2024/04/16
質量20%CO2固定CCUは残コン由来の微粉末を炭酸水で養生することで得られました
地味に行っていた炭酸水(ウィルキンソン)にスラッジ微粉末(残コナ)を溶かし込んで養生したらどうなるだろうの実験では驚くべき結果が示された。残コンCCUはCO2固定量20%超時代に突入?! こりゃ、いよいよ残コンの奪い合いが始まりますね。
CO2固定量20%のCCU混和材の作り方
猫も杓子も脱炭素時代に、廃棄物であり生コン屋さんの厄介者残コンやスラッジケーキが大量のCO2固定媒体になることが期待される大事件ですー。。
「残コナ」炭素量分析結果
残コナ炭酸5%とは、炭酸水に対して残コナ(スラッジ固形分微粉末)を5%溶かし込んで1日養生したものをタオルで漉してから乾燥機に1日置いたもの。10%は10%溶かし込んで同様に処理したもの。
最大で180〜190kg/tのCO2固定
5%のスラッジは、二酸化炭素量に換算して清水から約57.3kg/トン 増加しています
10%のスラッジは、二酸化炭素に換算して清水から約29.7kg/トン 増加しています
厳密には乾燥炉内での二酸化炭素固定も含みます
少なくとも5%と10%の差である
27.7kg/トンは
炭酸水の効果として期待出来ます
清水つまり、通常のスラッジ水の環境において乾燥曝気させた残コナのCO2固定量はおよそ130kg/tであることから最大で180〜190kg/tのCO2を固定していることがわかる。
ウィルキンソンでやってみました
実験は残コナに市販の炭酸水(ウィルキンソン)で実行した。
このまま1日養生して翌日タオルで漉して(圧搾)乾燥機で乾かしたもの(スラッジ微粉末)で炭素量測定を行った。
さらに集塵機が吸入する空気を排ガスに?
こちら、「残コナ」排出状況。なお、白石建設武南さんから共有されたアイディアは集塵機で補修する際に吸入する空気を排気ガス(CO2濃度10%程度)とすれば未反応水酸化カルシウムに効果的に二酸化炭素を反応させることができるのではないか、という仮説は今後パートナーらと共に検証に移されることになる。
質量20%(200kg/tCO2)CCU混和材時代突入
今週4月18日には三島駅北口に新設中の西沢立衛建築事務所が手がける加和太建設本社新築工事外構舗装に実装が予定されているコンクリートには130kg/tのCO2が固定されたCCU混和材(固定CO2量13%)を配合が決まっている。 仮に、上述技術を応用することによって固定CO2量20%超の CCU混和材の流通が始まる兆しと読める。当該案件では300m3のCCU実装コンクリートが打設予定となっているが、20%で換算すると外構舗装全体で60tものCO2を吸収固定する膨大な量の脱炭素が実現する計算となる。伊豆半島の玄関口【三島駅】北口の新ランドマーク【加和太建設】HQに資源循環・脱炭素コンクリート実装決定
供用中のDACsを考慮せずCNコンクリート完成
(※エアセパレーターとは集塵機のこと)なお、すでに結合材SCMs(高炉スラグ微粉末)100%置換は達成しているため、セメントが排出するCO2はカットできているため、残コン粒状化再生骨材に期待されるCO2固定と、残コナに期待できる20k%CO2固定を考え合わせれば供用中のDACs(中性化)を考慮せずともカーボンネガティブコンクリートは理論上完成したとすることができる。
「コンクリートをもっと身近に」
ところで、こうした取り組みは加和太建設本社社屋外構舗装に資源循環・脱炭素コンクリートとして実装されるわけだけど、CPコンクリートコンソーシアムの主幹事会社としては「CPコンクリートではない」と明言されておられるようなので、国費の補助を受けて研究されている安藤間さんはきっと20%なんか目じゃない残コンCCUを開発されるんだろうねっ。多分、50%とかかな? 知らんけどっ。
(※注釈:一連の表現は現場で元請けから得た情報をもとにした宮本さん自身の意見でありGI基金関係者らから得た情報などでは断じてありません)
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。