2022/07/23
「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#1
今、岡山県に来ている。ここで宣言しよう。残コンが廃棄物と呼ばれる時代は終焉する。最強の資源循環に向かう未利用資源として争奪戦が繰り広げられる時代がやってくる。「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」。オケボーイ。
残コンステーション +α
再利用方法が確立されていないスラッジケーキを生成させない。
濾して、乾かして、残コン(つまりフレッシュコンクリート)に統合する。
統合された残コンを造粒化させて造粒骨材を作る。
それを生コンクリートの原材料とする。
いわゆる生コン工場であるからふるい設備をかけたりひと手間を生コン工場に強いるような意図は全て循環を産まない。
だからあいにく僕たちはふるいにかけない全骨材(いわゆる20-00規格)として計量し、適応範囲も少ない領域のみへの製造・出荷に甘んじてきた。
「残コンが解決すればそれでいい」
そんなふうに嘯いていたのだと思う。
「より良いものを」
そんな発想を持たなくていいと。
それでいいの?
そんな問いはこれまでの僕にはなかった。
残コンはチャンスではなく解決を待つリスクであり問題という視点しか持ち合わせていなかったのだ。
残コン(未利用資源) +α
こちら残コンステーションで生成された残コン造粒骨材のストック(白石建設砕石場)。
残コンを未利用資源(原石)として捉える。
それを破砕して通常の骨材製造のプロセスにかける。
こちらインパクトクラッシャ。
これが中身。
中に入ったらすりつぶされ砂にされる。
骨材、かわいちょ。
粉々にされちゃう。
てこと。
砂、でけた。
これ、しかも、JIS A 5005 が要求する細砂の性能を満たしているそうだ。
恐るべし。
残コンから見事骨材が出来ちゃった。
まあ、でも、ここまでは誰もがある程度想像してきたことだろう。
細骨材 +α
さて、僕は生コン工場だからあまり知らなかったけれど、砕石場を傘下としている白石建設ならではの発想。
いや、発想というよりも、何も手を加えていない。
一手間がない。
砕石場では骨材製造の過程で粉塵が発生する。
これは、集塵機で回収されているという。
さもなければもうもうと粉塵が立ち込めて近隣からクレームだろう。
かわいちょ。
で、やっぱり、残コン造粒骨材を粉々にしてる最中にもうもうと粉塵が立ち込める。
それを集塵機でやっぱり回収する。
残コン造粒骨材由来のスクリーニングスというべきか回収ダストというべきか、そんなもの。
それが、もう、まんま粉、そりゃそうだ、粉、パウダー、セメントみたいなの。
ブレーン2000はあるだろうって感じの粉。
これが、最後の最後の+αとして生成されてる。
ん?
気づいちゃった?
てことてことてこと。
気づかなかった人、かわいちょ。
ここでぶん投げるように筆を置こうとしよう。
「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」
毎度の大法螺・風呂敷かと思われるかもしれない。
ただ、どうだ、おぼえているかい、ちみたち。
「生コン工場は飽和水酸化カルシウム溶液の泉」
(石田哲也)
残コンは二酸化炭素を吸収固定化するDAC(Direct Air Capture)効果が期待される未利用資源。
いわゆるコンクリートがDACしちゃうとそれは、中性化といって耐久性にとって問題となる。
残コン。
これまで、多くの人たちが「捨てていた」ものが中性化しようとしまいとどうでもいい。
そのどうでもいいのが、脱炭素・SDGsの時代脱CO2材料として見出される。
うお。
しかも、表面積広大だから二酸化炭素との接点「しか」ない状態。
ほぼほぼフィラー。
コンクリート・建設に携わるちみたちは知ってるよね?
骨材不足、セメントの高騰。
なすすべもなく途方に暮れている生コン工場、ゼネコンの皆さん、かわいちょ。
でも、残コンから脱CO2材であり炭酸カルシウム(フィラー、つまり高流動コンクリートの減量や他産業で用いることのできる汎用品)が取り出せて、さらに骨材も取り出せる。
てことてことてこと。
宮本充也