2023/10/02
「尊敬するジョルジオ・フェラーリ博士と過ごした1週間」(週刊生コン 2023/10/02)
先週1週間を総括する「週刊生コン」今回はイタリア・ミラノから来日していたコンクリート混和剤分野のイノベーター、ジョルジオ・フェラーリ博士と過ごした1週間についてご紹介。
ジョルジオさんと過ごした1週間
僕たちの目的は金儲けじゃない
コンクリート化学混和剤大手MAPEIの上級研究員でいらっしゃるジョルジオ・フェラーリさん(右)が先週1週間日本に滞在していた。共に開発したre-con zero evo(残コン造粒)の売れ行きを脅かすであろう「残コナ」を見学され、さらなるバージョンアップに関して積極的に議論が行われた。彼や僕の目的は「re-con zero evoを販売することで金儲けをする」ではない。市場と顧客に評価される(売れる)製品を送り出すことで対価として利益を得て更なる再投資を行うこと。利益は目的ではなく手段であり結果だ。
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「残コナ」製造の最適化
そんな「残コナ」製造プロセスの最適化は進んでいる。ジョルジオさんも実際に白石建設で製造されている「残コナ」プロセスを見学され、OutPutである「残コナ」のサンプルをイタリアに持ち帰り分析が行われる。
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生まれ変わったre-con zero evoは「コンクリート舗装」へ
自身が開発した造粒材「re-con zero evo」で製造され施工される「オワコン」を実際にご覧になるのはジョルジオさんにとっては初めての経験。まさか、「残コンリサイクル」が「コンクリート舗装の原材料」として生まれ変わるなどきっと想像だにしなかったことだろう。やはり答えは現場にある。
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スラッジケーキができるまで
また、残コンソリューションを語る上で基本中の基本ともいうべき生コンスラッジが製造する過程も岡山の白石建設でじっくり見学することができた。
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スラグブルーの白色化を体験
左手がスラグブルー(高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの色)と、数分経過して酸化することで白色を呈した右手同じくコンクリート片。なんとジョルジオさん帰国の土曜日に行われていたはつり作業でその生々しい体験をすることになった。
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次は、何やら宮本のやつ、イタリア出張を企ててるらしいから、そん時もよろしく頼んだぜ。
次は1月宮本さんがイタリア訪問
今回「コンクリート舗装の原材料としてのre-con zero evo」並びに、「残コン由来の微粉末残コナ」を主題に日本を訪れ、そのInnovationを実感されたフェラーリ博士(ジョルジオさん)。次回はイタリア・ミラノのMAPE HQでは宮本さんがお伺いをしMAPEIの組織全体として本テーマを深耕していくためのディスカッションが予定されている。
「コンクリートをもっと身近に」
いよいよ10月最初の1週間が始まりました。今日から立て続けに「オコシコン」「オワコン」の大規模案件が続くようです。今回ご紹介した生コンキャンプ(舞台裏の技術開発)が土台となって新たなプロダクトがガンガン生み出され、そしてそのことで「コンクリートからハッピー」が広がる毎日はとってもエキサイティングです。さあ、今週も張り切って爆走しよう!
オワッコーン‼︎
今週も、新たな開発案件が目白押しですし、目まぐるしくも目の離せない1週間が始まりましたー。。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。