2023/08/10
「オワコンもSCMs、スラッジ、回収・再生・粒状骨材の高度利用を推奨しています」
生コンポータルの「推しのコン」現在バズ中の「オコシコン」に加えて「オワコン」も、高炉セメントB種(SCMs)やスラッジ、回収骨材などの高度利用が始まる。生コン工場にとって都合のいいコンクリートが「オワコン」「オコシコン」だ。
潤沢なアルカリ刺激があればBBは激走する
次第に明らかになるSCMsの正体
単位セメント量が少ないところに、上澄水のアルカリがたっぷり供給されるので、スラグの反応が激走するのです。(横浜国立大学細田暁教授チャットでのコメントから引用)
昨日(2023/08/09)のチャット明らかになったことは、単位結合材量が少なければ上澄水やスラッジ粉が含有するアルカリで十分SCMsは激走するということ。
関連記事:【衝撃】「セメント入れない方が強度が出た?! スラッジ混和材の潜在性に期待」
ふんだんなアルカリさえあれば NよりもBBむしろSCMs
BB(高炉セメントB種)には30〜60%の高炉スラグ微粉末が含まれている。(引用:https://kentiku-kouzou.jp/tekkinkonkurito-kourosement.html)
高炉スラグ微粉末がきちんと激走するための潤沢なアルカリ分をスラッジ水や上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)またはスラッジ粉から提供することでNと違わぬ強度発現が期待される。むしろ、C種や全量高炉スラグ微粉末が可能な工場であればさらなるコストメリットが生まれることとなる。
「オコシコン」もBB(SCMs高度利用)を標準に
JIS A 5308 の厳しい要求とは無縁のポーラスコンクリート(「オコシコン」「オワコン」)であれば、スラッジ水高度利用やSCMsの高度利用の自由度は高く、さらにすでに渋谷建材や大分綜合建設らで運用されているように、回収・粒状・再生骨材などの高度利用も進みやすい。
関連記事:「オコシコンは高炉セメントB種、スラッジ水、回収骨材または粒状化骨材による製造を標準といたします」
「オワコン」「オコシコン」は生コン工場フレンドリ
生コン工場ではおよそ見ることのできる「スラッジ水」はこの後減容(スラッジケーキとなる)されて廃棄物として処分されるのが一般的。その処分コストは急騰を続けている。
「オワコン」「オコシコン」ならスラッジ水も回収骨材(写真)も自在に利用することができる。つまり、生コン工場フレンドリな製品であるとすることができる。
多様なSCMsが生コン工場のコスト縮減に
高炉スラグ微粉末。https://www.jfe-mineral.co.jp/business/iron_and_steel/ground_granulated_blast_furnace_slag.html
フライアッシュもポゾラン反応を呈するSCMs。https://www.japan-flyash.com/
シラスと呼ばれる火山灰などもSCMsに数えられる。つまり、産業副産物のみならず、天然資源としてもSCMsの潜在性は大きい。
SCMs・各種回収骨材・スラッジ粉・スラッジ水(上澄水)・混和剤無限の可能性
強塩基を呈するスラッジ粉(白石建設が製造方法を考案)もSCMsを激走させる有力な混和材として検討されている。つまり、生コン工場にとってはいずれも「処分するのにコストがかかる」副産物をふんだんに利用することが自在な生コンが「オワコン」「オコシコン」ということになる。
オワコンもSCMs大解禁!!
「オワコン」も「オコシコン」と同様、JIS A 5308とは無縁の生コンクリートであるため、SCMsの高度利用、スラッジ水や回収骨材(または再生骨材、粒状骨材など)の高度利用が自在。むしろ、SCMsや回収骨材、スラッジ水を用いた方がより良い性能を期待することさえできる。
オワッコーン‼︎
人様のことはさておき、SCMsもスラッジも各種再生骨材、そして新たな分野の化学混和材などなど、これからまだ無限の掛け合わせ(MIX)が生まれそうでとっても楽しみですねー。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。