2021/12/31
「2021残コンソリューション(Re-con ZERO他)書き納め」
当社としては先の書き納め透水性コンクリート事業よりも歴史が古い残コンソリューション事業について大晦日に1年間を振り返りたい。それぞれ別の軸として考えられていたポーラスコンクリートと残コン再生は交わり一つとなり二次関数の成長軌道を描き始める。
装填完了2021
⚫︎参考記事: 「老舗《ヤブハラ》が参戦?!いよいよ温まる残コン市場の役者が揃う」PUMP MAN・残コンキラー
月刊残コンを振り返ることで今年一年の当社における残コン再生事業を総括したい。
まずは、何よりも、本格的なRRCSの活動により「残コン」の認知が大きく前進した1年と振り返ることができる。
アカデミアや関連省庁が認知し始めたことにより、ゼネコンをはじめとした業界関連企業全てが嫌でも残コンを認知せざるを得なくなった。
「市場(いちば)がなければ、漁業や仲買、問屋や消費者は互いに結びつかない。結果としてサンマやアジは食卓に届かない」
このことは残コンソリューションにも言える。
いくら辺境で生コン工場が「残コンは業界全体にとって直視すべき問題なのです!さあ!取り組みましょう!!」と気を吐いても誰もそれには耳を貸さない。
透水性コンクリート事業よりも歴史の古い当社の活動が果たして産業の常識を変えることができていないことがその証拠だ。
一方、社団法人でありトップアカデミア東京大学野口貴文教授が代表理事を務めるRRCSは公益性の高い団体だ。
「知られていないことは存在していないのと同じこと」
まず、残コンソリューションというプロダクト(いちばにおけるサンマやアジ)が生コン工場や建設現場に届く(いちばにおける食卓)ためには市場を整備しなければならない。
「残コン」という市場を開くためにまず大切なことは、「認知」。
知られていないものは存在していないようなものであって問題や機会として取り上げようにも取り上げられない。
その認知・情報発信が2021年には大きく前進することになった。
ESGやSDGsなど社会のトレンドが「知られざる副産物」残コンの認知を加速させたとも言える。
いよいよ残コンにも市場のようなものがまだまだ輪郭はおぼつかないが立ち現れようとしている。
市場=フィールドが生まれと登場するのが具体的なプロダクトとしての残コンソリューションや担い手(プレイヤー)の存在だ。
当社らがもとより取り組んでいたRe-con ZEROシリーズやセルドロンはNETISに登録されるなど具体的な成果が上がる。
市場が生まれようとすれば当然プロダクト開発も促進され多くの協働が当社にも生まれた。
もとより協業していた白石建設、陽光物産、そして圧送業の有名人小澤さんが経営しているPUMP MANとのオープンイノベーションが加速。
参考記事に詳らかだが、エコスルプラスや残コンキラーなど、本格的に残コン問題を解消しうるプロダクト群の誕生。
いちばにとっての小売店の位置付けとなる建材卸・商社(ヤブハラなど)等流通ファクターも続々と流入し始める。
2001年4月に個人的に大変衝撃的だった残コンとの出会いはそのまま根強い課題意識として僕の脳裏に刻まれ、2021年今年は業界全体を巻き込んだ大きなうねりに発展している。
僕のようにラストワンマイルにあって残コンという不条理に喘いでいた全ての人たちの集合的意識が創発を生み出し「残コン」をテーマとした市場を構築することになったのが今年2021年だ。
一方、傍流で実に印象的な出来事が今年起きていた。
別事業で16年の歴史を数える当社ポーラスコンクリート(透水性コンクリート)と残コン再生が軸を一つにしたことだ。
もともと当社のコーポレート・コミットメントは、「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」だが、その具体的な実践としてそれぞれポーラスコンクリート、そして残コン再生は位置付けられていた。
そして、それらは、別々に分けて考えられていた。
その分断に統合が生まれた。
今年8月下旬の着想から急激に社会実装が進んでいるモンスタープロダクト「オワコン」(造粒ポーラスコンクリート)の誕生。
灯台下暗し、あるいは瓢箪から駒、あまりにも衝撃的な出来事でそれを喩える術はないが、あまりに身近だった残コンソリューションの造粒技術がある日全く別の像として僕の目に結ぶことになった。
「造粒された残コン」としてではなく、「ポーラスコンクリート」として像を結んだ。
転圧コンクリート舗装の要領で施工され完成した造粒ポーラスコンクリート。
(出典:https://corobuzz.com/archives/117500)
アヒルと信じて疑われていなかったその絵はある時ウサギに変化する。
僕は、残コンソリューションやポーラスコンクリートという事業を通じて同様の体験をすることとなった。
それまで問題解決策・ソリューションとしか見えていなかった造粒技術Re-con ZERO EVO(アヒル)は、新たな可能性を開き飛び跳ねる機会・チャンス(ウサギ)として知覚された瞬間だった。
それまでお悩み解決の提案だったものが、ある日新しい市場を開くカギ(キーマテリアル)としてre-con ZEROが再定義されたのだった。
8月下旬に着想されたそのテクノロジーはたった4ヶ月で瞬く間に実装が広がった。
その経緯はこれまでのブログやYouTube動画に詳らかにされている。
2022年残コン引いては全ての建設副産物にとっての再生元年を迎えることになるだろう。
その抱負については明日元旦に2022年書初めとして表明したいと思う。
2021年はその飛躍のための装填が済んだと振り返ることができる。
引き続き問題解決策としていよいよ進化した残コンソリューションの拡大、そして傍流で突如誕生した新技術造粒ポーラスコンクリート「オワコン」の社会実装。
個人的には来年で22年目を迎える残コンソリューションの歩み。
敵とか味方とか、仲間か他人かとかではなく、これまで、そしてこれから歩みをご一緒する全ての人々に年の瀬に感謝の気持ちを抱いている。
都合が悪くなっていなくなる人も、面白そうだと近づいてくる人も、継続する人もそうでない人も。
そんな全ての人々との交流のアウトプットで多くの具体的な価値(プロダクト)が生まれてきた。
その大切なことを常に忘れず、これからも自分だけの貢献を念頭に歩んでいきたいと思います。
身近な全ての方々には今年一年大変お世話になりました。
どうぞ、たまにはゆっくりとくつろいで暖かく年の瀬をお過ごしください。
良いお年をお迎えくださいますよう。
宮本充也