2022/01/23
「超凝結遅延剤《キングクリムゾン》と造粒ポーラスコンクリート《オワコン》が激変させる残コン問題」
これまでもいくつかぶったまげた技術に出会ってきたが、キングクリムゾン(僕が勝手に命名)はやばい。昨日渋谷建材ではなんと製造から50日経過した「まだ、フローを帯びている」セメントペーストのデモンストレーションが行われていた。専門家なら、この意味がわかるだろう。革命が始まる。
キングクリムゾン & オワコン
はい。
生コン専門家の皆さん。
生コンクリートに22年間心血を注ぎ続けてきた男、宮本充也である。
今回はちょっと信じられないような出来事を紹介したいと思う。
こちらの容器それぞれは、水セメント比が30%のセメントペーストが製造され、キングクリムゾンがセメント量に対して0.4、0.6、1.0%配合されて封入された容器だ。
そして、50日間が経過している。
それぞれ、中身を見ていこう。
こちら、0.4%配合されたもの。
ご覧の通り、そして、ご安心いただけたように、カチコチ。
ガッツリ固まっている。
こちらは0.6%。
やっぱり、カチコチ。
いくらキングクリムゾンでも、やはり50日はちょっと無理か、と思われるだろう。
さあ、生コンの専門家のあなたは次の動画で見てはいけない驚愕の事実に触れることになる。
はい。
手品じゃないよ。
ほんとだよ。
例えば、造粒ポーラスコンクリート「オワコン」と組み合わせたらどんなことができるか?
生コン工場にとっての悩みの種、残コン。
週末明日がお休みなんて時に大量に余ったとする。
普通なら、苦しむ。
ただ、キングクリムゾンの正体がある程度明らかになったら、生コン工場は救われることになる。
今のバズり方からすれば造粒ポーラスコンクリートはほぼ毎日の光景となることだろう。
生コンのように、オワコンは毎日のように出荷される。
さて、大量の残コンが週末に戻ってきた。
汗ひとつかかず涼しげな顔でその男(大曽根工場長)はキングクリムゾンをドラムの中に投入する。
後は、エンジン止めといてOKだ。
燃料代もったいないからね。
「へ?エンジン止めるの??自殺行為だ!!」
わかるわかる、普通ならそう思う。
ただし、ことは、キングクリムゾンなのだ。
配合率に応じていくらでも時間を調整できる。
「止める」のではなく、「飛ばす」のだ。
例えば、翌週の月曜日にオワコンの出荷が3m3予定されていたとしよう。
残コンは2m3だった。
じゃあ、翌週の月曜日に3m3分のY弾(Re-con ZERO、オワコンのキーマテリアル)を投入した後で追加の1m3の生コンを投入。
して、現場に到着すれば、オワコンは出来上がっている。
つまりは、そういうことなのである。
これさ、嘘みたいだよね。
日本は愚か、世界各国にきっとシェアされるだろう。
なぜって、混和剤大手MAPEIが本件にビシビシリアクションしてんだもん。
これ、やばいよね。
大曽根さん、ほんとすげえと思う。
どこぞの研究所でふんぞり返っている偽物技術者(あなたじゃないよ)とは格が違う。
これからは、本当に、ラストワンマイルの時代なんだと思う。
今、日本中の残コンや生コンスラッジに注目が集まり始めている。
至近、その辺の詳細が明らかにされるのではないだろうか。
名実ともに、残コンは未利用資源として注目されるのだ。
一旦開いた市場には僕たちだけじゃなく、もっともっと多くの才能が流入してくることだろう。
プレイヤーが増えれば、さらに市場は成長する。
よってもって、残コンは問題から、チャンスに変貌を遂げる。
他人のプロダクトが儲かりそうだからといって、サンプル仕入れてコピー品を作ってちゃっかり販売しているような偽物ポンコツ君では市場を開くことなどできない。
本物、残コンで本当に困っているラストワンマイルが自分ごととして生み出したプロダクトが世界の景色を具体的に変えていく。
いつも現場を至上と捉え活躍している渋谷建材の大曽根工場長の活躍から目が離せない。
そして、僕もそんなラストワンマイルの一人として、引き続き楽しんでいきたいと思います。
宮本充也