2023/02/10
「脱炭素時代に残コンステーションは生コン工場や生コン組合の新たな収益源となる」
事例:おしゃれブロック「エバンガビオン」
建築外構の擁壁や独立基礎、バリケードや多用途に用いられるブロックとして完成したエバンガビオンの原材料は残コン。
関連記事:「オワコン(造粒ポーラスコンクリート)を用いて今度は【壁】(門柱、擁壁、土留め、基礎etc)を作ってみた」エバンガビオン
あ。こちらは「オワコン」チームで開発中のエバンガビオンですね。
「造粒」という観点から行けば「残コン」をそのまま用いた方がいいよな。
原材料は「残コン」
残コンステーションにガビオンをたくさん置いておいて、持ち戻された残コンを積んだ生コン車に造粒材(Re-con ZERO EVOなど)を投入・攪拌して製造ですね。
高濃度スラッジ水も入れちゃう
関連記事:【実証】「2023年スラッジがオワコンに!」スラッジオワコンの製造・施工
白石建設武南さんや宮本らの取り組みでは「スラッジ水が造粒作用を促進する」ことがわかっているんだ。残コンステーションにスラッジ水のタンクを置いておいて、直接生コン車に投入して撹拌すればスラッジも処理できるな。
テストピースも廃棄しなくてもいい!
生コン工場で必ず廃棄に困っているテストピースを「あんこ」としてエバンガビオンに利用するんですね。
コンクリであれば必ずCO2と反応して中性化するからまさに資源循環・脱炭素だ。
脱炭素・資源循環「エバンガビオン」
https://rrcs-association.or.jp/news/2022-01-18.html
大量のスラッジ水が含まれているということはそれだけ水酸化カルシウム溶液が豊富に含まれることを意味します。また、造粒されたことで構造がポーラスになっているためCO2と触れる面積も大きい。さらに、既往のポーラスと異なり水セメント比が高くなるため、中性化(水酸化カルシウムが二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムに変化する現象)も促進されます。まさに、資源循環・脱炭素という付加価値が残コンからもたらされるんですね。
白石建設の武南さんによれば主幹事・安藤間の白岩誠史さんに提案したところなんでもコンソーシアムメンバーに諮ることなく独断でこのアイディア却下されたらしいぜ。しかも「距離を空けます」という一方的に言い渡されてるらしい。
生コン組合で「脱炭素」「資源循環」
関連記事:【提言】「もしも生コン協同組合で《残コンステーション》を運用したら一体どうなる?」
生コン組合は「独占禁止法適応除外」を受けている団体なのでカルテルが許されています。その優位な立場を利用して残コン発生時にゼネコンや工務店に対して費用請求をする(たとえば、1m3あたり10,000円など)。
10,000円を元手に、組合員の残コンステーションまでの残コン運び込みの手間や残コンステーションの運用に充てるんだ。そうすりゃ、実質持ち出しゼロであるばかりか、出来上がる製品の販売で新たな収益源だって狙える。
krヤードに設置されたトロンメルでは造粒骨材のふるい分けが行われる。
造粒骨材(写真は細骨材)を生コン組合が一括で組合員に卸しさらにJIS外生コンなど生コン組合主導でゼネコン・工務店に非構造物用途の生コンとして販売を行う。
生コン組合(工場) x 残コンステーション
関連記事:「生コンポータルではゼネコン・建設会社向けに実験フィールド(krヤード)をご提供しています」
krヤード(残コンステーションの一部)にはクレーンが実装されており、残コンエバンガビオンの大量生産や各種実験(コンクリート製品の吊り上げなど)に供される。
残コンさん、残コン姐さん。お勤めご苦労様です。
これ、我ながらやばいプロジェクトだと思うんだ。だって、カルテルOKというその強みを遺憾なく発揮してゼネコン・工務店から「残コンの適正利用に関わる手数料」名目とかで金一万円を頂戴する。それを原資に、残コンステーションの運用や組合員の手間賃を捻出する。それでもって、アウトプットされるのが、「脱炭素・資源循環エバンガビオン」や「造粒骨材」になるんだ。なお、造粒骨材についてはRRCSらによりJIS化が推進されているんだよ。まさに、テッパン。無敵のスキームとはこのことだね。
ちなみに、ここだけの話だけど、このスキームに取り組もうという組合さんが何処かにあるってことなんだ。やばいよね。これ、今はまだラフデザインでしかないけれど、生コン組合が実際に動かし始めたらこのムーブメントはきっと各地に飛び火するはずさ。
脱炭素・資源循環という時代の要請に対して、これまでのやり方に無理を感じている生コン実務者は多くいらっしゃる。そして、それは生コン組合の在り方にも同じことが言えるんだね。新たな時代の、新たな生コン組合。
残コンさん、残コン姐さん。
コンクリートの未来が楽しみですっ。
これ、我ながらやばいプロジェクトだと思うんだ。だって、カルテルOKというその強みを遺憾なく発揮してゼネコン・工務店から「残コンの適正利用に関わる手数料」名目とかで金一万円を頂戴する。それを原資に、残コンステーションの運用や組合員の手間賃を捻出する。それでもって、アウトプットされるのが、「脱炭素・資源循環エバンガビオン」や「造粒骨材」になるんだ。なお、造粒骨材についてはRRCSらによりJIS化が推進されているんだよ。まさに、テッパン。無敵のスキームとはこのことだね。
ちなみに、ここだけの話だけど、このスキームに取り組もうという組合さんが何処かにあるってことなんだ。やばいよね。これ、今はまだラフデザインでしかないけれど、生コン組合が実際に動かし始めたらこのムーブメントはきっと各地に飛び火するはずさ。
脱炭素・資源循環という時代の要請に対して、これまでのやり方に無理を感じている生コン実務者は多くいらっしゃる。そして、それは生コン組合の在り方にも同じことが言えるんだね。新たな時代の、新たな生コン組合。
残コンさん、残コン姐さん。
コンクリートの未来が楽しみですっ。
ですね。
行くぜ!
作者・宮本充也