2024/11/22
シラス一筋36年! 火山ガラス微粉末のJIS化で話題の袖山さん(鹿児島県工業技術センター)訪問
JOIS(Japan Out-Industrial Standard)の有志らで企画された火山ガラス微粉末製造・設備見学会は東京大学野口貴文先生のお導きにより鹿児島県工業技術センター袖山研一さんのお出迎えにより実現いたしました。火山列島におけるシラスコンクリートの規格外分野(ポーラスコンクリートやCLSM)での普及拡大を狙う。
JOISとシラス(火山ガラス微粉末)の出会い
本日は鹿児島県工業技術センターの袖山さん(シラスコンクリートの研究者)を訪問したのでそのご紹介でっす。ポゾラン反応という性質上残コンとのコラボレーションが期待されますー。。
JIS化で話題の火山ガラス微粉末製造設備見学
鹿児島県工業技術センターのメイン展示にはこのほどJIS取得で話題となっているシラスコンクリートがデカデカと紹介されている。鹿児島県の技術のエースといっても過言ではないだろう。
ナビゲーターは「シラス一筋36年」袖山さん
シラス一筋36年袖山さんによれば「こんなに長期間一つの研究に携われることは幸せ」とシラスに捧げた人生を語っていただけた。スニーカーにシラスで白くなった足元は現場を大切にする本物の研究者の証。
JOIS(Japan Out-Industrial Standard)の紹介
ご当地木田組生コン(写真は本宮さん)などJOIS関係者らで鹿児島県工業技術センターの袖山さんを訪問。「オワコン」「オコシコン」「イワモル」やCNコンクリートなど、規格外コンクリートの市場をコンクリート実務者らが力を合わせて切り開くことで自ら活路を見出そうとする真面目な(?)集合体であることをご説明しました。
製造設備見学
シラス原鉱は各種サイズに破砕、分級され火山ガラス微粉末(混和材料、ポゾラン反応)が得られる。それ以外の等級も各種用途に用いられているという。
主な適用対象はプレキャスト(二次製品)
ここ1〜2年でJISマークが付されるまではやはり主な適用対象プレキャストコンクリートとなっていた。 JOIS(Japan Out-Industrial Standard)と連携するからにはコンクリートの大半とされる生コンクリート(レディーミクストコンクリート)、特に大きな潜在需要が見込めるコンクリート舗装など規格外コンクリート(生コン)の市場を拓いていきたいという結論を見た。
「シラス」JOISと全国の生コンへ!
展示場の前で「残コンさんいらっしゃい!」記念撮影。 36年シラス一筋で研究されている袖山さんによればシラス(と同等の火山由来の原材料)は日本列島どこでも手に入り、つまり袖山さんの生んだこの技術は全国(または世界)で再現可能だそうだ。また、ポゾラン反応という観点からすれば残コン(スラッジ)との相性は抜群。 連携を通して全国でシラスコンクリートの規格化に向けて連携をしていきたい。
全国生コンネットワーク
「オワコン」「オコシコン」「オワモル」やCNコンクリートなど規格外コンクリートはJOISで交流する生コン工場のネットワーク(生コンビニ)が全国供給している。火山列島の我が国でシラスコンクリートを汎用化するのは袖山さんとJOISの連携の先にあるはずだ。
「コンクリートをもっと身近に」
同行した皆さんもそれぞれにそれぞれの視点で36年シラスと向き合った袖山さんの姿勢に色々なことを感じたようです。 こうした研究はきちんと実装という形で生コンクリートとして広げていきたいですね。「伝える」情報発信も頑張りますっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。