2023/07/28
「炭酸カルシウム粉体の製造方法」(230-7044) 出願番号:特願2023-122422 出願日:令和5年7月27日
コンクリート骨材の表面に、水酸化カルシウム溶液を散水する、散水工程と、
前記コンクリート骨材を乾燥養生して前記コンクリート骨材の表面に炭酸カルシウム結晶を析出させる、養生工程と、
前記コンクリート骨材から前記炭酸カルシウム結晶を分離して、炭酸カルシウム粉体として回収する、分離回収工程と、を備えることを特徴とする、 炭酸カルシウム粉体の製造方法。
【特許出願中】炭酸カルシウム粉体の製造方法
請求項1(基本)
コンクリート骨材の表面に、水酸化カルシウム溶液を散水する、散水工程と、
前記コンクリート骨材を乾燥養生して前記コンクリート骨材の表面に炭酸カルシウム結晶を析出させる、養生工程と、
前記コンクリート骨材から前記炭酸カルシウム結晶を分離して、炭酸カルシウム粉体として回収する、分離回収工程と、を備えることを特徴とする、 炭酸カルシウム粉体の製造方法。
本特許は、これまで当社らで強調してきた「気中CO2を用いて炭酸カルシウムを析出させることによる粒状化骨材の品質改善」ではなく、「析出させたことで得られる炭酸カルシウム(CCUS)」に力点を置いたもの。
請求項2(スラッジ)
前記水酸化カルシウム溶液が、コンクリート製造設備を洗浄して排出されるスラッジ水の上澄水であることを特徴とする、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粉体の製造方法。
生コン工場にすでにあるもの(スラッジ水や製造設備など)で完結することを特徴としている。わざわざ遠くのCO2を燃料使ってどこかへ持って行って、ということではない。
請求項3(再生骨材)
前記コンクリート骨材が、残コンクリート由来の粒状化再生骨材であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の炭酸カルシウム粉体の製造方法。
こちらも、残コンst/ロスコンstなどで既に実装されている既往のプロセスを有効利用することを示唆している。
関連記事:薬剤を用いない粒状化再生骨材の生産プロセス(残コンステーション/ロスコンステーション)
請求項4(オワコン)
前記散水工程より前に、残コンクリートに粒状化混和剤を混和し、攪拌して粒状化再生骨材を生成する、粒状化工程と、を備え、
前記粒状化混和剤が、吸水性ポリマーと、急結促進剤と、を含むことを特徴とする、
請求項3に記載の炭酸カルシウム粉体の製造方法。
吸水性ポリマーや急結促進剤はre-con zero evoを示唆している。あくまで補助剤として用いられるものであり請求項4とした。
請求項5(高CO2環境)
前記養生工程において、前記コンクリート骨材を大気中よりCO2濃度が高い環境で養生することを特徴とする、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粉体の製造方法。
各地で稼働している製鉄所や発電所など高濃度CO2や熱エネルギーが発生する場所での本プロセスの適用を示唆したもの。より効率的に炭酸カルシウム粉末を得ることができる。
関連記事:「製鉄所のある街で生コン工場がハブとなり果たされるCO2地産地消と資源循環」
進む残コンstオートメーション化
現在の残コンstは全て作業者が重機や車両、設備を稼働させることによって残コンから粒状化骨材や炭酸カルシウムを得ている。
薬剤を用いない残コンst
コンクリートの打設後現場から戻ってきた、一般的にはゴミとして廃棄される、残コン、残水、汚水、汚泥などを、薬剤(re-con zero evoやセルドロンなど)を使うことなく工場内で再構築する手順を解説しています。
○ コンクリートの最新技術を見てみたい人
○ 大阪万博が気になってる人
○ 専門家
00:00 生コン工場内における処理
04:35 残コンステーション/ロスコンステーションの特徴
06:09 分級ヤードにおける処理
08:17 粒状化骨材を製造中に、上澄水を散水することで二酸化炭素を固定化する手法について
現在、本発明・アイディアを基本に残コンやスラッジ水の上澄水から粒状化骨材のみならず、炭酸カルシウム粉末を得るための全自動機械装置の開発が進められている。また、そうした炭酸カルシウム粉末はコンクリート混和材のみならず多様な出口(用途)が期待されている。
特許の救済規定とは?
特許法等では、所定の期間内に特許庁に対して手続をすることができなかった場合でも、一定の要件を満たせば、その期間が過ぎた後でも、権利等の回復が認められるという救済規定があります。 この救済規定に係る回復要件が、令和5年(2023年)4月1日から緩和されます
(引用URL)
ブログや動画で散々発信してしまっていた(公知)事実についてはその内容をきちんと報告することで救済を受けられる制度。
山口先生、マジでいつも刺激もらってます。いつも商標ばかりでやりがいを感じてもらえなかったかもだけど、こうして特許でご一緒できて僕もとっても嬉しかったです。引き続きよろしくお願いします!
オワッコーン‼︎
商標もそうですが、一緒にお仕事する方々が気持ちよく不安なく共同するために、特許は必要なんですね。残コンで社会貢献されたい方々はぜひお気軽にお声がけくださいー。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。