2023/02/27
【生コン】「セメント安定処理路盤などの改良材に【残コン】を流用できないか?」【道路】
残コンを通してこれまで「区分」「序列」関係で互いを大いに傷つけあってきた「生コン」と「道路」が統合されて共同が生まれるかもしれない。白石建設の砕石場を訪ねて視察した土質改良の模様。「残コン」が互いを結びつける可能性について。
セメント安定処理路盤
安定処理とは、地盤や路床の材料に充分な支持力や強度がない場合、セメントや石灰を加えることで粒子どうしの結合を強める工法を指します。 土木インフラである道路や橋梁、マンション・一戸建て住宅などの建築工事を行う前に地盤を調査し、軟弱な地盤であれば安定処理を行います。( 安定処理の定義と安定処理工法の種類)
本日は白石建設さんの取り組みを見学してた時に協議したアイデアをご紹介します。「安定処理」に関するものです。適当な写真が見つからなかったのですが。。道路工事では上層路盤に瀝青・セメント・石灰などで安定処理した路盤が用いられることが多いのですが、それらを「残コン」で置換することはできないか、その可能性について探ります。
白石建設(岡山)の事例
建設発生土を機械に投入して石灰と混練して改良する工程。
改良土。支持力など機械的性能が改善され、より高い等値換算係数が得られる。
地盤が十分な支持力を備えていない場合には「安定処理」(写真)を行うわけだが、この「石灰」や「瀝青」「セメント」の代わりに、現場で用いられずに戻ってきた「残コン」をそのまま、あるいは、加工して(スラッジ水として等)使えねえかってアイデアだ。
スラッジ水の利用
およその生コン工場では泥水(スラッジ水)の処分に頭を抱えています。このスラッジ水ですが、見方を変えるならば「水酸化カルシウムが飽和した溶液」となるので、高炉スラグや製鋼スラグの有する潜在水硬性を刺激するアルカリ刺激剤と言えるのでないか、という仮説です。
道路用鉄鋼スラグ路盤材(https://www.jfe-mineral.co.jp/business/iron_and_steel/steel_slag_for_road.html)
そうなったら、現場最寄りの生コン屋に鉄鋼スラグ路盤材を送りつけて深夜帯にスラッジ水を改良材とした混合を行えばより高い等値換算係数が得られるはずだ。あるいは、現場最寄りの生コン工場からスラッジ水を持って行ってタンクに貯めて中央混合方式になるのか。
スラッジパウダーの利用
スラッジケーキをトロンメルで加工(粒状間摩擦効果によるふるい分け)したもの。
スラッジ水のそのまま利用がとっぴすぎるなら、こうして加工したパウダーも使えそうですね。製造方法の最適化は課題として残るものの、パウダー状であれば既往の設備(中央混合方式)も流用できますし面白いかもしれません。
スラッジに含まれる未水和セメントも活用?
スラッジ水には未水和セメント分も含まれる。水和が満了する前に前述の加工プロセスで表面積を大きくすることで乾燥させることで未水和部分が残留する。時間管理(水和反応のコントロール)が課題。
元々セメント(やシルト)だったわけだから、なるべく早く乾燥させる(エネルギーを用いずに粒状間摩擦効果などなるべく自然の作用を用いる。火力や膨大な電力などを利用するなどは論外)ことができれば「元々廃棄物だったものがちょっと性能の劣るセメント」になるな。つまり、改良材だ。
残コン造粒骨材で「ポーラスコン」「ジオポリマー」
写真は残コンステーション(ファクトリ)で得られた造粒(粒状化)骨材です。スラッジ残渣までをも含んでいるため、豊富な水酸化カルシウムを含んでいることが特徴になります。現在「ジオポリマー」やそれを応用した「ポーラスコンクリート」など比較的JISの要求が及びにくいコンクリートに適した造粒骨材の利用は道路舗装の分野で検討が進んでいます。とりわけ無筋コンクリートなど舗装コンクリートは元々JIS規格をそれほど意識してこなかった歴史があります。
生コン or 道路 残コンで産業の統合へ
残コンさん、残コン姐さん。お勤めご苦労様ですっ。
我が国の産業全体に言えることかもしれないけれど、「序列」「区分」は違いを大いに傷つけあってきたと思うんだ。それは、生コン or 道路 という構図にも言えることだよね。「市場シェア95:5(As:Con)をなんとかしなければ!」ってのがおおかたコンクリート産業サイドの主張になるわけだけど、As側からしたらたまったもんじゃないよね? 自分たちのおまんまの種を侵食されるんだから。とても協力なんかできない。でも、上記で述べられているように、As(道路)もCon(生コン)もそれぞれの得意分野を尊重しつつ共同すれば互いを傷つけあうのではなくてイノベーションを起こしたりより良い市場環境を作ることができそうだよね。何せ、これまで廃棄物として処分されてきた「残コン」が安定処理に貢献できそうだってんだから。さらに、道路会社の「施工」と組み合わせれば、これまでにない環境負荷ゼロの舗装ができそうだってんだからさ。
「分離」から「統合」へ
これからの時代のキーワードだねっ。
残コンさん、姐さん、引き続き頑張りますっ。
オワッコーン‼︎
我が国の産業全体に言えることかもしれないけれど、「序列」「区分」は違いを大いに傷つけあってきたと思うんだ。それは、生コン or 道路 という構図にも言えることだよね。「市場シェア95:5(As:Con)をなんとかしなければ!」ってのがおおかたコンクリート産業サイドの主張になるわけだけど、As側からしたらたまったもんじゃないよね? 自分たちのおまんまの種を侵食されるんだから。とても協力なんかできない。でも、上記で述べられているように、As(道路)もCon(生コン)もそれぞれの得意分野を尊重しつつ共同すれば互いを傷つけあうのではなくてイノベーションを起こしたりより良い市場環境を作ることができそうだよね。何せ、これまで廃棄物として処分されてきた「残コン」が安定処理に貢献できそうだってんだから。さらに、道路会社の「施工」と組み合わせれば、これまでにない環境負荷ゼロの舗装ができそうだってんだからさ。
「分離」から「統合」へ
これからの時代のキーワードだねっ。
残コンさん、姐さん、引き続き頑張りますっ。
オワッコーン‼︎
ぉ。。オワッコーン??
残コン! オワッコーン‼︎
作者・宮本充也