2021/03/09
【静岡】「へ?まだ舗装にアスファルトを採用してるんですか?御庁は?」CI工業
静岡県三島市梅名。送電線鉄塔内舗装。東京電力管轄の送電線には標準でドライテックがスペックされており、今回もその流れで発注されたもの。送電線鉄塔などはアングルが雨水を集めて一気に流下させてしまうため排水が常に問題になる。また、半年に1度の除草、メンテナンスコストの解消に、ドライテックが標準的に採用されている。
製造:長岡生コンクリート(担当:まさつぐ)、施工:CI工業
公共事業にドライテック
最近、東電のドライテックがバズっている。
公共事業の動静というものはなかなか一般に知られにくい。
「なんか、穴掘ってるな」
「なんか、舗装してるな」
その穴の掘り方がどうとか、舗装しているその材料が何とかは関心を集めにくい。
民間(一般戸建て住宅のエクステリア・外構舗装)でドライテックがバズっているのはご存知の通りだ。
「地球に蓋しない」
「自然と人が調和する世界を創造する」
という環境性能はもちろん、「水勾配が要らない」「雑草対策」「平らにできる」という実用上のメリットもあって、「自分の家ならドライテック」という一般の方々の主体性に応えることで普及を伸ばしている。
本当、本来は、一つ一つの規模の小さい分野ではなく、東京電力のような公共性の高い発注機関が採用することによってより面的にその性能が発揮されるべき。
なかなかそうはいかないのは、発注担当者の主体性の欠如。
事なかれ主義。
前例踏襲。
その意味では、ドライテック駆け出しの頃に、駆け出しの営業マンである僕を信じてドライテックを採用していただいた東京電力の植松さんは素晴らしいと思う。
今はどちらでご活躍されているのだろうか。
携帯番号はまだ変わらずなのだろうか。
電話するのはちょっと気がひけるけどお元気にされていれば嬉しい。
あれ以来、毎年この時期になると送電線塔内舗装の発注は寄せられる。
東京電力に出入りされる施工者の中でも「ドライテック」はきちんと認知を得ることができた。
ドライテックの特徴は「材料販売」。
舗装材の大半は、「材工共」と言って、責任施工で元請けに施工者が材料を自社で手配して工事した舗装を納品するのが習い。
発注者に届く時には当然階層段階ごとの経費がONされるため高額になりやすい。
一方、ドライテックは元請けが材料を手配して自社の施工要員で発注者に対して納品する仕組みを貫いているため、余計な経費がかかりにくい。
自社の作業要員を無駄にすることがない。
一般DIYerでも施工ができるという性能が遺憾無く発揮されコストにも好影響を及ぼしている。
施工After。
大規模な鉄塔舗装だが、ドライテックを舗装しておくことで民間外構同様の性能が発揮される。
つまり、「雨水の隣地流出」「除草作業」は解消される。
それでいて、地球に蓋しないから、周辺環境への影響も限定的。
自然の循環を止めない。
雨水は地下水系や周辺植生の根系に届く。
自然と人が調和する世界を具現化する。
電力インフラという現代の利便性と自然環境の両立を果たしている。
なぜ産業は深く考えずアスファルトで地球に蓋しているのか
日本では95%がアスファルト舗装と言われている。
わずかな5%の領域も、そのほとんどはガタガタするインターロッキングブロックや、地球に蓋をする土間コンクリート(コンクリート舗装)が採用されている。
新しい時代にコンクリートのCO2固定化という役割が注目されている。
アスファルトと違って無筋コンクリートの耐用年数は200年。
人の人生からすれば永遠とも思われる恒久性はそのライフサイクルにおいて大気中のCO2を中性化により固定化する。
鉄筋コンクリートに比べて舗装は10倍の性能を果たす。
さらに、ポーラス構造のポーラスコンクリートであれば単位時間あたりの固定化は比ではない。
その、ポーラスコンクリートは現在全ての舗装の中で「たった5%の中の、さらに5%未満」しか採用されていない。
逆に考えれば、「伸び代しかない」分野ということができる。
コンクリートはライフサイクルコストに秀でているということは周知。
基本的に1度整備されてしまえばアスファルトのように頻繁に剥がしては舗装しを繰り返すことがない。
公共発注機関はその点を評価し予算をつける時代がやってくるだろう。
さらに、ゼロカーボンシティはそのトレンドに拍車をかけることになる。
「へ?まだ舗装にアスファルトを採用してるんですか?御庁は?」
である。
ESG評価は何も企業だけではなく行政にも波及するトレンドだ。
これから詳らかにされるポーラスコンクリートの環境性能やLCCはやがて行政や公共機関の垂涎の的となる。
その価値に誰よりも早く気づいた東京電力。
そして、発注担当者の僕の恩人とも言える植松さん。
素晴らしいと言わずして、なんと言おうか。
今度手土産持って表敬訪問に伺います。
感動で抱きついてしまいそうです笑。
16年間いろいろあったし、途中で投げ出そうとしたことなんて1度や2度ではありません。
続けてきたからこそ、今がある。
そして、ここから先はコンクリート分野におけるカーボンニュートラルのリーダーとしてさらに社会に貢献していきたいと思う。
これからはコンクリート舗装の時代だ。
宮本充也