2023/12/31
「2023年残コンソリューション(残コンst、CCU製造)書き納め」
2023年も本日で最終日。「残コン」という観点から2023年を振り返ると時代が求める資源循環や脱炭素は「水の次に流通する材料」コンクリートの副産物こそ(しか)達成し得ないテーマであることが明らかとなる。
残コンstがつくる資源循環と脱炭素
時代がコンクリート産業に求めている「資源循環」「脱炭素」は副産物「残コン」の高度利用が鍵であることが明らかになった1年でしたー。。
業界と残コンステーション
2023年の特徴はこれまで生コン工場有志らで個別に展開されてきた残コンステーションに関して生コン組合という業界団体との連携が生まれたこと。公的な格がその循環を付託するモデルであれば公共工事などでの残コン由来の原材料の実装は進みやすい。
関連記事:「行政・生コン組合・規格のタッグが次代のコンクリート(AAMs・ジオポリマー他)実装の絶対条件」(月刊残コン Vol.69)
RRCS(明治大学小山明男先生)らによる残コンst交流会
そんな業界団体による残コンst運用のあり方はRRCSらをはじめ各地の生コン関係者(生コン工場、ゼネコン、大学)らの耳目を集め2023年は残コンstに関する各種交流会も多かった。こうしたあり方は国プロによる脱炭素技術開発にも役立てられた。
関連記事:「RRCSと共に創ろうホワイトカーボン社会」(残コンst視察交流会・後編)
成功を羨む「ちんころ」撃破
「オワコン」製造や残コン改質に用いられていた製品re-con zero evoの一部に数年前劇物指定を受けていた成分が含まれていることが発覚。監督官庁も当社も知らなかったこの事実を悪意の利害関係人(残コンソリューション製造者)が監督官庁に告発。「これで生コンポータル(残コンソリューション)をやっつけられる」と思ったのか、めでたいトンマはこの報道後ちんどん屋よろしくこの新聞報道を喧伝していた(ネガキャンのつもりだろうか)が結果的には「残コン改質には造粒材(セルドロンやre-con zero evoなど)は使わなくてもいい、ということが発明されるという、非常にちんころさんにはお粗末な結果となった。ばーかばーか。
関連記事:「建設通信新聞さんが1ヶ月遅れで報道された内容【Y弾・re-con zero evo】安全性のご説明」(月刊残コン Vol.71)
残コンの微粒分(残コナ)で残コン改質
残コン造粒材のメーカーとしては「よおし、これで長岡生コンの造粒材(セルドロンやre-con zero evo)を叩けたので自分の造粒材が売れるようになるぞっ」とでも思っていたのだろうか。なんと白石建設らの実験の果てに残コン改質は残コナ(残コン由来の微粒分)でもできる、ということが発覚(発明)し、「残コンを造粒材でリサイクルする」という商品コンセプトそのものが破壊された。ちんころちんどん屋は自身のトンマを世間に晒すという結果となった。
関連記事:「残コンから骨材・造粒材・混和材が製造できます」(月刊残コン Vol.72)
残コンはCCUとして再定義された
なお、2023年は「残コン」に豊富に含まれる水酸化カルシウムが気中CO2をたっぷり吸い込み炭酸カルシウムに変化するCarbon Capture Utilization(CCU)として再定義された1年となった。炭素量分析により大量のCO2(100kg/t程度)を固定する成果も確認され今後は骨材や微粉末としてコンクリートに大量に実装されることが見込まれている。
関連記事:【世界初】「残コン100%の生コンが国土交通省の現場に実装されました」他(月刊残コン Vol.73)
残コンは資源循環/脱炭素のソリューション
残コン全骨材(2000)に含まれるCO2は炭素量分析の結果から47.3kgと推計されている。この値は細骨材においてより顕著であると考えられる。現行は「捨てればゴミ」として処理されている残コンが脱炭素時代の「砂金」に変化する大逆転劇が2023年には確認された。
関連記事:「残コンで汚水も残業も廃棄物もカットして資源循環CCUでSDGsな生コンまで作れちゃう」(月刊残コン Vol.76)
残コンの出口は非JISコンクリートにあり
未来の時代の要請は資源循環/脱炭素にあるとして、既往の規格・基準類はそうした先進事例を容易に強要しにくい現実が立ちはだかる中で、残コンから「資源循環」「脱炭素」を達成していく上では非JISコンクリート(オワコン、オコシコン、イワモル、2×3コン)の市場開拓が鍵であることがわかったことも2023年の成果だ。
関連記事:「既往の規格・基準に変化を求めず残コン処理やCCUへの加工さらに非JISコンクリート製造までの運用一切をシステムとして構築する」(月刊残コン Vol.77)
2024年は残コンst・CCU流通網の構築!
「コンクリートをもっと身近に」
特に年末にかけてはさすがの宮本さんもかなりしんどかったけどなんとか無事大晦日を迎えることができました。来年はせっかく生み出された2023年の成果を土台としてきちんとした流通網を展開し世界が求めるコンクリートをお届けできるようにしていきたいと思いますっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。