2022/09/07
「残コンから作った法尻固定・遮水・築堤盛土用材料の開発」神戸大学・奥村組土木興業・泰慶生コン・白石建設・光南台土建
神戸大学、奥村組土木工業、泰慶生コン、白石建設らと始まる残コン&ため池プロジェクトでは、今後残コン由来のマテリアルでため池のメンテナンス・改修用材料の開発が始まりました。
残コンから法尻固定・遮水材・盛土材
https://kobe-u-innov.jp/company/
昨日(2022/09/06)再び神戸大学の鈴木麻里子先生を訪ねた。
【神戸大学訪問】「巨大市場《ため池メンテ》を出口とすることで残コン問題は完全解決を見る」
前段でオクド(奥村組土木興業)の藤森さん、多田さんを訪ね根回しは済ませていた。
残コン由来の法尻固定
https://sooki.co.jp/newsletter/newsletter19.html
法尻の安定を期するために残コンで作ったブロックを利用する。
組み上げ方などまだまだ検討の余地が多いため、その点を共同研究する。
従来法尻固定は「抑え盛土」と呼ばれる工法が採用されている。
https://nougyoudoboku.com/loading-berm-method/
図でもわかるように、従来工法はスペースを取りまくりだった。
それに、手作業による盛土であるため、多くの作業を必要とした。
一方、残コンブロックを利用した場合、単純にブロックを組むだけでももしかしたら同様の効果が得られるかもしれない。
あるいは、ブロックで壁を作り、隙間を残コン由来の流動化処理土(横浜国立大学・細田暁先生と共同開発中)で埋め戻すのもいいかもしれない。
そのことで、省スペース・省人化が図られ、コストも下がるのであればため池改修に利用が進むだろう。
残コン由来の遮水材
続いて、こちら。
生コンスラッジを用いた遮水材を研究する。
実はこの研究は、2年前に白石建設や光南台土建らによって既に研究が進められていた。
⚫︎参考:残コン由来の鋼土.pdf
当時、岡山県のエコ認定直前まで行ったのだったが、時の役所担当者により「設計変更面倒臭いからエコ認定取っても採用しませんよ」と塩対応され断念したそうだ。
「循環型社会を推進する課ではないんですか? 逆に澱ませてるんじゃないですか?」
と、なるくんこと光南台土建の河野社長がブチ切れたこともあるくらいの塩対応だったそうだ。
そのエピソードを聞いて、鈴木麻里子先生「クソ野郎ですね」とコメント。
パッションな先生ととても心が温まりました。
なんとかして、こちらを形にして兵庫県で採用したいですね。
溜飲を下げましょう。
そこで、オクドから一言「砕石スラッジも一緒に混ぜましょう」。
なるほど、生コンスラッジだけだと数量的に限定されてしまうため、そこに粒度調整・カサ増し材料として同じく砕石業者で発生する副産物砕石スラッジも使いましょうってわけだ。
https://www.kikosha.co.jp/keekuru03.htm
こちらはまさに鋼土として鈴木麻里子先生がすでに研究もされているため相性もよかろう。
盛土材(改良土)も生コンスラッジと砕石スラッジで作っちゃおう
https://www.nozakikougyou.co.jp/improved-soil.html
最終的に話頭は再生盛土材にまで及ぶ。
築堤盛土に使われるような性能を満足したらそれこそ膨大・無限の市場が開かれることになる。
「残コンたりないよ」状態。
もう、これ、絶対残コンの奪い合いが起きるね、うん、マジで。
だって、海外じゃ、砂をめぐって人殺しが起きるくらいだからね、うん。
残コン由来の砂も使える!脱炭素もうたえる!!
「脱炭素嘘くさい」と鈴木先生もおっしゃる通り、僕もあんま興味ないのだが、立ってるものは親でも使えの諺通り、もしもこの残コンから生成された砂の中性化が脱炭素を立証できるのであれば、「脱炭素技術です」もうたえる。
どうでもいいけど、使えるもんは使っておこうか。
で、これらを混ぜて、築堤盛土とかを作ればいいのだ。
粒度調整にもなるだろうし取ってもいいね。
ってことは、残コンを大量に利用したため池の堤防ができるってこと。
すごいね。
全国に生コン工場があるから、そこが仕入れ先になって地産地消でため池が整備される、メンテされる、改修される。
やばい。
残コンに値段がつく。
生コン工場から当社ら生コンキャンプ.LLPが残コンを仕入れてため池材料を作る。
売る。
儲かる。
施工側や発注者側もそれまでよりも安い費用で整備できる。
儲かる。
いいことづくめ。
さあ、盛り上がってまいりました。
神戸大学・オクド・泰慶生コン・白石建設・長岡生コンクリート・光南台土建がタッグを組む。
なんか、無敵な気がしてきた。
今後進捗を都度ここで紹介していきたいと思う。
宮本充也