長岡生コンクリート

2022/08/04

【神戸大学訪問】「巨大市場《ため池メンテ》を出口とすることで残コン問題は完全解決を見る」

【神戸大学訪問】「巨大市場《ため池メンテ》を出口とすることで残コン問題は完全解決を見る」

先日の横国大といい、このところの僕は大学づいている。今回は泰慶生コン石原さんに伴われる形で神戸大学の鈴木麻里子先生を訪ねた。お題は残コンブロックの有効利用。話は先生の専門分野でもあるため池に及ぶ。残コンが無限の可能性を秘めた領域に出会う。



残コンとため池

(引用:https://www.pref.kagawa.lg.jp/tochikai/about_tameike/repair/structure.html

ため池のメンテナンスが社会問題となっていることは知ってた。

以前セルドロンがため池の浚渫に有効利用されるなどの情報に触れたこともあったからだ。

農学博士で神戸大学の助教授でもあられる鈴木麻里子先生の元を訪ねたのは一昨日(2022/08/02)。

先週くらいに泰慶の石原功治との世間話の中で先生の話を伺った。

「自然分解するコンクリートの研究」

なんか、すごい。

元々僕はコンクリートと緑(自然)をテーマとしていたからこういう研究をされてて、しかも農業・環境をフィールドとした研究をされているということだったから「一緒に行っていい?」とお願いするまでそれほど時間はかからなかった。

ため池メンテナンスという市場

そもそも石原功治の関心事である「残コンブロック」を普及させるにはどんなアイディア・研究があるだろうか? が訪問の主題だった。

基本、残コンブロックについては興味がないのでブログを書きながらやりとりを聞いてると、先生からため池のメンテナンスという話題が共有された。

以前、セルドロンを通じてため池のメンテナンスは経験があった。

⚫︎参考:https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/post_418.html

なんだ、随分前のことかと思ってたが、まだ3年しか経っていないのか、あれから。

全国に17万あるとされるため池。

そのメンテナンスの時期(浚渫とか改修とか)が一気に押し寄せている。

その内なんと4万が兵庫県にあるという。

なるほど。

確かに加古川とか地図で見ると穴だらけだもんね。

それらが仮に決壊とかしたら大変だもんね。

メンテしなきゃだよね。

で、先生から示された残コンブロックの用途がこれ。

抑え盛り土の代わりに残コンブロック

なるほど!

残コンブロックを間知石がわりに積んでけば抑え盛り土の代わりになる。

法面崩壊を防止することができる。

それに、抑え盛り土よりも省スペースだし。

さらには、残コン(捨てればゴミ)だから安いし。

いい!

と、その時には思わなかった。

その後でお昼ご飯食べてる時に突然腹落ちし、「なるほど!」と改めて先生のアイディアの魅力に気づいた。

なんで、時間差だったか?

実はその直後の別の話題で夢中になっていたからだ。

遮水材として生コンスラッジの適応

話題が堤体の構造に及んだ。

1級土木施工管理技士の血が騒ぐ局面である。

盛り土の安定。

その為にはきちんと排水せねばならない。

含水率が高いと土は液性限界に向かう。

はい。

あえて難しい言葉を弄しておりますが、簡単にいうと土は溶けちゃう、流出しちゃうって意味です。

そうなると、決壊してしまうってわけ。

で、それを防ぐために堤体内部には遮水ゾーンが設けられるという。

しかも、材料は粘土とかそういった難透水性の材料だという。

粘土?

ワンチャンスラッジいけんじゃね?

と発言するまでそれほど時間はかからなかった。

抑え盛り残コンブロック & 遮水残コンスラッジの研究

その後白石建設の武南さんにこの話を展開したところ「羽金土(はがねど)」と呼ばれる土が遮水材として用いられていることを知った。

てか、そういえば昔武南さんと光南台土建のなる君が一緒にやってたな、って思い出した。

でも、残念ながら役所とメーカーの癒着に阻まれ採用まで漕ぎ着けなかったそうだ。

ただし、その時の研究のおかげで、生コンスラッジの遮水材はあらかた完成しているという。

遮水材としての基本物性は全然問題ないと思う。

ただし、一点スラッジから溶出するであろう六価クロムをどのように打破すべきかが気がかりだったのだが、すでに道がひらけているようだ。

すごい。

これ、残コンのため池メンテW利用、農林水産省の産官学の補助金いけるじゃん、絶対、すごいよ、上限ないし、筋がいいよこの研究。

アカデミアは先生がいる、作る人は僕たち泰慶生コンや長岡生コン、白石建設がいる。

使う人(施工者)誰がいいだろう?

いるじゃん、協働しているイケイケ前のめりな関西のゼネコン。

オクドこと奥村組土木興業がっ。

⚫︎参考記事:【実証】「生コン車でゼロセメントコンクリート・granZ concreteは作れました」奥村組土木工業

しかも、なんと、鈴木先生とは別件で協働中ともいうし。

さすが、僕、持ってる。

早速、来週オクドさんを訪ねることになった。

ため池の市場は莫大「残コン足りません」

犬も歩けば棒に当たるって言うけど、やっぱり引きこもっててはならない。

おもしろっ、ってちょっとでも思ったら足を運ばなければ、新しいアイディアには辿り着かない。

「へ? 生コンポータルの中の人だったんですか? 読んでますよー」

これ、ミーティングの終盤での先生からの一言。

まぢか。

そんなことってある?

秒で先生についていくことを決心した。

スト⚫︎カーにならない程度についていくことを。

これ、絶対やり遂げる、絶対。

だって、この2つ(ブロックで抑えるとスラッジで遮水する)が実現したら、残コン問題一挙解決だもん。

RRCSとかどうでも良くなるくらいのインパクトあるもん。

神戸でしたか答えは。

これからさらに神戸づくことが決まりましたな。

家作ろうかな、神戸。


という、衝撃的なお話が一昨日ありました。

なぜ、1日寝かせたかというと、昨日はオコシコン・オワコン・ドットコンと3連ちゃんで枠が埋まっちゃったからで特段の理由はありません。

しかし、これは絶対に化けるな、マジで。

すごいな、ほんと。

ありがとう、神戸。

ありがとう、関西。

そういえば、兵庫も、岡山も、確か香川も、ため池多かった気がする。

何かある。

万博とかもはやオワコンでどうでも良くなっちゃった汗。

というわけで、また次回!



宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

危険物取扱責任者(乙4)/1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士