2023/07/16
【埼玉】「イワモルもう海を渡る?! シブヤのゼロエミは36ヶ月継続中!!」渋谷建材・細田暁研究室
埼玉県川越市の渋谷建材ではここ36ヶ月ゼロエミッションを継続している。その秘密はハイブリッド型残コンstで限られた敷地の中で効率よく粒状化・再生骨材を製造しているから。細田暁教授によって海を超えて紹介される「イワモル」製造・施工見学会。
イワモル製造見学会
36ヶ月ゼロエミッション!渋谷建材ご紹介
渋谷建材大曽根勇太工場長からはイワモルなど同社のリサイクル製品に関する説明が行われた。
見学会参加者は右から横浜国立大学細田暁先生、同・船山さん(イワモルの研究担当)、ヤン君。熱心に渋谷建材の積極的な操業スタイルに耳を傾ける。
ハイブリッド型残コンst
構内には屋根付き残コンstが設置されている。なお、同社には残コンstに併設してフィルタープレスやクラッシャーなどが配置されている残コンstと既往の処理方法とのハイブリッド形式。
フィルタープレス
残コンstに併設されているフィルタープレスではスラッジ水からケーキを搾っている。
硬化する手前のまだフレッシュな状態で残コンstにかけることで当日の残コンとブレンドする。
オーバー材はクラッシャーに
手前側にゴロゴロと転がっているのが残コンstで処理された粒状化骨材を40mmでふるった後に残ったオーバー材。
オーバー材はクラッシャー設備で破砕され40mm以下の再生骨材となる。
粒状化・再生骨材のあいのこ
ハイブリッド型残コンstでは薬剤を完全に用いない・敷地を必要としないを達成するためにクラッシャーやフィルタープレスが併設されているため、得られる細骨材・粗骨材には純粋な粒状化骨材のみならず、再生骨材(いわゆる、L/M/H品)も含まれたハイブリッド材料となる。
イワモル製造
イワモルの製造はバッチャープラントを用いずトンパックでも可能。
空袋(くうたい)の様子。フレコンパックの底部にカッターで切り込みを入れることで骨材投入。
イワモル打設
渋谷建材では上記フローで、建設現場から持ち戻された生コンクリート、いわゆる「残コン」は100%再生され、製品「イワモル」として新たに建設現場に循環させている。資源循環のハブとしての機能を果たしている。
課題はマーケティング「イワモル」
なんともタイミングのいいことにイワモル見学会当日に特許庁から「イワモル」が商標登録されたことを証明する連絡が届いた。
「コンクリートをもっと身近に」
一見とっても絶好調のように見えるけど、イワモルにはまだ課題が残されてるんだ。インターネットを活用してバズった「オワコン」のようにすぐにバズるように思われるかもしれないけど、話はそう簡単ってわけでもないんだよねっ。その点については次のblgでの考察に委ねたいと思います。みんなで知恵絞って実行に移して、「オワコン」同様「イワモル」も世間の当たり前にしていきたいよねっ。
オワッコーン‼︎
こちら、完全クローズドループの日本の生コン工場のあり方は細田暁教授により海を超えてベトナムでもご紹介される予定でっす。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。