2024/08/16
何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート⑥ 「ベトナムの残コン現場視察」
残コンと向き合うことを決意してから24年目の宮本さんはおそらく手前味噌だが残コンについて世界でも最も詳しい人物の一人であると自負している。そんな宮本さんがホソヤンと行く! ベトナムDINGO(生コン工場)の残コン現場視察。
ベトナムの残コン事情視察
やっぱありました【フィルタープレス】
お馴染み、フィルタープレスはやっぱりベトナムの生コン工場にも設置されてありました。 以前から各国の残コンを見学して回ってきたがおよそ残コンについては先進国なるものはなく大体似たような処分方法が採用されている。
ポンプ車を保有するのが普通
ベトナムの生コン工場の特徴として生コン工場が同時に生コンポンプ車も操業しているそうだ。現在日本ではおよそ分業が確立されている。なお、ポンプのホッパーに残留する残コンを考えれば日本よりも労働環境は過酷であることが容易に想像される。
総生産量の5〜8%が残コン
なお、前段のディスカッション(何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート⑤ 「建設コンクリートグループDUFAGO訪問」)で推計5〜8%が残コンとして戻ってくるという話を伺っている。1970年台の日本のような市場環境であることから、余らせることにそれほど敏感ではないということが知れる。
回収骨材はそのまま利用
こちらはV骨材のストックに回収骨材はそのまま混ぜてしまうそうだ。 現地職員の方によればV骨材よりも回収骨材の方がよほど品質が安定しているそうだ。
少量余った残コンは大量の水を投入
大量に戻された場合はフィルタープレスで処理されるが、少量の残コンについては写真にあるように大量の水を投入されそのまま沈砂池に排出。 生コンポータル(株式会社 長岡生コンクリート)でも20年以上前はこの方法が採用されていた。
いっぱいになった残コンは掬い上げられて写真のように天日干しの後廃棄処分。 当時の長岡生コンクリートがそうであったようにそのコストは大量に生産されている生コンクリートの収益に溶けて問題視されていないという。
JOISはみんなで作るみんなのラボ&オフィス
国内外の生コンクリートの現場を共有することで新たなアイディアやメソッドが日夜生み出されている。コンクリートサロンJOISはさながらみんなで作るみんなのラボ(R&Dセンター)でありオフィス(合理的な運営方法の共有)だ。
「コンクリートをもっと身近に」
今回改めて思ったけど、生コンポータル(WEBコンテンツ)はブラウザの翻訳機能に頼るのみならず、サイト内検索でもさまざまな言語が利用できるようにしたいなって思ったんだ。だって、国や民族が違っても生コンって領域であれば困ってることも望んでることも、大体一緒だからねっ。 共有が広がるように工夫していくべきだねっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。