2022/12/23
都市型残コンステーション・軽量骨材製造「残コンステーションで製造される残コン造粒製品 細骨材・粗骨材・混和材 の用途開発メモ」
残コンから軽量骨材ができる。残コンで微留分の利活用が進む。ラストワンマイルでの実装につぐ実装は新たな課題を抽出しさらにものづくりは進化する。研究とものづくり、それぞれの役割分担などについて、雑感メモ。
都市型残コンステーション / 残コン軽量骨材
都市部の残コン・解体コンクリート塊受け入れの実態
汚泥として処理されている都心部の残コン処理費用は高騰の一途を辿り生コン工場の経営を逼迫させるだけでなく製品価格の高騰をも引き起こしている。
また、集塵・捕集されるコンクリート塊を破砕する際に発生する微留分(フィラ)やスクリーニングスは吸水率が高く最終製品の品質を不安定にするため、その処分や改善が目下の課題となってきた。
スキーム案 都市型残コンステーション+イワモル製造
1)受け入れ残コンの1部を残コンステーションで造粒
2)同時に解体コンクリート塊の微粒分もブレンド
3)造粒骨材 5mmオーバーはRC40−0や再生骨材L品として販売
4)5mmU(0.075mm U激減)はストックしてイワモルへ
5)イワモル出荷の際はチャーターで生コン車手配(仮に200m3を5台で回すとして1台4万円だから運賃1000円/m3)
6)細骨材を仮に1000円として1500kg/m3計算で骨材1500円/m3
7)近所あるいは現場に行く途中の生コン工場でセメントミルクを積み込んでイワモル完成(およそ2000円〜3000円/m3程度か)
8)4500円〜5500円原価のイワモルで粗利益確保
※何処かの生コン屋とか既往の企業に何か新しいことをさせることを極力忌避することがコツ。既往の循環をそのまま利用した(元々の業務の延長線上であり新しいことは何一つない)モデル
細かい粒(シルト、粘土)はより大きい粒(砂、礫)に被覆する形で絡め取られそのまま硬化する。そのため、残コン・造粒材(re-con zero evo)・微粒分を同時に攪拌することで再利用の難しかった微粒分量を減らすことができる。
昨日宮本さんは某所で残コン受け入れの実態を見学してきて確信したよ。
これからの残コンをはじめとする副産物の物質循環は残コンステーションが鍵となるってね。
残コンステーションがあらゆる副産物と残コンを造粒製品に変換する
生コンポータルに実装されている残コンステーションでは残コンと残水・洗浄水を濾した残渣のみが造粒製品(細・粗骨材)に変換されている。それらは再生造粒骨材コンクリートやオワコン・オコシコン・イワモルといったJIS外生コンとして地域市場に還元(地産地消)され、単一工場におけるクローズドループが実現している。
https://shidahaibara-namakon.jp/75009/member/
Mapにあるように生コン工場は地域単位で考えると満遍なく展開している。
どの工場からも比較的近隣に残コンステーションを設置して残コンを集約する仕組みさえ確立してしまいさえすれば、もっと大掛かりなイワモルやオワコン・オコシコン、非構造体用コンクリートにコンクリート解体塊や残コンを循環させることに気づいたんだ。
ま、気づいても、既往の組合が「やろうやろう!」ってノリノリになる可能性は万にひとつもないんだけどね。。
だから、冒頭のスキームのように、「特定の誰か(企業や組合)に依存しない」循環を生み出すことが大切なんだ。
残コンステーション由来の造粒骨材は軽量骨材としても応用可能??
https://osakahyogokouso.or.jp/old/wp-content/uploads/IWA.pdf
IWA骨材(造粒骨材)の密度は一様に低下するため、人工軽量骨材としての利用が可能は白石建設武南さんの発案。
https://www.mitsui-kinzoku.co.jp/group/mesalite/technology/technology09.html
例えば人工軽量骨材で行われるプレウェッティング(散水)を炭酸水でやったら水酸化カルシウムが炭酸カルシウムと水(水蒸気)に変化して、さらに質量が下がるのではないか。
そして、それは、そのまま脱炭素の文脈を実装しているのではないか。
武南さんが立てた問いの凄さはここにあるんだよ。
残コンステーションは資源循環のハブになる
骨材だけじゃなくて、混和材(高流動コンクリートに用いられるフィラなど)にも使える。
現場・ラストワンマイルではすでに多くの示唆が示されていますね。
てめえら、突き進めっ。
作り出したそれがどのような価値があるのか。
それは僕たちにはわからない。
僕たちにわかるのは「売れるか売れないか」結果だけ。
売れる(実装される)ということはつまり市場と顧客に答えている証拠。
研究はその価値の再現性を保全するために後追いで性能を評価して安全性も含めた裏付けを証明(エビデンス)する。
それが役割分担なんだね。
さあ、僕たちの役割がわかったら、ガンガン現場で実装だ。
並行して、情報発信「伝える」も大切にね。
残コンさん、残コン姐さん、お願いしますっ。
作者・宮本充也