2024/04/24
公道で全国初施工!脱炭素コンクリートによるカーボンニュートラル促進(月刊残コン Vol.81)
三島駅前の新ランドマーク加和太建設新社屋は世界的に著名な建築家・西沢立衛氏が手がけたことで話題となったが、今度は本年5月22日(水)こちらも世界に先駆けて残コン由来のCCU混和材料を大量に配合した脱炭素コンクリートが公道に打設される予定。なお、本件は三島市や関係諸団体の協力を経て見学会として公開される。
CCUコンクリートの実機製造・現場打設
地球上で初の試み残コンCCU100kg配合コンクリート実機製造
5月22日に見学会として公開製造・打設が行われる脱炭素コンクリートにはCO2をtあたり130kg固定したCCU混和材料が採用されている。 ラボレベルや実験レベルではこれまでも同様の試みは報告されてきたが、公道(静岡県三島市)におけるまとまった数量の実装は世界初。
関連記事:【地球上初】生コンスラッジ由来のCCU【残コナ】を配合した生コンの連続・大量打設(4.1t CO2固定)が決まりました
特徴はCCUのサイロ貯蔵
これまた世界初なのは、ラボレベルでCCUを云々している現代において、一足お先に生コン工場のサイロにCCUを貯蔵しバッチャープラントで計量し生コンクリートとしている点。バラ車で大量のCCUを移送した世界初の事例ともなる。
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炭酸水養生でCO2さらに200kg/tまで固定
なお、こちらはラボレベルではあるが最大で200kg/t程度のCO2固定は実現可能であることが示されている。
関連記事:質量20%CO2固定CCUは残コン由来の微粉末を炭酸水で養生することで得られました
生コン工場で製造できる残コンCCUコンクリート
特殊骨材や混和材料を荷上げ・貯蔵できる設備を備えた生コン工場であればどこでも誰でも脱炭素コンクリートは製造可能。今後、地元生コン組合との連携も進む見通し。
関連記事:残コンスラッジ由来のCCU微粉末100kg/m3配合(砂置換)の生コン(結合材は高炉セメントB種、骨材は全量残コン粒状化再生骨材)の大型打設①
普通に打設できるCCUコンクリート
ご覧の通り、CO2をたっぷり固定化させた混和材料(CCU)を配合したコンクリートは普通のそれと遜色なく打設ができることが立証された。
関連記事:残コンスラッジ由来のCCU微粉末100kg/m3配合(砂置換)の生コン(結合材は高炉セメントB種、骨材は全量残コン粒状化再生骨材)の大型打設②
世界初!大規模ホワイトカーボンの顕現
合計で1,500m2もの面積に実装されたホワイトカーボンは世界に先駆けた試みとなった。
関連記事:西沢立衛事務所が手がける三島駅前新ランドマーク【加和太新社屋】外構に採用された脱炭素・資源循環コンクリート打設 「次回は26日金曜日!」
5月22日はいよいよ公道に! 公開打設
手前・普通コンクリート、奥・CCUコンクリートの間にある三島市役所が管理する公道に5月22日打設を予定しているが公開見学会を兼ねることになった。
関連記事:【ホワイトカーボン】「脱炭素コンクリートを見分けるなら色に注目!」実際にホワイト(白)な理由
(※注釈:一連の表現は現場で元請けから得た情報をもとにした宮本さん自身の意見でありGI基金関係者らから得た情報などでは断じてありません)
5月22日公開CCUコンクリート製造・施工見学会
加和太建設によるプレスリリース資料(案)
令和6年5月22日CCU他脱炭素コンクリート製造・施工・実装現場見学会
0900 CCUコンクリート製造現場見学(伊豆中央コンクリート)
1000 CCUコンクリート施工現場見学(加和太建設新社屋)
1200 昼休憩(移動)
1500 セメント0kgで製造されたコンクリート舗装見学(川の駅 伊豆城山)
1600 残コン粒状化骨材100%で打設された舗装見学(サカナヤステイ駐車場)
1700 懇親会(Lumber_kr)
※会費5,000円
申し込み・問い合わせ:生コンポータル(担当:宮本充也)
なお、こちら公式プログラムを備えて正式に見学希望者を募る予定です。
「コンクリートをもっと身近に」
いやはや、すごいねしかし。試験室とか実験場とかではなくて、ガチのリアルな建築外構にこれだけの規模で実装されるってんだから。こんなもん、埋もれさせとくわけにはいかないよねっ。「伝える」情報発信を引き続き全力で行うよっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。