長岡生コンクリート
創発により紡ぎ出される
コンクリートソリューション

2023/05/30

「生コン1m3あたり50kgものCO2を固定・利用している粒状化再生骨材」

「生コン1m3あたり50kgものCO2を固定・利用している粒状化再生骨材」

RRCS(代表理事・野口貴文)らが中心となってJIS化が推進されている残コン粒状化再生骨材(リサイクル分科会リーダー・小山明男明治大学教授)に、こちらも残コン由来の上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)を散布(プレウェッティング)することで大気中のCO2を固定し、生成された炭酸カルシウムで細孔・表面をコーティングする取り組みの炭素量分析の結果が出た。



炭カルコーティングとは?

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関連記事:「原料は空気(CO2)で作る再生骨材のコーティングと安定化! 炭カルコートでカーボンネガティブ実現」

 残コン女の子

今日は宮本さんらが加盟するRRCS(野口貴文代表理事)指導のもと取り組んでいる残コン粒状化再生骨材の上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)散水・乾湿繰り返し養生における炭酸カルシウム生成量(炭素固定量)の速報をお知らせしますー。
炭カルコートとはつまり、飽和水酸化カルシウム溶液(Ca(OH)2)で粒状化再生骨材を散水養生(乾湿繰り返し)することで大気中の二酸化炭素(CO2)を利用し、炭酸カルシウム(CaCO3)を骨材細孔や表面に結晶化させようとする取り組みです。

1m3あたり凡そ50kg程度(当社調べ)

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造粒直後に採取したサンプル(①)と、その後上澄水散水養生にかけたサンプル(②)を同じく材齢19日で成分分析にかけたところ炭素量に明らかな違いが見てとれた。

思惑通りで笑えるぜっ。なんの苦労もなくこれだけ炭素が増えてんだからな。ちなみに、炭素量をCO2換算すると凡そ1トンあたり27kg(2.8%)のCO2を利用してる計算になるんだ。
ざっくり1m3に利用する骨材(粒状化再生骨材)を 2トンとすれば、1m3あたり50kgものCO2を利用している計算になるぜ。
もっといっちまえば、微粒分を砂ではなく「混和材」として使うようにすれば、さらなるCO2利用が進むな。
SDGsおじさん垂涎の的「カーボンネガティブ」ももうすぐそこだぜ。

 残コン姐さん

吸水率の改善も期待できる(はず)

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https://www.uchinome.jp/iwatecave/syounyuu10_3.html

 残コン女の子

期待される効果は何も炭酸カルシウム生成によるCO2固定だけではありません。例えば、炭酸カルシウムということでは身近なところではエフロや鍾乳石などがあります。
ご存知粒状化再生骨材の表面はモルタルペーストが皮膜された状態となっていてポロシティも高く吸水率も高めです。大理石(炭酸カルシウム)の吸水率がその他の石材に比べて仮に高いとしても、モルタルペーストよりは低いのではないか、という仮説の検証を現在進めているところですー。

省スペースで塩田のように

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参考記事:昔ながらの手作り。広大な塩田が広がるインド(美しきインドの日常)

そもそもこの発想、宮本が塩田を参考にして閃いたものなんだ。とある大学教授に「上澄水で散水すればクールダウン」みたいなヨタばなしをしてた時にはたと、「プレウェッティングのように骨材に散水すれば工場内で管理できるからアルカリの問題もないじゃん」てことで思いついたんだな。つまり、上澄水を塩田の理屈で撒いて乾いて析出した粉をかき集めれば炭カルじゃん的なな。
塩を作るときの塩田のような広いスペースなんか生コン工場にもNIPPONにもねえから、膨大な表面積を持つ骨材の粒度分布が省スペースに有効ってわけさ。

 残コン姐さん

詳しくは6月2日RRCS残コンst視察・見学会

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懇親会場となる滞在型ラボラトリkrシリーズに新たに登場Ponds(露天風呂)は6月 2日にお披露目予定。希望者には入浴もお楽しみいただける。

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夜間ライトアップされたPonds。

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6月 2日懇親会場スペース拡大のために急拵えで整備されたLUMBERのバックガレージ。1F Quarry(オープンオフィス)を合わせればゆうに50名は収容可能。(先ほどRRCs藤井事務総長から「50人くらいだけど本当に大丈夫か?」と心配の電話があったばかり)。

残コンさん、残コン姐さん。この度は粒状化再生骨材を上澄水で散水養生するだけでなんとトンあたり27kgもCO2を固定するという説明をしていただき誠にありがとうございますっ。これら詳細はすべてお世話になっているRRCSのリサイクル分科会(明治大学・小山明男教授)に6.2ご報告予定さ。だって、RRCSのおかげで粒状化再生骨材も残コンもどんどん認知を増やしているからね。会員としては少しでもご恩返しをしたいから、ついつい張り切っちゃうんだっ。「コンクリじゃない」ということを理由に、白石建設武南さんからの本技術萌芽期の提案をCPコンソで話題にすらしてもらえなかった安藤間の白岩さんも駆けつけてくれるし、みんなであれこれ議論するのが楽しみだよねっ。
それにしても、すごいよね。僕たちって実は全然脱炭素とか考えてないんだけど、「おもろいからやってみよう」ってだけでやってみたら、みんなが模索している脱炭素をなんの努力もなく(ただ水をぶっかけただけ)達成しちゃうんだからさっ。イケメンは努力しなくてもモテる、みたいなもんかな、てへ。
「コンクリートをもっと身近に」
というわけで、ガンガンこの価値(RRCSやラストワンマイルで頑張る僕たち)を発信・伝えていきたいと思います。「知られていないことは存在していないのと同じこと」どんな素晴らしい技術だって見出されなければ意味がないからね。
オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

次回のblgでは吸水率の変化や機械的特性についてもどんどんお知らせしていきたいと思いますー。生コン工場の残渣で不足に悩んでいる骨材が手に入れられるのであればみなさんきっと喜ぶはずですー。
残コン‼︎ オワッコーン‼︎

 残コン姐さん



作者・宮本充也

残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。

Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。

After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士