長岡生コンクリート
創発により紡ぎ出される
コンクリートソリューション

2023/05/01

「今注目の粒状化再生骨材も結局生コン組合が取り組んでナンボ」(週刊生コン 2023/05/01)

「今注目の粒状化再生骨材も結局生コン組合が取り組んでナンボ」(週刊生コン 2023/05/01)

先週も数多く生まれたアイディアやイノベーション。それら全ては所詮コンクリート産業の秩序を規定する生コン組合が取り組まないことには世界の景色を変えることはない。週刊生コン「今注目の粒状化再生骨材も結局生コン組合が取り組んでナンボ」



RRCSが目指す粒状化再生骨材のJIS化

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関連記事:「資源循環ビジネスモデルに資する粒状化再生骨材に関するJIS開発」RRCS

 残コン女の子

週刊生コンでは先週1週間のコンクリート産業の動きを振り返ります。なんといっても本格的にRRCSリサイクル分科会(リーダー・明治大学小山明男先生)が中心となって推進されている粒状化再生骨材JIS化の動きは多方面の注目を集めていますー。

粒状化再生骨材の性能向上と中性化

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関連記事:「上澄水を用いて散水養生した粒状化再生骨材(RG骨材)の炭酸カルシウム析出(二酸化炭素固定)量測定と骨材の機械的性質の変化」#2

そんな大注目の粒状化再生骨材(残コンstで残コンが処理されることで製造)だが、さまざまな改善が各地で展開されているんだ。その一つが、これだな。
上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)で散水養生し乾湿繰り返しをアイドリング中の排ガスの熱を利用して効率的に行うことで、粒状化再生骨材中の細孔を二酸化炭素が取り込まれることで析出する炭酸カルシウムで充填しようって取り組みだ。ちなみに、以前CPコンソのお仲間の間では白石建設の武南さんからの提案を安藤間の白岩さんが「コンクリートじゃない」という理由で取り上げることすらしなかったエピソードもあるぜ。
だが、細孔空隙が炭酸カルシウムで充填されれば強度や吸水率には多少の変化が期待できるはずだ。また、析出した炭酸カルシウム分は「脱炭素」「CCUS(Carbon Capture Utilization Storage)」を謳うことだってできるんじゃねーか?

 残コン姐さん

粒状化再生骨材で作ったジオポリ

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関連記事:「生コンプラントで初めて製造されたジオポリマー・AAMsはまさに【ホワイトカーボン】白色を呈していた」

 残コン女の子

そんな大注目の粒状化再生骨材で100%置換したジオポリマー・AAMsがなんと社会実装されました。セメントを用いず、結合材を100%SCMs(高炉スラグ微粉末・Supplimentary Cementious  Materials)に置き換えた生コンです。もちろん、練り水は上澄水を採用しています。
ジオポリ・AAMsのようなJISで規定されていない新進のコンクリートなら粒状化再生骨材も比較的採用に当たってのハードルは低いですね。

ジオポリ/オワコン/ガビオンという挑戦

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関連記事:【静岡】「ジオポリマー(セメント0kg)をオワコン(造粒ポーラス構造)にした上でガビオン(意匠)に適応」

そんなジオポリを「もう1回」粒状化させて「オワコン」にしたものをガビオン籠の中に放り込んで植栽ブロック(花壇)にしたぜ。ここからさらに上澄水で散水なんぞしたらさらに炭酸カルシウムが析出されて脱炭素だぜ。蒸散する時にコンクリ温度が下がるから、環境温度も下がるかもだな。
無論、アルカリってこともあるので、その排水経路(循環、トレーサビリティ)についてはじっくりと検証する必要があるな。さらに、配管に炭酸カルシウムが析出して閉塞ってことも考えられる。

 残コン姐さん

結局生コン組合が主役

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関連記事:「パリ協定の源流ともいうべき京都議定書の街でやりたい残コン粒状化再生骨材AAMs(ジオポリマー)」

残コンさん、残コン姐さん。週刊生コンによる先週の振り返りご苦労様ですっ。そんな大注目を集めている粒状化再生骨材だけど、結局「生コン組合が取り組んでなんぼ」ってのが僕の見解なんだ。というのも、数ある規格は生コン組合など業界秩序がきちんと取り組んでこそ形になるからね。立派な理論や性能があったとしても、生コン工場が製造しないことには世界の景色は変化しないから。例えば、40年もの歴史ある再生骨材コンクリートや高流動コンクリートなんかがいい例だよね。
そんな停滞を打破するためにも、「生コン組合の困った」残コンを鍵に粒状化再生骨材を用いた生コンを生コン組合の事業として推進することでブレイクスルーが訪れるはずさ。
いやー、先週は来客・出張まみれでまあまあハードだったから、GWの今週は少し地元でゆっくりさせてもらおうと思っているよ。Lumberでは今日から新メニューホットドッグ&チリドッグが登場したっていうんだから、楽しみだね。kr/LUMBERが人々の交流の要衝になってこれからますます多くの取り組みが生まれそうで宮本さん興奮気味ですっ。
オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

ぉ、おわ?
高性能・高機能など耳目を集めるコンクリートは数多ありますが、生コン工場で普通に出荷されるようになるのはそのうちの0.01%にも満たないのも現実です。今も、製造現場では24−8−20(N)や21-12-25(BB)が主流ですー。。業界秩序を規定する生コン組合が率先して子そ新しい時代のコンクリート産業が生まれるんですね。
残コン‼︎ オワッコーン‼︎

 残コン姐さん



作者・宮本充也

残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。

Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。

After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士