2022/02/15
【JISを変えよう】「スラッジの素《残水》《洗浄水》の入口論【発生抑制】技術について」 #3
#JISを変えよう を流行らせたらどうか。せっかく30〜40代で構成されるプロジェクトチーム(大阪万博残コンゼロ)が発足しているのだ。みんなで、同時多発で各種SNSで #JISを変えよう とやるのだ。今回は #3 大阪万博「スラッジゼロ」について。
スラッジもゼロ!
⚫︎参考1: 【JISを変えよう】「有志らによる《大阪万博・残コンZEROプロジェクト》発足」
⚫︎参考2: 【JISを変えよう】「大阪万博・残コンゼロに関するアイデアについて」 #1
⚫︎参考3: 【JISを変えよう】「鍵はJISと独占禁止法適応除外(カルテル)の外《治外法権》《舗装》での実装」 #2 (週間生コン 2022/02/14)
大阪兵庫生コン工業組合の船尾さんが指揮するプロジェクトチーム。
目的は、大阪万博建設における残コンゼロを達成することによって、資源循環型社会のハブとしての生コン産業のあり方を世界に発信する。
資源循環やイノベーションを占う場合、残念ながら現在のJIS A 5308は頭でっかちで現場の実情に即しておらず逆に妨げになっている、というのは僕が言ったことではない。
我が国コンクリート産業をリードする二人の傑物による対談で詳らかにされている。
その付託を受ける形で始まっているプロジェクトだ。
呼び声は「JISを変えよう」くらいでちょうどいい。
何せ、現役バリバリ、30〜40代のコンクリート技術者らが連携するムーブメント。
きっと、このモメンタムは閉塞感に苛まれている生コンクリート産業に新しい風を呼び込むことになるだろう。
残コンゼロってことなら、生コンスラッジもゼロでしょ
生コン工場ならよくご存知のように、本当の厄介者はスラッジ。
残コンは極論放っとけば固まる。
一方、こちらのスラッジはいわゆる「汚泥」にカウントされ、いつまでも強度発現がないため、処分量が高額に及ぶ。
内山アドバンスの年間処理コストは3億を下らないそうだ。
それでも、僕は、「安い方だ」くらいに感じてるけど。
内山くらいならまだしも、地方の普通の中小企業としての生コン工場にとってはこのスラッジってやつはマジで厄介者で、下手すりゃ経営基盤を脅かしかねない。
それも、由来は、残コンにある。
通常、生コン工場では残コンの他に、残水や洗浄水が発生している。
で、そうした汚水は大量のお水で洗浄され、砂利とか砂を分級・回収してスラッジ水にする。
それを、酒粕を作るような要領でフィルタープレスという圧搾機で搾る(減容化)。
これが、生コンスラッジ(スラッジケーキ)。
敷地に余裕のある工場なら残コンは洗わず構内に広く薄く広げておいて翌日破砕してコンクリート塊として処分する。
リサイクル可能なため、処分費用はそれほど大きくはならない。
ましてや、構内にクラッシャーなど設備を有している工場であれば、RC砕石として販売している事例もある。
一方の、残水、洗浄水由来のスラッジケーキはリサイクル方法がまだまだ確立されていない。
無論、先般採択されたGI基金のコンソーシアム(RRCS、鹿島)らではそのスラッジケーキのリサイクル方法が議論される。
ただ、いわゆるリサイクル方法(出口論)の前に、きちんと踏まえておくべき入口論(発生抑制)については見落とされがち。
実は辺境では、あるにはある、残水・洗浄水の抑制に関する工夫。
そうした工夫やテクノロジー・プロダクトをこの大阪万博に堂々と俎上に乗せる。
で、結果的に、「それで生コン製造して作ってみたけど、何にも問題ありませんでした。JIS規格では許してくれてないけどね」とJISに圧をかける。
「JISって、安心安全を強調しすぎて、イノベーションにとっての妨げになってません?」とやるのだ。
だって、実際には、こうした技術の果てに生まれた生コンはJIS外品だとしても多くの施工者らを喜ばせているのが実態だからだ。
その現実を、JISは認知できていいない、ただ、それだけなのだから。
⚫︎参考4: 「綺麗にとれると言っています!これはあった方がええなぁとも言ってました!」Re-con ZERO CLN・久保田建材
⚫︎参考5: 「8回洗車を省けたので80分短縮したことになります」洗わない生コン工場・Re-con ZERO Spray
この2つはまさにそんなJISという妨げにより辺境で埋もれていたと言っていい。
参考4は、脅威の洗浄力で洗浄時間を時短(生コン車のブレードやホッパー、シュートだけではなく、プラントのミキサーやホッパー、他)することができる。
それは、つまり、スラッジの抑制につながる。
さらに、参考5については、生コン荷下ろし後毎回洗浄していたその作業そのものをカットする。
Wパンチで洗浄水・残水は相当に減らすことができよう。
辺境では理解されている。
なのに、全体に統合されない。
その理由が、JIS A 5308にある、と僕は断言したい。
(いや、二人の傑物がそうおっしゃっているのを、ただ受け売りで言ってるだけ。)
みんな、びびっているのだ。
JISに書かれていないことをやることで周りから白眼視されあるいはサーべランスで詰められるのではないか。
はみ出ちゃ、まずいのではないか。
特に、日本は、そんな「人と違ったこと」をやるのがちょっと難しい環境にあると僕は思う。
だから、向かうべきは、矛先は、治外法権、大阪万博なのだ。
これは、日本に限ったことではない。
プロジェクトチームの人脈をフル動員して広く残コン・スラッジの循環テクノロジー(プロダクト)をかき集める。
んで、実装しちゃう。
試験室で強度・耐久性など最低限の確認が取れたらそれはそのまま舗装コンクリート(JIS外)で実装できちゃうかんね。
やったもん勝ち。
しかも、生コン2大巨頭の付託を受けたプロジェクト。
何も、怖いものないよ。
びびってないで、アイデアを即実行に移しちゃおう。
#3 では主に洗浄水・残水の入口論について取り扱ったが、それでも多少は発生してしまうスラッジの出口論。
循環のさせ方について、#4 では論じて行きたいと思う。
この連続がいつしか残コンを問題ではなく機械へと転じさせてしまうのだろう。
やりがいが非常にある。
宮本充也