2022/05/18
《オワコン》大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容する造粒ポーラスコンクリート
大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容するコンクリート「オワコン」(造粒ポーラスコンクリート)の製造・施工見学会が昨日(2021/10/20)突然開催された。通常のポーラスコンクリートと何が違うのか。
今回はオワコンの施行の様子、なぜ大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容するコンクリートなのかを紹介していこう。
(製造:長岡生コンクリート、施工:長岡生コンクリート)
オワコンの製造・施工見学会
2021年10月、造粒ポーラスコンクリート オワコンの製造・施工見学会が開催された。
毎度だが、パチンコ玉のようなコンクリがポロポロ降りてくる様子は圧巻だ。
一輪車で受けて、施工箇所に運搬し、撒いて踏むだけ。
「ドライテック」とほぼ同じ施工フロー。
簡単にだが当日の施行の様子に合わせて、オワコンの施行を紹介していく。
生コン車で運ばれてきたオワコン、まずは施工箇所に一輪車などを使って運搬し敷設する。
次にトンボやレーキなどを使って平らに均していく。
均し終えたら仕上げに、タンパーなどで締め固めていく。
転圧機ほどの圧は必要なく、DIYなど小さな箇所での施工なら踏み固めるだけでも仕上げられる。
施工After(翌日の状態。)
そう、驚く方もいるかもしれないがオワコンはこの単純な工程で施工が完了する。
敷設→均し→仕上げ
手間も時間も掛からず施工できてしまうのだ。
水をバッチリ通すオワコン
これだけ簡素化された手順で施工できるオワコンだが、その性能はドライテックに負けないものを持っている。
造粒ポーラスコンクリートとして内部に無数の空隙を持っており、空気や水分を自由に通すことができる。
いわゆる透水性を持っているというやつだ。
その様子は、施工翌日に撮影した下記動画を見てもらえると一目瞭然だろう。
水を透すことができるので下記のメリットが生まれる。
・水勾配が必要なく(平らにできる)
・排水設備も不要(安く施工できる)
・土ではないのでぬかるみや水たまりの心配もない
さらに、コンクリートなので草が生えてくる心配もない。
簡易的な雑草や水たまり対策として行われている防草シートや砂利敷、これらと近い価格でオワコンは施工することができる。
数年で耐久性に問題が出る防草シート、飛散や隙間から草が生えてくる砂利敷、
永遠に水たまりができず草が生えてこないオワコン。
家周りの雑草やぬかるみ対策として取って代わるコンクリートとなるだろう。
ちなみにオワコンは生コンポータルより購入することが可能だ。
DIYで材料だけ欲しいという場合にも対応しているので、ぜひオワコンが気になる場合には一度ご連絡を頂きたい。
大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容する
興味ある人のために、オワコンがどうして「大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容する」のかを解説したい。
大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容する
⚫︎大地を削らない
何かって、原材料(骨材)100%副産物、あるいは廃材を利用することができる。
このことで、新たに山河を削り原料を得ることがない。完全クローズドループが期待される。
さらに、セメントを使わないで固まるコンクリートは現在多くの研究機関が取り組んでおり、ゼロセメントコンクリートは試験室では完成している。
そのテックをふんだんに盛り込むことで、セメントの原材料石灰岩を削って採取する必要がなくなる。
⚫︎大地を汚さない
上述とも関わるが、副産物や廃材(残コンなど)を循環させることで、埋め立て処分をせずとも良くなる。
また、水が浸透していく構造ということは枯死してしまっていた地下水脈を蘇らせる効果だってある。
大地を浄化する。
⚫︎大地を蓋しない
水を通すだけじゃない。
空気も通す。
通常のコンクリート構造物のように大地を被覆しない。
⚫︎CO2を収容する
セメント・コンクリートは飽和Ca(OH)2状態であるため、大気中のCO2と反応・固定化してCaCO3となることが分かっている。
さらに、本コンクリートはポーラス構造であるため、より多くのCO2と出会う機会に恵まれている。
さらに、CCUなど二酸化炭素固定化技術による原料を実装することでカーボンマイナスを実現することができる
というわけで、今日はこれまで!
一同、すごいプロダクトが生み出されたことに興奮している。
これから先大学など研究機関らとともにこの領域(造粒ポーラスコンクリート)はさらに進化・発展していくことになる。
大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容する。
その実践は僕たち生コン製造ラストワンマイルが担うことになる。
宮本充也