2023/01/31
「もう、フィルタープレスでケーキにする必要がない?! 残コンや生コンスラッジの完全解決マニュアル」
残コン1m3返ってきたら逆にスラッジ70kgがリサイクルできるようになる? これ、どの角度から眺めてみてもフィルタープレスでスラッジケーキを作る必然性がない。工場見学随時受付中。「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」ともに産業の刷新を!
生コンスラッジ
生コン工場では残コンや設備の洗浄などに由来し写真のようなスラッジ水(汚水)が発生する。
汚水はフィルタープレス(写真:https://www.hitachizosen.co.jp/business/field/foodmedical/filtration.html)により圧搾され減容化される。
生コンスラッジ(スラッジケーキ)は汚泥として高額な処分費として生コン工場の経営を圧迫している。
地域や工場によって様々な処分方法がありますが、概ねこのような処分方法が一般的です。
今日は昨日宮本さんが気づいた「もう、フィルタープレスでケーキにする必要がなくなる方法」について解説しまっす。
さらば、生コンスラッジ
高濃度スラッジ水540kgで作った生コンを造粒化
スラッジ水540kg配合して製造された生コンを造粒(Re-con ZERO)したもの。通常、単位水量が540kgもある場合とても造粒しないところだが、スラッジ水の凝結作用が奏功して見事に造粒された。
540kgから残コンの単位水量(/m3)をさっ引いたスラッジ水を投入
元々の配合から単位水量が180kg/m3程度だったとして、洗浄水を考慮しても200kgだとしたら 540kg - 200kg = 340kg のスラッジ水を投入しても、きちんと造粒してくれるはずです。
Re-con ZEROをそのままドラムに投入して攪拌することで造粒され排出されている様子。
造粒(粒状化)骨材。残コンに含まれているセメント、スラッジ固形分に含まれている未水和粒子が水和反応を起こしスラッジケーキにしてしまった場合と異なり水和が促進される。また、造粒されたことで表面積が増えるため乾燥(単位水量の適正化)が進む。
1m3あたり70kgのスラッジ固形分をリサイクル? さらには脱炭素??
世間で知られているようにスラッジは飽和水酸化カルシウム溶液だから大気中の二酸化炭素を吸収・固定(炭酸カルシウムに変質)してしまえば、SDGsジジイども垂涎の的「脱炭素」の完成ってわけさ。
(※キャラクター演出上一部表現は事実と異なります)
造粒(粒状化)骨材を5mm目でふるった細骨材。スラッジ固形分が「きちんと水和反応した状態で」含まれている骨材は各種用途に用いられる。
スラッジ造粒骨材の各種用途
オワコン
全国でバズ中の防草・排水対策材料「オワコン」の原材料として細・粗骨材に全量リサイクル可能。
オコシコン
ポーラスコンクリート「オコシコン」では粗骨材としてスラッジ造粒骨材の使用が可能。
流動化処理土「イワモル」
各種JIS外生コン
写真はからねりコンクリート。JIS外生コン(先送りモルタル、捨てコン、シールコンetc)であればスラッジ造粒骨材の使用に関して制限はない。
昨日宮本さんがこのアイディアを RRCSのリサイクル分科会(座長・小山明男教授 明治大学、福・白岩誠史 安藤間)で話題提供したところ、みんな興味を持ってくださったみたいです。
小山先生、来年度には生コンポータルを訪れてくださるお約束もくださったし(宮本さんの母校は明治大学で小山先生はパイセンに当たる)これから色々広がっていきそうです。
スラッジケーキ、もう作らないで!
これって、結構すごいことだと思うんだよね。
だって、残コン1m3余ってきたら、スラッジ70kgリサイクルできるんだもん。
フィルタープレス、お払い箱だよ。
数千万かけて設置する必要がもうないんだよ!
生コンポータルでは随時工場見学(残コンステーションほか)を受け付けています。
生コン工場に勤める人って基本的に超奥手だからなかなか連絡しにくいかもしれないけど、僕、生コン工場の人と交流するのが大好きだから遠慮なくご連絡ください。
宮本さんのLINEにDMしてもらってもいいしね。
きてくれたら寿司とか鰻に連れてってあげます。
その後地元に戻って地酒とか気を遣って贈ってこなくてもへーきです。
さあ、スラッジを作って大地に蓋し、汚す産業をそろそろ刷新しませんか。
僕たちにはできるはず。
「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」
その日に向けて、残コンさん、残コン姐さん。
頑張ろうっ。
作者・宮本充也