2022/04/26
「禿同!! 無理してCO2固定化してんじゃねえぞヽ(*`Д´)ノゴルァ!!!」(月刊残コン Vol.57)
加熱するカーボンネガティブ。脱炭素。むやみやたらにCO2を固定化しようとするその風潮に待ったをかける。本物の資源循環。本物のカーボンネガティブとは何か。電力中央研究所の山本研究員がわかりやすく解説?!また、残コンとの関係とは。我が国コンクリートの唯一絶対の権威野口貴文がお相手。
偽物脱炭素にご注意を!
今まで悪とされてきたコンクリートの中性化が、これからのコンクリート業界を救うかもしれないと言われている昨今。コンクリートがCO2を固定化する本当のメカニズムはなんなのか?様々な技術が取り上げられている中で、それぞれの違いは一体なんなのか? 一般財団法人 電力中央研究所から山本武志様をお迎えして、徹底的に分析します。
ここは抑えておきたい、勉強になる40分です。
00:00 オープニング
02:23 CO2吸収固定化のメカニズム
11:01 コンクリートの中性化と鉄筋との関係
13:30 液体の中での化学反応
16:27 GI基金、二つのコンソーシアム
20:05 新技術の普及における重要点
23:50 排出量の最小化と吸収量の最大化
25:58 スラッジ、残コンが供給源となる?
27:58 炭酸カルシウムの循環
31:07 CO2吸収固定の測定方法の見通し
33:42 生産におけるプロセスの透明性
35:35 セメントの吸収可能なCO2量
38:40 CO2吸収コンクリートのこれから
40:02 エンディング
⚫︎参考記事: 【350億】【NEDO】「GI基金《CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト採択》本当の意味について」(月刊残コン Vol.54)
昨年末業界に激震を呼んだ2つのGI基金採択。
CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト。
現在、猫も杓子もSDGs、ESG、脱炭素。
流行り言葉すぎて使ってるのがダサいくらいに流行っている。
そんな風潮に本物研究者山本がマッタをかける。
ちょっとまったああ!
一言で言えば、必見である。
見なければコンクリートに関わる技術者として恥をかく。
中性化にはもう一つあったって知ってた?
コンクリート技士・主任技士諸君。
ちみたちは中性化には2つの種類があるって知っていたかね?ん?
20年以上生コンクリート一筋に心血を注ぎ続けてきた僕は知っている。
コンクリートの炭酸化には2つ種類があるってことを。
1つは、みんなご存じ中性化。
理科で習ったよね、飽和水酸化カルシウム溶液にストロー差し込んでブクブクやると膜を張るあの現象。
化学式でいうと、Ca(OH)2 + CO2 = CaCO3 + 2H2O、つまり白く濁って膜を張るあいつの正体は炭酸カルシウムだ。
それと同じ現象がコンクリートにも起きる。
そのことで不動態皮膜がぶち壊れ鉄筋が水と酸素にさらされると錆びて膨張し膨張圧がかかりコンクリートは内側から破壊され劣化する。
これが、これまでのいわゆるコンクリートの常識。
そして、もう1つの炭酸化がc-s-hとCO2の反応によるもの。
なんとc-s-hもCO2と反応することでCaCO3になる?!
勉強に励んでいるちみたちもこれはきっと知らないんだろうなあ。
教えてあげよう。
もう1つの炭酸化。
c-s-h(引用:https://concrete-mc.jp/cement-hydrationmechanism/)
c-s-hがなんとCO2と反応することで炭酸化する現象。
ちみたち、しらなかっただろう?
どうだね?
吾輩も野口貴文先生にレクチャしてもらってようやく知ったんだよ、これ、昨年。
ご存知の通り、コンクリートが固まる要素である結晶構造物c-s-hはCaO、SiO2、H2Oで構成されている。
通常、SiO2が鎖となってCaOとH2OはCO2と触れることができない。
ただし、特定の環境下に置かれた場合、SiO2の鎖は解かれCaOとH2OはCO2と出会うことでCaCO3に変化する。
CaO + H2O + CO2 = CaCO3
化学式で書くとこんな感じか?
あんまり書きすぎると文系がバレるのでこの辺にしておこう。
無理すんな、脱炭素コンクリート
山本が何が言いたいかというと、世の中に蔓延る脱炭素コンクリートのほとんどは偽物ってこと。
例えば上記SiO2の鎖を解いてCO2と接触させるためにめちゃくちゃエネルギーをかける(=CO2を排出する)とか。
あるいは、ちょっぴり炭酸カルシウムを作るためだけに液化二酸化炭素をブンブン排気ガス撒き散らして生コン工場に運ぶ、とか。
そういうの、意味ねー。
偽物の脱炭素。
始まる前からオワコンだよそんなもん、である。
そうじゃない。
CO2を固定化させるコンクリートってのはそんなもんじゃない。
2つのGI基金採択プロジェクトが志向するのはそこじゃない。
悪口になるからあんま特定の商品のことを論うのは控えておこう。
ただし、世の中のコンクリートパーソンたちよ、目を覚ませ。
何が一番資源循環、カーボンネガティブに最も近いのか。
答えは残コンにあった?!
石田哲也教授から教わったこの言葉、「生コン工場は飽和水酸化カルシウムの泉」は至言である。
そう、僕たち生コン工場に当たり前にある貯水タンク。
そこには、スラッジ水とか上澄水とかふんだんにあるでしょう?
現在、ほとんどの皆さんはそれらを中和させて河川放流してる。
汚水として、捉えている。
ダメダメ、それ、汚水じゃないよ、未利用資源だよっ。
だって、小学校の理科の実験でやったでしょ、その飽和水酸化カルシウム溶液にブクブクやったらCaCO3(炭酸カルシウム)できてたでしょっ。
つまり、CO2固定のための貴重な資源なのである。
それを、山本は伝えたいのである。
その炭酸カルシウムを循環させようって言いたいのである、山本は。
グリーンカーボン、ブルーカーボン、そして、ホワイトカーボン
野口先生は締めくくる。
これまで「コンクリートから人へ」とか「二酸化炭素をバンバン焚いて何やってんだコンクリート」そんな世間からの批判を唯一絶対の権威として全身に浴びてきた野口貴文は締めくくるのだ。
コンクリートこそ地球を救う唯一絶対のマテリアル。
炭酸カルシウムが循環する。
ご存知だろうか。
セメントは炭酸カルシウムを燃やす(CO2を排出する)ことで作られている。
つまり、ワンチャンセメントに戻せる。
また、炭酸カルシウムってのは食品にも使われるほどの汎用品である。
循環しまくれるってわけだ。
コンクリートの脱炭素、あるいは炭素循環、それがホワイトカーボン。
よっ、日本一、素敵、サイコー。
というわけで、昨晩飲みすぎたせいかちょっと変なテンションでお送りする月刊残コンである。
みんな、目を覚そう。
あなたが考えている脱炭素コンクリートは間違ってます。
本物は、これです。
山本の話をちゃんと聞こう。
野口先生に師事しよう。
コンクリートによるCO2固定化のメカニズム。
刮目せよって感じだ。
宮本充也