2023/04/07
「粒状化骨材100%で製造したジオポリマー(RG骨材GEO)の1・4週強度結果」
続々と結果が報告されるRG骨材100%で製造されたジオポリマーコンクリートの強度。「主なCO2発生源セメントを用いずに普通コンクリート同等の強度発現する」。この結果に建設・コンクリート産業の構成要因、とりわけゼネコンや生コン組合は真摯に向き合うべきだろう。
ジオポリマー4週強度
Mapecube Geo 試験練り(ゼロセメント)・28日強度試験結果
1バッチ目(Geo 60㎏/m3添加、AE減水剤なし)
17.3 17.2 17.4
平均 17.4 N/㎜2
2バッチ目(Geo 60㎏/m3添加、単位水量 -30㎏/m3)
19.2 19.1 19.4
平均 19.2 N/㎜2
3バッチ目(Geo 30㎏/m3添加、AE減水剤あり)
16.6 15.9 17.6
平均 16.7 N/㎜2
(二見メンバー共有)
普通コンクリート・水セメント比(W/C)65.1%の配合のセメント量をそのまま高炉スラグ微粉末に置換(W/B 65.1%)したもの。ちょっと驚いていただけると思うのですが、呼び強度18N/mm2には及ばなかったものの(3バッチ目)それでも、16.7N/mm2という結果は、「生コン屋さんからジオポリマーが当たり前に出荷される世界」の兆しと読むことができそうです。
W/B 55.1%のジオポリマー 1週強度
230407【ジオポリマー 試験練り‐2】
Mapecube Geo 試験練り‐2
3/31打設・7日強度試験結果
Geo 30㎏/m3添加、W/B=55.1、AE減水剤 1.2%
13.2 13.5 13.1
平均 13.3 N/㎜2
RGジオポリマー経済性は?
ジオポリマー 配合値(㎏/m3)(→ 3/31 実施の試験練り配合 ※1週強度13.3N/mm2)
W:148 B:323 S:664 G:784 Geo:30 (AD:2.98)
B → 高炉スラグ微粉末(密度:2.88)
S → RG細骨材(密度:2.05)
G → RG粗骨材(密度:2.30)
AD → SV10L
ーーーーーー
元配合(18-18-25 N)
W:178 C:273 S1:457 S2:460 G1:448 G2:453 (AD:2.98)
C → 普通セメント(密度:3.16)
S1 → 山北(密度:2.61)
S2 → 富士川(密度:2.63)
G1 → 相生(密度:2.62)
G2 → 富士川(密度:2.65)
AD → SV10L
①RG骨材利用分
GEO→S:664 G:784→1,448kg
RMC→S1:457 S2:460 G1:448 G2:453→1,818kg
GEO:1,448円
RMC:7,272円
つまり、5,824円GEOの方が安い!ということになりました。
②高炉スラグ微粉末利用分
GEO→B:323
RMC→C:273
GEO:3,230円
RMC:4,095円
GEOの方がやっぱり、865円安くなったなっ。骨材と合計で6,689円/m3安くなる計算だぜっ。
混和剤(GEO)のコストは?
現在イタリアで初期ロット生産が始まったばかりの混和剤(Mapecube GEO)の日本向け価格はまだ決定されていない。https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/_aams_mapei.html
RG骨材GEO(残コン粒状化骨材によるジオポリマーコンクリート)すごいね、何せ通常の生コンよりも混和剤コスト別で6,689円/m3安くなっちゃってるんだから。まだ、混和剤の価格が決まってはいないんだけど、真面目にゼロセメントにする必要もなかろうし、10%〜30%くらいセメント使って混和剤をその分ケチったりして、いろんな配合を検討しうるだろうし、これ、本当に物凄い潜在性を秘めているよねっ。とってもワクワクします。
とりあえず当社では当面は赤字(船便ではなく空便で1000ℓ混和剤を取り寄せる)で地域社会での実装やサンプル提供を予定してまっす。こちらをご覧になられている建設・コンクリートの技術者・研究者で興味のある方は遠慮なく宮本さんのLINEにDM待ってるよっ。とって食うようなことしないから安心してw。
オワッコーン‼︎
価格のアドバンテージももちろんですが、主なco2発生源であるセメントを使わなくてもコンクリートが製造できちゃうってことが本当にすごいですよね。生コン組合やゼネコンの皆さんと一緒に、こうしたコンクリートを標準にしていきたいです。
作者・宮本充也
RG骨材GEOさらなる検証
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。