長岡生コンクリート

2022/11/30

「残コンステーションの造粒骨材をトロンメル(あるいは振動ぶるい)でふるってイワモルやオワコンの製造をする」

「残コンステーションの造粒骨材をトロンメル(あるいは振動ぶるい)でふるってイワモルやオワコンの製造をする」

ICC(生コンポータルら運営)では日々流動性埋戻し材や透水性コンクリートが日々の景色として製造・出荷されている。オコシコン、オワコン、イワモルの市場はすでにある。後は生コン工場が残コンにどのように向き合うかが重要だ。



流動化処理土 ポーラスコンクリート 生コン 路盤 が 市場

流動化処理土1日で100m3出荷も

日によって100m3を超える製造・出荷を見る流動性埋戻し材(残渣式埋戻し材)は生コン工場(ICC)が製造・出荷している。写真はとあるゼネコンの建築工事に付随して発生した埋戻しに用いられたもの。

「イワモルは残コン(造粒細骨材)と水とセメントをバッチャープラントで混ぜた流動性埋戻し材です」

写真の流動性埋戻し材「イワモル」は残土ではなく残コン(現場で用いられず工場に持ち戻された生コン)が由来の製品。生コンポータルらでは残コンステーションで生成された造粒骨材の各種用途開発が生み出され現在実装が進んでいる。

残コン造粒骨材の作り方



残コンステーション(動画)と呼ばれる設備にかけられた残コン(フレッシュコンクリート)は残渣(洗浄水・残水由来)とポリマー(メカニズム解説)とブレンドされ、造粒骨材あるいは粒状化骨材(写真)と呼ばれる原料に生まれ変わる。

 残コン女の子

自分、残コンさんて言います。
社会問題「残コン」の周知活動のために生まれたキャラです。
オワコンちゃんとオワコーンに比べてテーマが技術的すぎてキャッチーになりきれないのが悩みっす。
さて、残コンステーション(ロスコンステーションとも呼ばれる)で加工された残コンは造粒化(粒状化)され各種用途(イワモル)に用いられます。

トロンメル(あるいは振動ぶるい)などを用いて造粒骨材はふるい分け(5mm目)され、粗骨材と細骨材ができる。既出の「イワモル」はその細骨材をそのまま用いて製造された製品。

キャプション全部説明しちまうから確かにあたいたちの存在意義薄は問題だな。
まあ、関係ねえか。
ここでは残コンが生まれ変わった粗骨材・細骨材残コンの用途について詳しく説明していくぜ。

 残コン姐さん

残コン由来のポーラスコンクリート「オコシコン」

【徳島】「広大な敷地であればあるほど水勾配(排水)による高低差が深刻な問題となる」松尾建材・北岡左官

生コンポータルらで展開されているポーラスコンクリート「オコシコン」に配合されている骨材は20mmサイズ(または砂利・25mm)通常の生コン工場で採用されている標準品。残コンステーション由来の粗骨材も同様の径であるため、地産された骨材をそのまま転用することが可能。

 残コン女の子

オコシコン(旧ドライテック)って生コンポータルが全国区で情報発信してそこそこバズってる製品ですね。
わざわざ新品の粗骨材を使うんじゃなくて、なるほど残コンステーションから出てきた粗骨材をそのまま転用すればコスト安くなるし、ふむふむ。。

オワコンの元配合は 18−8−20(N)とか ってことは?

【愛知】「コンクリ(強度・耐久性)と砂利(安い・すぐ使える・水を通す)のいいとこどりで草抜きから一生涯解放!」ダイナミック生コン・池田ブロック

おーい、オワコン、出番だ、出てこい。

 残コン姐さん

 オワコンちゃん

ざ、ざざ、残コン姐さん、「ちゃん付」忘れないでくださいーー汗。。
そうなんです、オワコンの元配合はいわゆる普通の生コン(18-8-20Nとか)なので、どこでも手には入るよーーーってのが強み!
例えば、さっき紹介されてた残コン造粒骨材の細骨材や粗骨材をそのまま使って作った生コンもオワコンになるので、残コン由来のオワコンもできちゃいます!
ちなみに、埼玉県の渋谷建材さんで作られているオワコンは全部その骨材だそうですー。

【埼玉】「家の周りの砕石敷きこれからもそのままにしておきますか?」渋谷建材・YNKワークス

100%残コン由来の骨材で作られたオワコンは現在主に民間工事(エクステリアなど)を中心に採用が進んでいる。消費者は意識しない(あるいは必要としていない)が、こちらの材料はカーボンネガティブであり環境フレンドリーな製品(資源循環型・地産地消型)としての側面も有している。

SDGsとかよくわからんが、そりゃ、安くなるよな、元が残コンだもんな。
「貯蔵ビンが足りません!」とか抜かしてるポンコツが目に浮かぶが、オワコンならわざわざふるい分けしなくとも、全量1つのビンにぶっ込んじまっても問題なさそうだし、生コン屋どもも喜びそうだな。

 残コン姐さん

JIS外品(工場渡し、1m3未満、捨てコン、非構造体)への適用

当該工場の配合にそのまま残コン由来の骨材を当てはめ製造することでJIS外ではあるものの再生骨材コンクリートの製造は容易にできる。こうしたJIS外生コンは主に工場渡しや1m3未満、捨てコンや均しコン、ラップルコン、嵩上げコンクリート、シールコンなどの用途に用いることができる。

 残コン女の子

なるほど。
JIS規格を話題にし出すとあれこれややこしいですからね。。
生コンポータルって本当にJISが及ばない領域でうまいことやってますよね。

それでも余ったら 埋戻し・路盤材

https://h-kk.co.jp/hkkc/?report=231

残コン造粒骨材は各地でエコ認定などを取得し路盤材や埋め戻し材として用いられている事例もある。民間工事では比較的採用されやすい定番の材料として、最後の手段「路盤材」「埋戻し材」という市場は駆け込み寺として機能する。

なるほど、沈めちまえってことだな。
無かったことにしちまえって。
何人かあったなそんなこと。

 残コン姐さん

ルールを守って生コン屋さんから資源循環・脱炭素・地産地消

ちょ、ちょっと違うかな、残コン姐さん汗。
後々問題になりそうな発言に関してはいちいちログインさせていただく宮本さんだぞっ汗。
コンプライアンス重要!
姐さん、お願いだから、マエ(過去)と距離を置いてくださいっ。

というわけで、以上の通り、残コンはすでに再利用される市場を十分保全していることがわかっています。
これから、実際にどれくらい残コンに含まれるCa(OH)2などが炭素を固定化しているかとかが研究によって明らかになっていくでしょう。
そして、工場に戻ってきた残コンがそのままその場所で原材料になっていることは資源循環・地産地消を意味します。
これまでゼネコンや大学のお偉いさんが指図して作られた規格にそのまま恭順に従うことを望まれてきた僕たち生コン工場は、これからは率先してラストワンマイルで「言葉遊びではない」資源循環や脱炭素を実践していく役割を期待されているんだね。
嬉しいね、これは。

「コンクリートをもっと身近に」
これまで建設・コンクリートが苦手としてきた情報発信(「知らない」を「知っってもらう」にする)がだからこそ重要なんだ。
僕たちの貢献をそのまま埋もれさせておいていいはずがないよね。
だから、残コンさん、残コン姐さん、引き続きpr活動よろしくお願いします!

 宮本

 残コン女の子

りょー、です。
りょーーー!

 残コン姐さん



作者・宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

危険物取扱責任者(乙4)/1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士