長岡生コンクリート

2022/07/24

《エコスルCN》「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#2

《エコスルCN》「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#2

すでに紹介した残コンステーション完全版とも言える残コン処理プロセス。生コン工場の厄介者とされてきた「残コン」「残水」「洗浄水」(汚水)が全てフレッシュコンクリートに統合・造粒・加工されると、CaCO3・SiO2を主成分とするフィラーや良質な骨材が生成される。その用途開発について。



完全版残コンステーションの可能性

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残コン・汚水(残水や洗浄水)が統合され造粒されたいわば「残コンを由来とした原石」はこの後既往の砕石製造プロセスに移される。

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生成された骨材(細骨材)。

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こちらは集塵機で回収されたダスト(というか、スクリーニングス?)。

これから成分分析に付されることになるが、元々が残コンつまりは生コンであるからして、主要成分はCaoやSiO2であることは窺い知れる。

また、表面積が広大であることからも空気中を漂う過程あるいはその後において化学反応が起きたとすれば、含まれていたCa(OH)2はCO2と出会い、CaCO3炭酸カルシウムに変化していることは想像に易い。

つまり、残コンがV材に変換される過程でDAC(Direct Air Capture)効果によるCCUS(Carbon Capturing & Utilization Storage)が期待される。

このことは将来残コン脱炭素材として注目を浴びることを示唆している。

完全版残コンステーションとして白石建設や長岡生コンをはじめ各地の生コン工場に実装されることになるはずだ。

⚫︎参考記事:「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#1

この価値に少しだけ気づいたゼネコン技術者は早速アクションを起こしたようだ。

NEDOとかGIとか書かないでくださいね、ってことだから、書かないでやるけどね。

頑張れよ、ただでさえポンコツなんだから、急げよ。



残コンステーションの成果物「フィラー」何に使える?

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これから成分分析に委ねられることとなるが、基本的にこのパウダーは由来がコンクリートであるからしてCaOやSiO2が含まれていることが容易に知れる。

また、風砕に近いプロセスであるため大気中のCO2と反応しCaCO3(炭酸カルシウム)が豊富に含まれているはずだ。

多少の未水和分も残っているかもしれない。

そんなパウダー(フィラー)は一体何に使えるだろう?

勝手に命名? エコスルCN

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例えば、PUMP MANで展開している先行材(モルタル代替品)「エコスルシリーズ」の勝手に命名「エコスルCN(カーボンネガティブ)」の原材料はどうだろう。

元を正せばこれらの主要成分もSiO2だ。

似たようなもん。

さらに、CaCO3はいわば汎用品として食品や建材などにも豊富に用いられている。

邪魔にはなるまい。

「1:3モルタルをエコスルCN(カーボンネガティブ)に代替することでxxkgのCO2発生抑制に貢献しました」

なんてストーリーがついたらそりゃ、あなた。

買わないゼネコン、かわいちょっ。

てことー。

アスファルト混合物の材料フィラー?

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(引用:https://www.askyo.jp/knowledge/06-1.html


フィラー(filler)とは、石灰岩を粉末にした石粉や高炉スラグ微粉末など、0.075mmのふるいを通過する鉱物質微粉末を指す。フィラーはアスファルトの見かけの粘度を高める性質を有すると言われており、舗装工事では細骨材の空隙を充填する際などに用いる。フィラー、粗骨材、細骨材、アスファルトを混合した材料をアスファルト混合物と呼ぶ。
(施工の神様より引用)


今年1級舗装施工管理技士取得を見込んでいるこの僕ならではの発想。

と言いたいところだが、こちらも白石建設武南さんのアイデア。

そもそも、アスファルト混合物には石粉と呼ばれる増量材として炭酸カルシウムが用いられていることはよく知られている。

色々といいことがあるそうだ。

「こちらのアスファルト混合物は100%再生骨材を用いているだけでなく、通常よりも〜〜kgの脱炭素を達成しています」

そんなストーリーを含むことができれば道路会社として勝てるんじゃないの?

ていうか、僕と共同している道路会社にはなるべく勝ってほしい。

イノベーターとして、業界秩序を変革してほしい。

できるね、これ。

他のポンコツ道路会社はまだ気づいてないかもだけど、仕方ないね、そういう人たちは、かわいちょ。

汎用品炭酸カルシウムはある意味無敵


炭酸カルシウムの化学組成はCaCO3で、主な原料は石灰石です。 用途は広く、建材、セメント、製紙、プラスチック、ゴム、食品、医薬品など多岐にわたります。 産地は世界的に広く存在していますが、日本は世界に例がないほど高品位の石灰石を各地に産出してます。
炭酸カルシウム:鉱物別:サービス紹介 - 株式会社ファイマテック -


別に建材に限定する必要はない、ってことーー。

残コンを利用して生成された炭酸カルシウムは異分野でも活躍する可能性を秘めている。

製紙、プラスチック、ゴム、食品、医薬品。

すごいね、残コン。

未利用資源っていうか、都市鉱山だね。

争奪戦絶対始まるね。

そんで持って、そんな利権をすでにおさえちゃってるのが、僕たち生コンラストワンマイルってことー。

寄ってらっしゃい、利権に救うダニども。

顎で使ってやるから。

てことー。

てことてことてことー。


主役はラストワンマイル

考え違いを起こしてはならない。

このところ多方面でいろんな人々との交流が始まっているが、誰が主役って実際に現場で手を汚している人々、ラストワンマイルだ。

価値とはそこで生み出される。

バックオフィスも、ラボも、マーケティングも、セリングも、全てはサポート役であって、誰もがラストワンマイルに関わるべきだし、仮にスタッフ部門だけをやっているって人は、脇役です。

現場を知らない全ての人々は全員クズです。

わかったか。

現場・現実・現物を知らずにご高説語るな。

役にたて。

立たなければ、うせろ。

それだけだ。

舐めた口聞いてんじゃねえぞ。

てことー。

てことてことてことー。



宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

危険物取扱責任者(乙4)/1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士