2023/12/26
「2×3コン」も「ヌテコン」もいずれも残コン由来の骨材で高炉スラグ微粉末を結合材にしてるのに異なる強度発現
長年の友好姉妹工場関係にある岡山県の白石建設(生コン製造)ではこのところ「2×3コン」の勢いが止まらない。残コンや高炉スラグ微粉末などをふんだんに用いた環境にもお財布にも優しいコンクリートには生コンポータル生まれの「ヌテコン」も数えられる。果たして両者の違いはなんなのか?
「2×3コン」(白石) vs 「ヌテコン」(長岡)
2×3コンでバズ中白石建設訪問
お馴染み、白石建設(生コンポータルの姉妹工場)を年末のご挨拶も兼ねて訪問。
2×3コンとは??
4割はBFS(高炉スラグ微粉末)6割は高炉セメントB種つまり2×3で結合材が配合され回収骨材(残コン由来)とし練り水も新鮮な高濃度スラッジ水、9割は副産物(捨てれば廃棄物)を利用した奇跡のコンクリートが2×3コン、だから安い!
姉妹製品「ヌテコン」の問題点
こちら、ICC(生コンポータル運営参画)で製造・出荷されている「ヌテコン」は2×3コン同様徹底的に骨材と結合材を副産物に置き換えている。名前の由来は「突き抜けた捨てコン」(「ス」が突き抜けて「ヌ」となった)。
白石の2×3コンに併せて結合材を2×3にしたタイプの「ヌテコン」の問題点は「なぜか強度が同等まで出ない」。
犯人は誰?(BFS、BB、造粒骨材)TB
JIC森先生により提案されたTB計画書。白石と長岡(生コンポータル)の違いはBFS(高炉スラグ微粉末の産地)、BB(高炉セメントの産地)、回収骨材(白石は回収骨材で長岡は粒状骨材)となっているため、この組み合わせで試験練りを行うことで犯人(強度発現を抑制している要素)を特定することができる。
多分RG細骨材が犯人
なお、宮本さんの立てた仮説では犯人はRG細骨材(残コンを粒状化させて分級した細骨材)。というのも、現行のRG細骨材は微粉末が取り除かれていない(集塵機で補修することで混和材他の用途を検討)ため、いわば「スラッジ固形分が豊富に含まれている状態」とすることができるため。
R&D「生コンキャンプ」に合流しよう!
生コンキャンプでできること
残コンst(CCU製造)や非JISコンクリート(「オワコン」「おこしコン」「イワモル」「まさ固」)の製造・出荷の実際をご覧いただけます。その場で互いにアイディアを交流し新しい業態や製品の開発が行われています。
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「コンクリートをもっと身近に」
本ブログはコンクリートの専門家ではない一般の方々を完全無視したいわば舞台裏の内容だけどこうしてガラス張りにしておくことそのものが大切だと宮本さんはこのように思っているわけです。パタゴニアのパクリって感じだねっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。