2023/01/19
残コンを未利用資源と定義づけた各種プロダクト・テクノロジー
生コンポータルの残コンステーションとは?
建設現場で用いられることなく余った生コンクリート(残コン)は残コンステーション(動画)で造粒骨材(粒状化骨材)の製造原料として利用される。
造粒骨材(粒状化骨材)の原石(ふるいにかけられる前)。流動性は失われるため山積みして保管してもその後コンクリートのように硬化しないため貯蔵が簡便。
写真は5mm目でふるいにかけられた造粒骨材(細骨材)。現在RRCSらでは造粒骨材(粒状化骨材)のJIS化に向けた取り組みを強化しているなど、今後こうした骨材の用途範囲は広がっていく見通しだ。
粒状化骨材・造粒骨材の多様な用途
これまで残コンはおよそ生コンスラッジ(汚泥)として処分され、生コン工場の経営を圧迫する存在だった。
ボク(残コンさん)と残コン姐さんは「残コン」のイメキャラとして残コン問題のPRを使命に各種残コンに関わる技術や製品を紹介しています。
(※キャラクター演出上一部事実とは異なった表現があります)
①ポーラスコンクリート(オワコン)
雑草・ぬかるみ・水たまり対策として誕生した造粒ポーラスコンクリート「オワコン」は構造物ではないため、JIS A 5308の要求は及ばず規格にない造粒骨材は細・粗骨材として配合が進んでいる。
今は民需が中心ですが、先日国土交通省でも実装されたように、今後は公共事業でも採用されることで市場規模は拡大される見通しです。
それは、そのまま、残コン再利用先を意味しますです。
②ポーラスコンクリート(オコシコン)
ポーラスコンクリート「オコシコン」。こちらもJIS外製品となるため、粗骨材としての利用が進んでいる。
ちなみに、JAPANではポーラスコンクリートは佐藤渡辺の「パーミアコン」を草わけに40年からの歴史がある分野だ。
残コン造粒骨材を用いたポーラスコンクリートの開発はRRCSらが中心に道路会社各社(大成ロテック、佐藤渡辺、日本道路、奥村組土木他)が推進してるってことだ。
③流動化処理土(イワモル)
自己充填性の埋戻し材としてお馴染みの流動化処理土の原材料としても造粒骨材は再利用されている(イワモル)。なお、こちらもJIS A 5308 の要求は及ばない。
今まで廃棄物として埋められていた残コンは、お役に立つ製品として地下空洞などを充填するわけですね。
(※キャラクター演出上一部事実とは異なった表現があります)
④他 各種JIS外生コン
からねりコンクリート(写真)やモルタル、先送りモルタルやシールコン、ラップルコン、捨てコン、均しコンなどJISの要求が及ばないコンクリートも大量に製造・出荷されており、造粒骨材の用途となる。
⑤鋼土・羽金土として生コンスラッジケーキの利用
※引用:香川県
築堤盛土材(羽金土・鋼土)への生コンスラッジ適応を占う研究が始まっている。
参考記事:「ため池メンテナンス市場を残コンが切り拓く! 共同開発がキックオフしました」神戸大学・泰慶・白石建設・奥村組土木興業
きっとそのうち残コンの奪い合いが始まるのかな。
(※キャラクター演出上一部事実とは異なった表現があります)
残コン関連各種プロダクト
①残コンキラー
発生時建設現場で直ちに再生化する材料は、残コンキラーの他に、我が国ではセルドロンやコンバラスなどいくつかの製品が数えられる。
ポンプ屋は黙って現場でゼネコンに薦めろっ。
カリスマ小澤さんのお言い付けだ。
②re-con ZERO EVO
現場でそのまま丸っと余ってしまった場合(「残コン」と区別して「戻りコン」と呼ばれることがある)に利用されるRe-con ZEROはドラムに直接投入されてアジテータの回転を利用することで造粒骨材を生成する。
③エコスル2/エコスルプラス
また、残コン発生予防として先送りモルタルの代替品(エコスルプラス/エコスル2)など先行材もソリューションとして挙げられる。我が国では、エコスルシリーズの他に、スリック・パワーやMAPE START1などが流通している。
And more.. 生コンキャンプ
生コンポータルでは全国800以上の生コン製造工場と連携して日々コンクリートの開発と実装を推進している。「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」呼吸する(新陳代謝する)コンクリートの普及に向けた創発型オープンイノベーション(R&D)が生コンキャンプだ。