2022/12/17
「コンクリート塊を破砕した際に発生する0.075mm以下(粘土・シルト)の救世主は残コンステーションだ」
生コンポータルは生コン屋。まず、誰よりも、自分たち生コン工場・産業にとっての貢献を果たす。そして、その貢献をより大きなものにするためには、既往のプレイヤーらとの連携は欠かせない。
RC40-0屋さん と 生コン屋さん の 救世主「残コンステーション」
0.075mm以下 の 微粒分 が 厄介
集塵機で補修された微粒分。JIS A 5021で規定されるH骨材を得ようとした場合、加熱すり揉み方式で粗骨材の周囲に皮膜しているモルタルペーストを剥がされる。あるいは、中間処理場で破砕されるコンクリート塊からも発生する0.075mm以下の微粒分(粘土・シルト)は品質を著しくそこねるため、その利用法がこれまで長きにわたって検討されてきた。
製造するのにエネルギー消費がかさむだけでなく、残留したカス(微粒分)の利用方法が確立されてないので、その処分もコストがかかってしまうという。。
微粒分量(0.075mm以下)の過度な混入はフレッシュコンクリート性状に悪影響を及ぼし、さらに乾燥収縮ひずみが増える傾向が懸念されるため敬遠されている。(https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijt/16/32/16_32_5/_pdf)
こうした微粒分を持て余している人や企業が多いようなんだ。
それは、コンクリート解体がらを受け入れている中間処理業者さん目下の悩みでもあるんだね。
残コンステーション が 0.075mm以下 を 飛ばす??
残コンステーション では持ち戻された生コンクリート「残コン」を特定のプロセスで処理することで造粒骨材(写真)を得ることができる。
残コンステーションでは残水や洗浄水の水分を鋼管スリットで取り除いた残渣も用いられる。この残渣こそが0.075mm以下を豊富に含んでいる。
自然脱水された0.075mm以下(粘土・シルト)を豊富に含む残渣と当日の残コンがブレンドされre-con zero EVOで造粒。
「残コンステーションは0.075mm以下を飛ばせる」ってね。
(※造粒の過程でより大きい径の骨材の周りに絡め取られる)
例えば中間処理場に残コンステーションを実装
<img" src="https://www.nr-mix.co.jp/econ/B7539012-1293-410D-9D96-5B2E9E0C077F.jpeg" width="520" height="390" class="mt-image-none" />
https://sankokensetsu.net/biz/
中間処理場では解体コンクリート塊が日々破砕されふるいにかけられRC40−0など路盤材料が製造されている。ここでも粉分が多すぎると販売先から粉塵や「粉が多すぎて道路に引っ張る」など客先からのクレームが生じる。
中間処理場に残コンステーションを設置して近隣の生コン工場から受け入れた残コンとブレンドして造粒するってことですね?
生コン工場の「厄介者」残コンと、中間処理工場での「厄介者」微粒分が合わさることで、両者の問題が解決する。
マイナス かける マイナス が プラス みたいな。。
残コンは流動性が高いためピットで貯蔵され造粒骨材に改質される。一般の中間処理業者ではこうした「固まる前のコンクリート」は流れて広がってしまうことで敷地面積を占めるため敬遠されている。
残コンステーションでは残コンを5〜10分で造粒骨材にしてしまうことができるから、コンクリート解体塊やRC40−0のように山にして保管できる。
だから、省スペースでより高い受け入れ費用が見込めることもいいことだね。
RC40−0 よりも 一桁お高いお値段で販売? 高付加価値化
造粒骨材を10〜5mmでふるいにかけた細骨材。
残コン造粒細骨材で製造された高流動埋戻し材「イワモル」は廃止管や地下構造物・空洞の充填や沈下防止の用途に用いることができる。
造粒細骨材なら生コンなどより付加価値の高い製品の原材料として販売できるから利益率も高くなりそうですね。
生コン工場に計量器付きホッパーやベルトコンベアがあればバッチャープラントでセメントミルクを製造し造粒細骨材をドラムに直投入することでイワモルが製造可能。造粒細骨材を仮に1000円/tと設定したとしても、原価は2000〜3000円/円程度と、既往の流動化処理土と十分に伍するコスト構成となる。
コンクリート塊の困ったと、コンクリート製さんの困ったを掛け合わせることで、見事新しい市場領域が生まれたんだ。
イワモル、オワコン、オコシコン、再生コン 「コンクリートをもっと身近に」
【山梨】「ドライテックの100倍楽?! 骨材飛散や仕上げ不良で散々苦しんだ名取伸治が絶賛するオワコンの施工しやすさ」富士生コンクリート・Ns.BANDE
透水性コンクリート「オワコン」はJIS A 5308 に規定されている製品ではないため、採用しうる材料も多様だ。造粒骨材であれば、粗・細骨材いずれも配合して、さらにコスト削減と環境性能向上を期待できる。
このところ「透水性コンクリート」と「残コンリサイクル」の間でキャラ設定に苦慮している宮本さんだぞっ。
昨日盟友金海さんとたっぷり4時間近く残コンリサイクルや透水性コンクリートについて語り合っていたんだけど。。
やっぱ、生コン工場だけで残コンを完結させようってちょっと難しいんだ。
だって、生コン工場は生コン屋さんであってリサイクル屋さんではないからね。
そう考えると、ラストワンマイルで僕たちが生み出したこうしたプロセスは既往の理解ある中間処理業者やゼネコンなど企業や人との連携が必須だね。
そうすることで、より安価な骨材が生コン産業にもたらされ、次第にイワモルやオワコン、オコシコンといった製品がスタンダードになっていくのさ。
「コンクリートをもっと身近に」
日々の情報発信が鍵だよ、残コンさん、残コン姐さん。
引き続きよろしくお願いしますっ。
作者・宮本充也