2023/12/28
人口減少や超高齢化にあって新しい施設管理 「残コン」と里道や残地の「防草」「排水」をつなげる実験が始まってます #4
シリーズ最終章は「オワコン」と3Dプリンティングや災害時の緊急復旧材料として、完全副産物による資源循環などの可能性について活発な議論が行われたご紹介。
オワコンで3DPや復旧物資や資源循環を達成
現場での立ち話ディスカッションではコンクリートの全く新しい可能性が示唆される素晴らしい場所となりましたー。。
インフラの果たしてきた役割について(細田暁先生の講義)
なんと細田先生は対面で予定されていた大学での講義をリモートに切り替えてまで熊本県玉名市の現場立会を優先してくれたおかげで玉名市職員や宮本さんもラッキーなことに受講することができた。宮本さんが一番印象に残ったエピソードは古代インフラ史におけるユリウス・カエサルのマインド。「壁は人々を守りもするし束縛もする。古代ヨーロッパにあって敢えて壁を壊すという決断をすることで交流を促し経済を広げていく」という件りは縦割りの弊害が指摘される現代においてもなお大切なあり方。
「オワコン」の実装実験の様子
生コンドラムの中で加工され出来上がった「オワコン」がシュートから転がり落ちてくる様子。バケットで移送されて法面を舗装(被覆)する。
器用に法面に敷設され締め固められる「オワコン」は全て機械施工で人力作業を伴わないまま行われる。
こちらは平面部の「オワコン」施工。これらはヤンさん(Buntheb Yan)撮影によるもの。
望まれるMCとのコラボ
マシンコントロールは、マシンガイダンスの技術に油圧制御を加えたシステムです。 計画面より深く掘り進めようとすると自動で制御がかかりそれ以上掘り進めなくなるため、掘り過ぎを防止できます。(引用:大林組)
現場で細田暁先生らと議論された内容はMCと「オワコン」のコラボレーションでさながら3Dプリンティングのようにあらかじめ3D設計された形の通りに「オワコン」が無人で自由整形される未来。
「すぐ乗れる」は「災害時の緊急物資」としての検討
また、その場で議論されたのは、打設(敷設して締め固める)後にすぐに車両の乗り入れができるほどの性質が立証されている「オワコン」は来るべき南海トラフなどの大災害の際の緊急的にインフラを復旧させる上でアドバンテージを有する、ということ。
全てを副産物で! (Buntheb Yan)
クロージングではヤンさん(細田先生の門下生)のプレゼンが行われた。現在はrczなど既往の造粒材を用いているが、将来的には「残コナ」(残コン由来のパウダー)を用いて「オワコン」を製造できるようにすることも研究課題。 つまり、生コン工場は緊急物資の供給拠点のみならず資源循環の要衝として再定義する研究となる。
HAYN隊への入隊は元気なインフラ研究所から!
なお、現場で活躍するHAYN隊も参画している元気なインフラコンソーシアムでは「大学をもっと身近に」産官学が活発に楽しいものづくりができるような活動が行われている。元気なインフラコンソ規約.pdf
「コンクリートをもっと身近に」
ほんと、コンクリートは現場にいる人たちの知恵を第一としてそれをより多くの人たちに役立てるために僕たちが頑張るってのが大切なんだねっ。これからも謙虚に現場に寄り添い活動してまいりたいと思いますっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。