2023/06/20
「造粒剤を加えて生コンを粒状化するのは、CO2のさらなる固定を目指すためだ」日経クロステック
「飽和水酸化カルシウム溶液で豊潤に満たされた広大な田んぼ」と捉えることで造粒ポーラスコンクリート(オワコン)の可能性はさらに広がる。この度日経クロステックで紹介された記事中の「造粒剤を加えて生コンを粒状化するのは、CO2のさらなる固定を目指すためだ」について詳しく解説。
粒状化 = ポーラス構造化 は 脱炭素
「造粒剤を加えて生コンを粒状化するのは、CO2のさらなる固定を目指すためだ」(写真:日経クロステックより引用)。https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02011/060600017/
広大な表面積でつけろCO2
施工中(写真:日経クロステックから引用)
粒状化させた生コンの舗装断面はポーラス構造(写真:日経クロステックから引用)。
W/Cは大きく表面積は広大
①Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O
コンクリートは豊富な水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が飽和した水溶液で満たされているため、「水酸化カルシウムが表面に露出した広大な田んぼ」とした。https://kenkou888.com/category21/caoh2.html
②W/Cが大きいのもお誂え向き
既往のポーラスコンクリート(写真は「オコシコン」)は曲げ強度を確保するためにW/Cを小さく(30%〜)設定している。
一方の粒状化させた生コンによる舗装構造(写真は「オワコン」)はもともとの生コンクリートのW/C(50%〜)が大きい。
③さらに上澄水散水養生
上澄水散水を行い乾湿繰り返し養生することで炭酸カルシウムが写真右のように析出することがわかっている(エフロレッセンスや鍾乳洞の原理)。
「水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が表面に露出した広大な田んぼ」にさらに飽和水酸化カルシウム溶液を流入させるイメージですね。。
④環境への影響評価がポイント
https://hisamoto-kizo.com/blog/?p=9778
その一つが、「環境への影響」だ。何せ、上澄水は飽和水酸化カルシウム溶液、つまり、強アルカリってのが特徴だからな。その点の評価が今後の鍵になるだろうぜ。
飽和水酸化カルシウム溶液の広大な田んぼ
日経クロステックで取り上げられた駐車場の現在。今も飽和水酸化カルシウム溶液の広大な田んぼは大気中のCO2を吸収・固定し続けている。さらに環境にも影響のない形で上澄水を散水することができるとしたなら。
「コンクリートをもっと身近に」
そんな僕たちのコンクリートは、RRCS(代表理事・野口貴文先生)をはじめとする関係諸団体のご指導を仰ぎながら、粒状化再生骨材やポーラスコンクリートの普及に励んでいますっ。今日はこのあと、日本のコンクリート舗装のメッカともいうべき宮崎県生コンクリート工業組合を訪ねるくらい、僕は毎日コンクリづくめでっす。でも、とってもハッピーです。でも地元に帰ってPondsに浸りたい!
オワッコーン‼︎
このように考えると、コンクリートや残コン、ポーラス構造、上澄水ともともとあった技術の組み合わせには無限の可能性が秘められています。もっと人々が「あっ」と驚くような発明は、もしかしたら身近なところにあるのかも知れませんー。だからこそ、普段ご一緒している人たちとの交流を大切にしたいですね。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。