2023/03/22
「RG (残コン造粒)骨材がコンクリート強度(低下)に及ぼす影響とジオポリマーポーラスへの適用」ICC
生コンポータル監修の元ICC(伊豆中央コンクリート)で着々と進むRG GEO(残コン造粒骨材ジオポリマーコンクリート)製造・出荷への準備。今回はV骨材をRG細・粗骨材でいくつかのパターンで配合したコンクリートの曲げ強度を計測。
残コン造粒骨材コンクリートの強度結果
粗・細骨材を片方ずつRG骨材(残コン造粒骨材)に置換、あるいはいずれも置換した生コンクリートで曲げ供試体を作成し強度試験を行った。
100%RG細骨材・RG粗骨材で製造したものとV骨材で製造したものの強度ほかの違いはこれからも把握していきたいテーマです。
RG細骨材が最も強度に影響する
【曲げ4.5】残コン造粒骨材への置換実験
1w強度試験結果(3/14打設)
(各配合、2本ずつ)
・RG粗骨材・RG細骨材(全量置換)
4.59 4.05
平均 4.32 N/㎜2
・V粗骨材・RG細骨材(細骨材のみ置換)
4.80 4.86
平均 4.83 N/㎜2
・RG粗骨材・V細骨材(粗骨材のみ置換)
5.82 6.27
平均 6.05 N/㎜2
ところで、これ、ジオポリマーに適応したらもっと面白いことができるんじゃねえか?
JIS外生コン全量RGジオポリマーに置き換え(ICC)
Mapecube Geo 試験練り(ゼロセメント)・7日強度試験結果
1バッチ目(Geo 60㎏/m3添加、AE減水剤なし)
11.4 11.7 11.6
平均 11.6 N/㎜2
2バッチ目(Geo 60㎏/m3添加、AE減水剤あり)
12.6 13.1 13.5
平均 13.1 N/㎜2
3バッチ目(Geo 30㎏/m3添加、AE減水剤あり)
10.6 10.4 11.1
平均 10.7 N/㎜2
NRの実績と比較してみます。
直近、2月近辺に出荷したもので、
18-8 BB
1w強度が、11.9N/mm2 (→ 4w予測は、25.4)
18-8 BB
1w強度が、12.2N/mm2 (→ 4w予測は、25.7)
18-8 N
1w強度が、17.8N/mm2 → 4w強度は、22.8
この結果から見て、3バッチ目でも、4w強度は、BBを上回るのではないかなぁ...、と推測しています。
(二見メンバー共有)
関連記事: 「混和剤以外は全て残コン、高炉スラグ微粉末、スラッジ水(上澄水)など副産物で製造したジオポリマー 1週強度」
オワコン、おこしコンについては直ちに!置き換え
RG GEO オワコン
犬走など強度を要求されない箇所への適応。
ガビオンのぐり石代替として用いられるため、要求されるのは強度ではなく重量など。
RG GEO おこしコン
ポーラスコンクリート(おこしコン)はJIS外品として流通しており、前出のRG粗骨材の置き換え強度試験結果から察するに、置換しても強度には影響がないことが窺われる。
ジオポリマーやゼロセメントポーラスコンが普通に
このところ、「評判」てのは水もので取るに足らない雑音ってことがテーマの宮本さんですっ。(参考:https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/post_575.html)
多くの研究者や実務家は「メディアで取り上げられてチヤホヤされる(評判の)ために仕事をしている」ように見えてならないんです。本来の成果はその研究や実務を通して社会実装、つまり、世界の景色を実際に変えることなのにね。事実、現在一般に生コン工場で製造されている生コンの大半は18-8-20(BB)や18-18-20(N)などといった数十年も前から変わり映えしないコンクリートだし、メディアで取り上げられている製品はほとんど流通していないからね。つまり、今現時点で研究や実務に取り組んでいらっしゃる方々が生み出す技術は結果世の中に流通せず、チヤホヤされるだけされて職業人生を閉じるってことだと思うんだ。酷い言い方のように思われるかもしれないけどそれが現実だし、業界や学会でチヤホヤされはしてるけど、その実世界の景色を変えることのできていない(あるいはそれをしようとしていない)尊敬できない方が大半です。大切なのは研究(Lab)と実務(factory)が互いを尊重して両輪として進むことなんだけどね。
コンクリートを通して真の貢献を果たすために。
引き続き、現場に寄り添いそこを出発点として「伝える」情報発信に努めますっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也