインドローラ)で施工されている。なぜ、人々は、酷暑・熱中症が問題視されている現代に今もなおアスファルト限定で施工をし続けるのか。
関連記事:【静岡】「これで日本の道路舗装普及比率コンクリート:アスファルトは50:50になります」土屋建設
「コンクリートをもっと身近に」
それもこれも、きっと僕たちが自分たちの貢献を自ら発信「伝える」してこなかったからなんだよ。お上の方を向いて富が降りてくることをひたすら待ち続けてきた産業姿勢のツケが回ってきたってことだねっ。僕たち世代が何とか打破しないとってことさっ。そして、ここで忘れちゃならないのが、アスファルトvsコンクリートという二項対立で物事を考えないこと。常に、アスファルトandコンクリート互いに尊重し合う統合的な姿勢がこの現状を円滑に打破するはずなんだ。
オワッコーン‼︎
ともすると、「売名」「炎上商法」と揶揄されがちな情報発信ですが、今こそ建設・コンクリート産業は自らの価値をしっかりと伝えていくべき時代が到来しているのですー。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。