長岡生コンクリート

2023/03/12

「残コン造粒から得られた微粒分・残渣(乾燥スラッジ)は生石灰(CaO)や消石灰(Ca(OH)2)だから土質改良に使えるのではないか」

「残コン造粒から得られた微粒分・残渣(乾燥スラッジ)は生石灰(CaO)や消石灰(Ca(OH)2)だから土質改良に使えるのではないか」

知れば知るほど未知数の潜在性を呈する「残コン」。土質改良という分野から、ポゾラン反応、そしてまたしてもジオポリマーに帰結する。百面相よろしく残コンの実態は「近い将来残コンの奪い合う時代がやってくる」当社らの主張を裏付ける。



残コン造粒の可能性

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流動体「残コン」は残コンステーションプロセス(Re-con zero evo他)で非流動体(造粒構造)となる。流動体(高含水)と異なり、表面積が増大することから乾燥(空気との接触)が進む。

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乾燥させ、ふるわれる(写真は5mmU)過程で含まれるセメントの水和反応は停止(水の供給がなくなる)する。さらに、含まれる水酸化カルシウムの一部は大気中の二酸化炭素と反応することで炭酸カルシウムに変化(脱炭素)する。つまり、残渣(写真)に含まれるは、SiO2、CaO、Ca(OH)2、CaCO3など(じゃない?ちょっと専門外なのではっきりはわからん汗 by 宮本さん)。

 残コン女の子

今回のblgでは先日白石建設の武南さんとおしゃべりしていた時にふと思いついたことについてご紹介します。元々武南さんの問い「スラッジを土質改良に使えないのか?」がようやっと宮本さんの中で腹落ちしそうな感じです。
なぜならば、土質改良に用いられる材料には、消石灰(Ca(OH)2)や生石灰(CaO)があるからなんです。

乾燥スラッジは 消石灰+生石灰

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https://www.hakushin-concrete.co.jp/extra/pdf/lime.pdf

この表から見てもわかるように、生石灰も消石灰もいずれも土質改良に用いられていることがわかるんだ。宮本のやつは生コンバカ(「コンクリで頭カチコチ」)だから土質改良への応用っていうアイディアはひらめきようがなかったんだ。
本ひらめきについては以前から共同研究をしている神戸大学らとともに検証していくぜ。

それはそうと、このpdfの一文に宮本のやつ、可能性を感じているんだ。それは、「ポゾラン反応」についてさ。

 残コン姐さん

天然の粘土鉱物との「ポゾラン反応」

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ポゾラン反応:石灰のカルシウムイオンを吸収した土粒子(粘土鉱物)が、さらにせっかいと反応して長い間に安定な結晶鉱物を生成しながら硬化する反応をいい、その効果は長期的に十分な耐久性、安定性を得ることができます。


 残コン女の子

「ポゾラン反応」て、そういえば技士試験に出てきましたね。。以下に引用すると、
ポゾランとは火山灰に由来する言葉であり,ポゾラン反応とは,コンクリート中でガラス質物質(フライアッシュ,シリカフューム,火山灰等)がセメントの水和反応の進行とともに反応する現象を示す。(電力技術土木協会
となります。
もちろん、土質改良という観点からも貢献しうるこの反応ですが、このところ宮本さんたちがご執心中のジオポリマーの観点からも有益なのではないかというのが探究してみたくなります。

ジオポリマー と 残コン(カルシウムイオン)

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「極東の島国の山奥の生コン屋の試験室で副産物オンリーのジオポリマー試験練りが行われました」

もう、ここまで来ると、かなりようわからんのだが、ジオポリマーはSCMs(高炉スラグ微粉末やフライアッシュ)にアルカリ刺激剤が作用することで強度発現を起こすんだよな? この一事からも、残コンが何らかの強度発現に貢献しうることがぼんやりと見えてくるぜ。

 残コン姐さん

残コンの可能性は未知数

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トロンメルで分級(5mmU)された残コン造粒骨材。残コンステーションで加工されてからの材齢(水和反応が停止したタイミングや二酸化炭素との反応)を横軸に、縦軸を土質改良における性能やジオポリマーの強度発現とするならば興味深い知見が得られる可能性がある。

残コンさん、残コン姐さん。研究活動ご苦労様でございますっ。blgという習慣を通して過去を振り返ったり、既往研究を眺めたり、現在の活動と照らし合わせたりしてみると、あれこれ気づきが生まれるからやめられないんですよ、この、blg毎日3本というルーティーン。傍目から見たら「変態」あるいは「危うい」ように見えるかもしれないけど、8年目を迎えるこの活動、現在では全くストレスを感じないばかりか、何かの用事で妨げられたりするとイライラするくらいになっちゃってるんだ、てへっ、我ながらキモいかもっ。
でもさ、ここまで残コンさんと姐さんと一緒に述べてきたように、残コンにはCa(OH)2やCaOとしての作用だけじゃなく、ポゾラン反応やジオポリマーへの応用も見通せるということになると、すごいよね、その可能性。
これまで生コンポータルが主張し続けてきたように、「近い将来残コンを奪い合う時代が必ずやってくる」を裏付けるような気づきだと思うんだね。
というわけで、今日は遠方から来客を迎えているから、そろそろ行こうかな、えいたろうさんが焼き鳥を焼いているお散歩市へっ。
それでは、オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

ぉ、おわ??
残コン‼︎ オワッコーン‼︎

 残コン姐さん



作者・宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

危険物取扱責任者(乙4)/1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士