2022/09/08
「月間150m3の残コンが発生している生コン工場であれば年間7,200,000円以上の利益が生まれる」生コンキャンプ.LLP
現在当社らが運営に参画しているICC(伊豆中央コンクリート).LLPでは月間平均して150m3の残コンが発生している。年内よりICC.LLPで発生する残コンを全量買い上げて生産する粗骨材と細骨材を現行ICC.LLPが購入する半額で販売する残コンに特化した事業体「生コンキャンプ.LLP」がローンチ予定。
生コンキャンプ.LLPが生コン工場を富ませる
トロンメル設置
現在白石建設に実装されているトロンメルを生コンキャンプ.LLPで貸与を受けることとなった。
《残コン.LLP》「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#11
生コンキャンプ.LLP とは当面出資者を白石建設や長岡生コンクリートらとする組織だ。
生コンキャンプ.LLPがこのトロンメルをICC(伊豆中央コンクリート).LLP(生コン製造業)に設置する。
すでにICCで稼働している残コンステーション(下記動画参照)で得られた残コン造粒物を直ちにトロンメルにかけることで、JIS A 5005 に適合しうる砕石と、再生砂(L骨材相当)を得る。
ケース:ICC(伊豆中央コンクリート).LLP
当社らが参画する生コン製造事業体ICCでは月間に150m3の残コンが発生している。
残コンステーション+トロンメル導入によりざっくり砕石150トン、砂150トンが得られる。
砕石に関しては、今月どより参画されるJIC森先生の監修によりJIS生コンの骨材として標準化予定だ。
ちなみに現在ICCでは粗骨材をおよそ4000円/tonで購入している。
生コンキャンプから当該粗骨材を2000円/tonで仕入れることで2000円 × 150ton = 300,000円/月 のコスト削減は見込まれる。
しかも、原材料の残コンは生コンキャンプ.LLP が「買ってくれる」のだから、その分の収益もOnされることになる。
一方、「!」で表示される砂に関してはJIS品としての利用は不可能。
せいぜいL品相当の性能しか満たしていないからだ。
そこで、 ICCから1:3モルタルやJIS外品(から練りや少量)で用いられる砂や、JIS外品に代替可能な生コン数量から計算される砂の総量をヒアリングしたところ、流動化処理土製造などもあり月間Max300ton程度はJIS外砂の使用を見込んでいるという。
やはり細骨材も同様に4,000円/tonで購入しているそうなので、上述フロー同様2000円 × 150ton = 300,000円/月 のコスト削減が見込まれる。
合計で600,000円/月 が残コンを生コンキャンプ.LLP に販売することで新たな収益として作り出される。
年間7,200,000円の新たな利益を上げる機会など一体コンクリート産業のどこにそんなチャンスがあるだろう?
生コンキャンプ.LLPの収支
話題は生コンキャンプ.LLPの収支に転ずる。
単純計算で、「ただ同然」で購入した残コンを元手に300tonからの砂・砕石を生産し生コン工場(今回はICC.LLP)に2000円/tonで販売するから、売上は600,000円/月(年間7,200,000円)。
そこから、造粒材(re-con zero evoなど)や設備の減価償却が経費としてかかる。
生コンキャンプ.LLP の目的は出資生コン工場を富ませることにあるから、仮に売上と経費がトントンだったとしても、生コン工場サイドに富が生まれればそれで良い。
ちなみに、ICC.LLPの池上さんに尋ねたところ、「月間re-con zero evoは大体30万円くらい使用しているので利益は残るだろう」と言うことだった。
恐るべし、生コンキャンプ.LLP。
さらに生コンキャンプ.LLP が生コン工場を富ませるには?
これまでは単純に残コンから砕石・砂を得て生コン工場に安価で供給する基本的なフローについて述べてきた。
さらに生コン工場を富ませることができるのか?
この答えは、砂に潜んでいる。
「付加価値の低い生コンの砂にするには勿体無い」
この考え方が出発点となっている。
例えば、これ、さっき2,000円/tonと解説したが、kg/2円であることを意味する。
ホームセンターなど一般資材の常識からしたら馬鹿みたいに安い。
本来であれば、もっと付加価値の高いkg/10円とかそんな価値提供ができるはずの性能がある。
それが、「脱炭素」「SDGs」といったリーマン稼業の皆さんが涎を垂らして近づいてくるワードの活用である。
(※この砂は豊富なCa(OH)2が含まれているため、CO2を吸収固定しCaCO3に変換されることがわかっている)
例えばこの砂を分級加工してPUMP MANが売り出す生コン誘導材(先送りモルタルの原材料)にすれば、販売価格は桁が上がる。
採用すればするだけ、地球環境への貢献が示されるのであるから、ゼネコンや工務店としても高い1:3モルタルをわざわざ買う必然性は失われる。
あるいは、高流動コンクリートに配合されるフィラー(石粉)やポーラスコンクリートの結合材(バインダー)として販売する。
既往の「生コン用骨材としての砂」と言う発想に捉われずより高い付加価値が得られるであろう分野に販売する。
生コンキャンプ.LLP がその流通を作る。
当該生コン工場からより高い価格で買い上げる。
砂に代替してた時よりも生コン工場が富む。
生コン工場に新しい収益機会が生まれる。
「月間150m3の残コンが発生している生コン工場であれば年間7,200,000円以上の利益が生まれる」
まずは、生コン工場としては当社らの姉妹工場でもある白石建設とICC・有限会社 長岡生コンクリート(生コンポータル)で始める。
生コン工場で発生した残コンを生コンキャンプ.LLPが高付加価値製品に転換し富を生コン工場に還流させる。
夢みたいな話だ。
GNNでもそうだったように、きっと僕たちの発想はすぐに理解されないんだろう。
ふざけてるように見えるかもしれない。
不遜なようだが、いつだってイノベーションとは最初は受け入れられないものだ。
今に見ていろ。
今僕たちがやろうとしていることは次世代の生コン産業を規定する新しい潮流だ。
結局最終的にみんなこの潮流に飲み込まれるにすぎない。
宮本充也