2023/01/09
「残コンステーション運用に関わる地代家賃・設備損料・材料代から試算する骨材原価について」
いよいよ本年2月1日より運用開始を目指す完全版残コンステーション(トロンメルによる分級までが一体化されたフロー)に先立ち、運用に関わる地代家賃・設備損料・材料代を試算して骨材原価を弾き出す。
残コンステーション に運用に伴うコストと収益
残コンステーションで加工された残コン(造粒骨材)はそのままRC40のような路盤材料として用いられることもあれば、ふるいで2005と細骨材に分級され生コンクリート用骨材にもリサイクルされる(生コンポータルでは現在大半が路盤材として出荷されている)。
トロンメルで造粒骨材をふるっている様子。
5mmU(細骨材)。細骨材・粗骨材はそれぞれ、JIS外品(オワコン、オコシコン、イワモルや先送りモルタル、捨てコン、ラップルコン、シールコンその他)に配合される。
骨材いくらで買っている??
静岡県志田榛原生コンクリート共同組合
原油や機械設備の高騰を受け各地の骨材価格は高騰に次ぐ高騰を続けている。
以下では、残コンステーションで得られた骨材の原価がいったいいくらくらいになるのか、生コンポータルで本年2月1日より運用されるプロセスのコスト試算としてまとめます。
機械・設備コスト
https://electrictoolboy.com/media/24166/
残コンステーション運用に関わる重機の1、バックホー。
トロンメルを仮に月額50,000円/月(電力込み)で計算した場合、設備費合計は170,000円/月になるな。
地代家賃
現在交渉中のストックヤードは月額120,000円を提示されている。
これだけ広ければ近隣の工場さんの残コンもストックしておいておけそうです。
Re-con ZERO EVO コスト
生コンポータルの残コンステーションではRe-con ZERO EVOを実装している。定価5,000円/セットはおよそ2m3〜の残コン改質に用いられる。
5000円で2m3の残コン(残渣含む)を改質するので、かかる材料代は1m3あたり2500円ということになります。
造粒骨材の密度が2.2(つまり、2.2トン/m3 池上さん調べ)ということなので、1トンあたりにかかる材料コストは2500円÷2.2トン=1140円/トンってことになります。
(仮) 100m3(220トン)/月 骨材原価試算
生コンポータルの残コンステーションには各地から見学者が訪れそれぞれの環境に応じた設計・運用が実施されている。
地代家賃120,000円と設備損料170,000円の合計額290,000円を220トンで割ると、造粒骨材1トン製造するのにかかる費用が1320円。
これに、材料コスト1,140円が合計されるので、2,460円/トンが製造原価になります。
池上さん曰く、「1トンあたり4000円も見えてきた」ってくらい骨材価格は高騰しているので、経済合理性が証明されることになります。
骨材220トンおよそ生コン120m3分 使える用途は?
①少量・から練り(生コン、モルタル)・ 先行モルタル などJIS外品
https://nikkenkk.naganoblog.jp/e616959.html
JIS適合生コン工場であっても、JISマークを付与されないJIS外品も生産されている。
②オワコン/オコシコン
「オワコン」「オコシコン」でお馴染みの透水性コンクリートもJIS外品の1つ。
③ラップル・捨てコン・均しコン など 非構造体コンクリート
https://seko-kanri.com/sute-con/
型枠を立て込むためだけ、計画高さにならすだけ、の用途に用いられる捨てコン、均しコンといったコンクリートは非構造体に用いられるため、JIS品であることを要求されない種類のコンクリート。
使用量が増えれば増えるほど、地代家賃や設備損料の比率が下がるので、原価もお安くなるってことですね。
薬剤(Re-con ZERO EVOなど)はなるべく使わないで!
高分子が作用して流動体生コンクリートを造粒させるのがRe-con ZERO EVOなど造粒材の役割。
いよいよ2月1日から完全版残コンステーション(トロンメルでの分級まで)の運用が始まるのを目前に胸を躍らせている宮本さんですっ。
残コンステーションで造粒骨材を標準化しようとしているみなさんにお知らせですっ。
「残コン造粒材はなるべく使わないで!」
なぜって、そのままコストONになるから。
夏場など、気温の高いケースでは自然蒸散で薬剤を使わなくてもOKなケースもあるくらいだから、さっきの試算にあったような1140円/トンを800円、500円、と限りなくコスト0に近づけるのが理想なんだ。
目指すは1000円未満で造粒骨材を生産することです。
「呼吸するコンクリート」「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」実現に向けて。
残コンさん、残コン姐さん。
引き続きよろしくお願いしますっ。
作者・宮本充也