2022/09/04
《残コン.LLP》「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#11
「残コンを未利用資源ととらえた争奪戦が始まる」。僕たちはこの仮説をもとにそれを推進する組織(仮称)残コン.LLPを設立する。出資者は主に生コン事業者をはじめとした関係法人・個人。そしてもちろん、受益者も生コン事業者らが中心となる。残コン.LLP構想について。
《後添混和材ライブパック》「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#10
残コン.LLP構想について
残コンステーションで生成された造粒物(残コンを造粒材などで強制脱水処理したもの)を得る。
それを直ちに振動ぶるいで処理することによって2005(粗骨材)と砂(細骨材)を得る。
すでにわかっていることには、2005はJIS A 5021コンクリート用再生骨材HやJIS A 5005コンクリート用砕石及び砕砂の要求を満足しているということ。
つまり、JIS A 5308の工場で標準化できるポテンシャルを持っている。
残る課題は「砂」の用途開発のみとなるが、ふんだんにCa(OH)2を含むため、脱炭素時代に放っておかれることはなかろう。
すでに、先行材や流動化処理土、あるいは高流動コンクリートの後添型フィラなど、いくつかの用途は想定されている。
また、砂のkgあたりのCO2固定量が示されればそれはそのまま評価対象(利益)となる。
残コン.LLPの事業
リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ は、事業を目的とする組合契約を基礎に形成された企業である。すべてのパートナーについて、その責任が限定されているのが特徴である。 ウィキペディア
上述のフローを主な業務とするLLPは主に生コン工場らの出資によって設立される。
主な取引先も生コン工場となる。
残コン.LLPは生コン工場から残コンを購入(仕入れ)する。
購入した残コンを上述フローを適用することで2005並びに砂に変換する。
残コン.LLPは当該工場がその2005を標準化するためのコンサルティングを提供し、その後2005は残コン.LLPから当該工場に販売される。
当該工場はその2005を原材料として生コンクリートを製造する。
つまり、当該工場はそれまでの残コンに関わる費用をゼロとするだけでなく、安価な2005を仕入れることができるようになる。
生コン工場が残コンステーション設備(濾過プールや振動ぶるいなど)費用を残コン.LLPに出資
残コン.LLPと取引(残痕問題の解消)を希望する生コン工場は残コン.LLPへの出資を求められる。
出資額は当該工場に設置される設備の設置に係る費用が根拠だ。
ただし、その出費は経費処理することはできず、当該工場の勘定科目では出資金として仕分けされる。
残コン.LLPはその資金をそのまま設備設置費用に充て残コン.LLPの資産とする。
そして、取引が始まる。
出資者(当該工場)はそれまで費用がかかっていた残コン処分を収益機会(残コン.LLPへの販売)に転換するだけでなく、高騰する粗骨材の一部を残コン.LLPから安価に購入することができるようになる。
残コン.LLPの収益機会
当該工場による出資で賄われた残コンステーション(濾過プールや改質プール、振動ぶるいなど)は年次で減価償却される。
また、造粒材(re-con ZERO EVOなど)も仕入れとして損金計上される。
つまり、それら損金を賄うための利益が必要となる。
オペレーション(作業)は出資者である当該工場らにより提供されるため経費とならない想定。
2005の販売
残コンステーションの減価償却と造粒材の材料費が原価となって製造される2005を残コン.LLPから当該工場に販売する。
仮に、月間200m3の残コンが発生する工場だった場合およそ200tの2005が残コンステーションにより製造される。
200トン x 2000円(仮) = 400,000円が残コン.LLPの月次の売り上げとなる。
減価償却や材料費は十分賄われて余りあるだろう。
砂の販売
得られた砂は前述の通り豊富に含まれるCa(OH)2とCO2の化学反応でCaCO3に変換することができる。
(※Ca(OH)2 + CO2 → 2H2O)
公的な期間でその吸収・固定量を評価する。
カーボンネガティブが証明されたプロダクトとして残コン.LLPでの販売が始まる。
元手は無料のその製品は高付加価値商品として、生コン誘導材(PUMP MAN)や流動化処理土の原材料(横浜国立大学・細田暁研究室)、あるいは高流動コンクリートの後添フィラ「ライブパック」(材料分離抑制材・長岡生コンクリート)あるいはオコシコンやオワコンのキーマテリアル「オコシ材」「Y弾」(陽光物産・MAPEI)として十分な用途がすでに見込まれている。
発生した砂を残コン.LLPがそれぞれの用途に応じてパッケージし販売する。
しつこいようだが、元手は無料で作った製品だ。
大きい収益機会が潜んでいる。
LLPの強みパススルー課税
パススルー課税はLLPの事業に利益が出た場合、LLP自体に課税されず出資者である組合員に直接課税される制度です。 LLPは民法上の組合の特例であり法人税法2条8号の人格のない社団当等には含まれず(法人税基本通達1-1-1)構成員課税が適用されます。
残コン.LLPは必要以上の利益を必要としない。
また、必要以上の利益を上げて、LLPとして税金を払う必要はなく、上がった利益はそのまま出資者らにそのまま計上される。
これを、パススルー課税(二重課税の回避)という。
つまり、上述の膨大な収益機会はそのまま出資者である生コン工場らに還元されることになる。
自社の残コンが解決しただけでなく、その残コンが付加価値を生むという事業モデルだ。
自由な機関設計と出資額にとらわれない利益配分
真面目な論調が続いて、そろそろ疲れてきた。
だが、この事業モデル、我ながらパーペキなんじゃないだろうか。
隙がない。
ありがちな51:49などのマウント合戦もない。
収益機会はそれぞれの工場が提供した残コン量がそのまま利益配分の根拠となる。
1番残コンを出した生コン工場(出資者)が最も多くの利益を得るモデル。
そこに、出資割合などの制約はない。
これも、LLPの強みの1つ、自由な期間設計だ。
また、残コン.LLPには生コン工場の他に、残コンステーションの運用や骨材の標準化のコンサルティング、あるいは砂の販売に関する知見やノウハウを有する個人・法人を問わずの出資者を募ることができる。
例えば、JIC(生コン工場のコンサルティング)やCO2固定量を評価しうる大学や研究機関などがステークホルダー・出資者として想定される。
(※出資と言っても、現物や「こと」の提供など、現金に限定されない)
それらステークホルダーに支えられて残コン.LLPは雪だるま式に生コン工場の共感を集める。
ますます出資者が増えることでいつしか生コン工場における「残コン」が問題だった時代は終焉を迎える。
まずは、残コン.LLPを設立させちゃおう。
当社らとしては既存の残コンステーションを現物出資として残コン.LLPに出資しよう。
また、白石建設さんなど近い生コン工場に設置されている残コンステーションも現物出資という形で提供してもらえるよう働きかけていきたい。
それまでは当該工場らの苦労の末に解決されていた残コンだが、今後は残コン.LLPが主体となって各地の残コンステーションを運用し残コンをリスクではなくチャンスにする活動が始まる。
GNNの時の失敗を糧に、「参加しませんか?」という働きかけは一切しない。
RRCSへの入会もそうだが、「入りたければ入ればいい」というスタンスを崩したくない。
残コン.LLPに興味があれば出資すればいいし、興味がなければスルーすればいいだけのこと。
そのまま永遠に残コンに苦しんでてください、ってだけだ。
以上。
宮本充也