2022/05/04
#JISを変えよう 「建設発生コンクリートともいうべき【残コン】を取り巻く不思議について」
20年以上残コンに取り組んでいる。おそらく世界一残コンのことを考えている人は拙者・宮本充也である。いわゆる中小零細企業の視点からこれまで建設・コンクリート業界における残コンを睨み続けてきたがどうもメディアは公平ではないようなのでその辺も含めて考察したい。
残コンは法律的な「格」がないのが問題
ようやくわかってきたことだが、似たような副産物として残土(建設発生土)というものはきちんと法律に明記されて公式な「格」を得ている。
一方、建設発生コンクリートともいうべき残コンは法治国家NIPPONにおいて放置されている(うまいっ)。
法律を見渡してもどこにも「残コン」という文字がないのだ。
つまり、「ないことになっている」というのが正しい認識となる。
あるのにない。
法治国家では法律であらゆる社会現象が規定される。
一方、建設・コンクリート従事者なら知っている「残コン」は規定されていないため、ラストワンマイルの混乱を招く。
「これは一体産業廃棄物なのか、それとも副産物なのか、あるいは生コンクリートなのか」
わからないラストワンマイル(施工・製造・圧送)はその「残コン」の処理の方法に苦しむ。
廃棄物だったらマニフェストを交付して適切に業者に委託しなければならない。
なのに、法律で規定されていないため、施工はそんなことできない。
勢いパワーバランスで「残コン」は生コン製造者あるいは圧送業者に押し付けられる。
公然たるパワハラである。
法治国家なのにである。
RRCSで適正な残コンのあり方を規定しそのまま法律へ!
RRCS(生コン・残コンソリューション技術研究会・代表理事 野口貴文)では現在建設・コンクリートに携わる企業・個人100社(者)以上が参画し残コンのなんたるかを追求している。
⚫︎参考記事: 【生放送】「残コンさんいらっしゃい!!」【YouTube番組】《スポンサー募集》(号外・月刊残コン2022/05/02)
⚫︎参考記事: #JISを変えよう 「前代未聞の同時多発実験《残コン造粒》《造粒骨材コンクリート》が始まる」RRCS
⚫︎参考記事: #JISを変えよう 「残コン【押しつけ】から【お躾(しつけ)】へ!万博残コンステーションが施工・圧送・製造の関係性を正す
⚫︎参考記事: 「NEDOも採択されたことだし改めて《残コンステーション》はどうでしょう?」
各種プロジェクトが同時しており、議論ではなく実践を旨とし残コンを建設副産物、いわば、残土(建設発生土)と同様に利用可能なものであることを示す活動だ。
建設・コンクリートに携わる全て(建設・生コン・学者・その他関係者ら)が協業するプラットフォームでは残コンの循環が自然と生まれる。
#JISを変えよう という試みだが次第にわかってきたのは、一工業規格(JIS A 5308)ではない、本丸「法律」を変えるところまで踏み込まなければダメなんじゃないかってこと。
循環を正式な「格」とするためのパブリシティ
その意味でメンバーリストにもあるように新聞社・メディアの参画は重要となる。
個人的に僕は新聞社のことをよく思っていない。
まことしやかなことを書いてそうだがそうでなかったりするからだ。
とあるスーパーゼネコンの名前に加えて「メディア」とGoogle検索をかけるとわかる。
検索画面トップに癒着の証拠が上がってる。
新聞社の子会社(マーケティング専門会社)にコンサルを依頼しているからか、本来は別のスーパーゼネコンが革新的な技術をリリースしているというのに、それらは一切取り上げられずそのゼネコンの記事ばかりが紙面に躍る。
そもそも、何が「情報武装集団」だ、インチキではないか。
これって、大新聞社のやることなんだろうか。
大新聞に限らず、業界内向きの子新聞社の劣化も相当激しい。
学者先生や広告主にはひたすらコメツキバッタで提灯記事を量産する割に、地方の生コン工場の取り組みは黙殺する。
広告主側から、「RRCSの記事は書くな」と言論弾圧にまで応じている。
大したもんだ。
あんまりひどかったらここで晒してやるからな。
とはいえ、パブリシティを持って社会的認知を広げることにはそんな新聞社だって役には立つだろうから、曇りなきまなこで一つ事実を認知したまえ。
ゼネコンや生コンにチヤホヤされて勘違いしてんじゃねえぞ。
#JISを変えよう #法律を変えよう
さんざんディスっておいてなんだが、今月リリースされたCTのこちらの記事は必見。
なんと、建設・コンクリートのリーダー、二人の傑物が連名で報文を上梓している。
仮に建設・コンクリートを旧来のヒエラルキー構造として捉えたのであれば、この出来事は衝撃として産業を走る。
業界の権威が「残コン」を堂々と論じているのだ。
格がなく、寝た子を起こさないように、おっかなびっくり取り扱われてきた「残コン」を権威が堂々と論じている。
お二人の対談は3000名に迫る業界関係者が注目した。
今まで閉じられた系の中で議論されてきた生コンクリート(JIS A 5308)だったが、これからはさまざまな分野の人々の交流によってシームレスな循環が始まる。
ヒエラルキーではない流動的な構造としての建設・コンクリート産業ではあらゆるラストワンマイルが必要とされ参加する。
できるはずだ。
JISを変えよう。
法律を変えよう。
前例を踏襲するのではなく、グレートリセットする。
日本の建設・コンクリート産業の夜明けはきっと世界の建設・コンクリートをリードするはずだ。
宮本充也