2024/04/06
伊豆半島の玄関口【三島駅】北口の新ランドマーク【加和太建設】HQに資源循環・脱炭素コンクリート実装決定
静岡県三島市。三島駅北口の新ランドマーク加和太建設本社社屋(西沢立衛事務所設計監理)の外構駐車場を舞台にチャレンジングなコンクリートが実装されることが正式決定した。当該コンクリートは骨材や混和材(CCU)に100%残コンを採用した資源循環・脱炭素を強く意識したコンクリートの事実上世界初の大量打設現場となる。
残コンCCU混和材・骨材コンクリートCO2の大量打設
なお、こちらのコンクリートはCPCC主幹事会社の安藤間さんより正式に「CPコンクリートではない」とする声明を受けて、晴れて堂々と社会実装に向けた取り組みが始まることになりました。
(※注釈:一連の表現は現場で元請けから得た情報をもとにした宮本さん自身の意見でありGI基金関係者らから得た情報などでは断じてありません)
いよいよ4月18日打設開始決定
路盤工事中の奥側・加和太建設所有の民地と手前・三島市役所土木課が管理する官地のコンクリート舗装を舞台としていよいよ4月18日から世紀の残コンCCUコンクリートの実装が始まる。
関連記事:【地球上初】生コンスラッジ由来のCCU【残コナ】を配合した生コンの連続・大量打設(4.1t CO2固定)が決まりました
【世界初】60t以上のCCU混和材を利用したコンクリート実装
ようやく晴れ間がのぞいた伊豆半島では残コン由来のCCU(130kg/tのCO2固定)のサイロストック作業が始まっている。
スラッジ微粉末CCU(「残コナ」と命名)の投入設備は未整備であるためバックホーを用いてトンパックを吊り手作業での投入となっている。今後こうした設備は都度アップデートを予定している。
ストック完了!4月18日〜製造を待つばかり
混和材サイロにストックされた残コナ。
こちらも残コンを由来とした骨材の製造プロセス。
骨材も混和材も100%残コン由来の資源循環・脱炭素コンクリートの大型打設(4月18日〜)に向けてストックも準備万端整っている。なお、スラッジ微粒分はもちろん残コン粒状化骨材だってたっぷりCO2を固定しているのはその色からも容易に想像される。
5月22日資源循環・脱炭素コンクリート打設見学会
なお、RRCS野口貴文代表理事と西沢立衛先生の対談がきっかけで実現した本現場は5月22日三島市が管理する官地を舞台に大手メディアや地元生コン組合、地域内外の関係各位をお招きして大々的にプレス発表を兼ねた見学会を予定している。みんなの厄介者「残コン」がきちんと循環を果たすことにより資源循環のみならず脱炭素をも実現するストーリーは伊豆半島の玄関口・三島駅北口ランドマーク(加和太建設本社)にて序章のフィナーレを飾りここから世界へ拡大していく。
脱炭素・資源循環のローカルサーキュラーエコノミー
循環経済(サーキュラーエコノミー)とは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すものです。
第2節 循環経済への移行 - 環境省
なお、当該現場を指揮する地元ゼネコン加和太建設はご当地最大手の建設会社でもあり今後地元生コン組合との連携を通して地元で発生した残コンをCCU(骨材や混和材)に加工する過程で地元CO2を固定化させ出来上がった生コンクリートを地元で建設される非構造部材などに適用していく取り組みについても議論が始まっている。
本件CPコンクリートとは一切関係ありません
なお、130kg/tのCO2固定が期待できるスラッジ微粒分(残コナ)を配合するコンクリートはCPコンクリートコンソーシアムの主幹事会社である安藤間より関係者らに正式に「(当該技術は)CPコンクリートではない」とする事実上残コン微粒分CCU利用を見送る声明を受けた本件は、施主であり施工業者でもあるフィールド提供者でもある加和太建設のご厚意により関係企業らによる自費納品できることとなった。ここで生まれる成果についてはCPコンクリートとは一切無縁となるが、ホワイトカーボンを目指すこととなる。
命名!GPコンクリート
なお、今回正式にCPコンクリートではないこととなった当該1tあたり130kgのCO2を固定したCCUを配合した残コン由来の骨材100%で製造されたコンクリートは GPコンクリート(ガーボンプールコンクリート)と命名された。CPコンクリートと切磋琢磨して資源循環・脱炭素コンクリートの実装はヒートアップを見ることになる。
「コンクリートをもっと身近に」
色々現場に妨害してくださった多くの方々がいらっしゃいましたが今ではそんな方々に感謝すら覚えています。だって、僕たちの資源循環・脱炭素はお題目ではなく一生を捧げるがちなテーマだからね。会議室のおままごとに耳を傾けるほどの暇はないのだよ。うん。でも、せっせと僕のブログを毎度確認して一喜一憂している様子を聞くにつけ、滑稽だなあ、と憐んでいますよ。そんな雑音の皆さんは引き続きどこ吹く風でガンガン「伝える」情報発信を通してコンクリートの貢献を広げていきたいと思いますっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。