2022/12/07
【国土交通省】生コンの廃棄物等を革新的に活用した 「造粒ポーラスコンクリート」や「流動化処理土」等の現場実証【現場レポート①】
昨日(2022/12/06)は横浜国立大学他関係者らによる創発的オープンイノベーションが生み出したプロダクトの現場実証が関東技術事務所で執り行われていた。生コン工場の厄介者「残コン」が資源循環・地産地消・脱炭素のソリューションは、いよいよ国家が身染めるところとなった。
【出典】国土交通省関東地方整備局記者発表資料 令和4年11月29日(火)
国土交通省 現場実証レポート 「イワモル」
イワモル 国土交通省 デビュー
施工Before。関東技術事務所(国土交通省関東地方整備局)の敷地内に設置されてある展示スペースにこのたびイワモル他(granZ concrete、オワコン、ドットコン)が現場実証されることになった。
イワモル開発に中心的な役割を果たした船山さん(横浜国立大学4年生)がイワモルの伝票にサインし受領証の交付を行なっている様子。
関連記事:「イワモルを3時間運搬するために遅延剤を用いた実機試験を行いました」
千葉県東松戸駅が最寄駅の関東技術事務所に届いたイワモルはなんと静岡県伊豆の国市(伊豆中央コンクリート)で製造・出荷され3時間経過したもの。事前に凝結遅延剤の効果を確認してあったことでドロップはほとんど見られなかったそうだ(ドライバー瀬戸さん談)
なんと国(国土交通省)が残コン(生コンの廃棄物等)を革新的に活用した流動化処理土「イワモル」を認めたってことですよね。
色んな意味でこの出来事は影響を及ぼしそうです。
生コン工場の連中はおそらく国土交通省って聞くと雲の上で世の中を仕切っているお偉い様って思ってるだろ。
民草である自分たちが困っている残コンの問題なんざ取るに足らないと思っている人たちって被害妄想を膨らませているはずだ。
そんなお上が民草の悩みに耳を傾けそれを採用した。
記念すべき出来事さ。
イワモルの施工はただ流し込むだけ
イワモルの荷下ろし開始。ぱっと見「水じゃん」って口をついて出てしまうくらいのフローにより空間は人や重機の手を借りず満たされていく。
次第に液体状のイワモルに満たされた空間は周辺地盤以上の強度発現が期待されている。
イワモル施工After。施工完了からしばらく経過した表面には典型的な沈降ひび割れ(ブリーディングによるもの)がみられ、解説をする細田暁教授(右)と熱心に学ぶ指導学生船山さん(左)の姿。
イワモル 一夜経って どうなった?
翌朝イワモルの硬化状況を確認した渋谷建材大曽根工場長からの共有。当然のことながら予定通り硬化が進んでいる。今後、当該イワモルは支持力(CBR値)や破損・劣化状況などモニタリングされる予定。
しかも、既往の流動化処理土と異なって、残土の運搬もなければ解泥(かいでい)と言う作業もない、省エネルギーが特徴なんです。
生コン工場にとってはこれまで捨てるのにお金払ってた残コンをそのまま使えるし、既往の流動化処理土と違って全部バッチャープラント(生コン工場)で全自動で製造できちゃうから、手間がなくてほんと素晴らしいです。
硬化Afterの展示イワモルは打設箇所の脇に設置され訪れた人はその強度を実際に体験することができる。
これは訪れた人が固まった後のイワモルの断面を確認するために設置されたサンプルですー。。
イワモル オワコン 双璧が基軸となる生コン工場
残コンステーションで処理された残コン骨材状に変化する(写真は造粒骨材)。これらはイワモルの原材料としてだけでなく、オワコン(造粒骨材コンクリート)の原材料としても余すことなく利用できる。他、再生骨材コンクリート(ECON/アメコン)や路床改良材、路盤・埋戻し材といった多様な出口開発が進んでいる。
生コン工場って常にJISとか組合とかしがらみにがんじがらめになってるけど、元々JISや構造物として適応されていないこうした製品なら生コン工場としても簡単に取り組めるし、自分のところで出た残コンをそのまま使うだけですから、とっても喜ばれそうですね。
資源循環・地産地消・脱炭素「イワモル」「オワコン」
関係者らとの記念撮影。いずれも誰かの指図に従った上での行動ではなく、主体的に自ら選択した結果ここに集まって快挙を成し遂げた。
最後の一言余計かな、、生コンポータルとしては各地の生コン工場と「オワコン」「イワモル」の普及のために良好な関係性を維持したいと思っています汗。。
それにしても、残コンさん、残コン姐さん。
僕たちの弛まぬ努力がいよいよ国にも認められ、大いなる節目を迎えた記念すべき1日だったね。
ちょっと嬉しくって、毎度ながら打ち上げで飲みすぎちゃった宮本さんです。
打ち上げに行く時に渋谷建材の大曽根工場長と喋ってたんだけど、今後この「残コンステーション」「イワモル」「オワコン」が生コン工場の新たな市場として拡大していくことはほぼ間違いないね。
なぜってこれまではコスト要因だった残コンが新たなコンクリート(イワモル、オワコン)の原材料になるってんだから。
捨てるのにお金かけてたことから考えると、売ることで収益が生まれるんだからWで美味しい。
こりゃ、生コン工場が放っておかないよ。
「コンクリートをもっと身近に」
そんな明るい未来を見通すためにも、今僕たちにできることは現場に寄り添ってそこのリアルを埋もれさせずに発信していくことだけなんだ。
建設・コンクリートが苦手とされてきた情報発信がとても重要な役割を帯びることになるんだね。
残コンさん、残コン姐さん。
そんなわけで、引き続きPR活動をよろしくお願いします!
残コンを「リスク」から「チャンス」に変えてしまうために!!
②「オワコン」「ドットコン」に続くぜ!
作者・宮本充也