長岡生コンクリート
創発により紡ぎ出される
コンクリートソリューション

2023/10/23

「オワコンの素 【Y弾】 は液体タイプを標準でいくことに決まりました」

「オワコンの素 【Y弾】 は液体タイプを標準でいくことに決まりました」

昨日、EU各国の関係者と日本で「オワコンの素(Y弾)」は液体タイプでいく、についての激論がチャットで交わされました。なお、すでに輸入実績もあるre-con zero l/aであるため、RRCS藤井事務総長が指摘するような「毒薬」であることもなく、安心してみなさんにご利用いただけるようになります。



 残コン女の子

本日は昨日チャットでEU各国と日本の間で取り交わされた液体タイプの「オワコンの素(Y弾)」についての舞台裏についてご紹介しまっす。
これまで、長年にわたって原材料re-con zeroシリーズの開発に携わってきた方々から様々な指摘を受けつつも、結果的に「Y弾は液体タイプでいく」という結論になったようですー。。

「オワコンの素(Y弾)」は液体タイプを標準に

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元々採用していた粉体タイプ(re-con zero evo)のことをRRCSの藤井事務総長に「毒薬」と根拠のない指摘をされたこともあり、粉塵の発生ゼロ・ドラム内の汚辱ゼロの新しい「オワコンの素(Y弾)」として採用されたre-con zero l/a により改質された生コンクリート(写真)。見事な改質で非の打ち所がない。また、運転手らによれば、「粉体タイプよりも全然こっちの方がいい!」と現場での評判も上々。

関連記事:【オワコンの素】「現場でオワコンを作るのに用いられるマテリアル・Y弾にリキッドタイプが登場」【液体タイプ】

「オワコンの素(Y弾)」液体タイプ開発舞台裏

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EU各国の関係者らによるチャットグループ。「Congratz」「Perfect」など、その結果に概ね前向きな反応が寄せられたかと思いきや、ノルウェイのSVENさんから以下のようなツッコミが入る。

「水を差すようですが」液体タイプの問題点


Thank you for sharing Alberto, very interesting!

We have tries the liquid Re-Con Zero part A, but we have two problems with it:

1. Handling. It is more messy for the customer to handle, they did not like it. They also think that blocks cast with RCZ aggregates made with Liquid part A becomes very slippery, which may be dangerous in the handling.
2. We are afraid of the aggregates containing too high levels of PAH from the emulsion used in todays formulation.

Alberto, what is it that you think is the reason for the high efficiency of the liquid part A? Could it be better dispersion of the SAP into the concrete? And if yes, could that be achieved in another way? I am thinking about dilluting the part A powder with a fine silica sand.

I hope we can continue this very interesting exchange of your experiences in Japan. Iveta and I will be able to use your results in Norwegian and Nordic projects.

Owacon is a very interesting subject indeed.


液体タイプの問題点として、Svenさんによれば、①液体タイプで汚染された床は滑りけがあり滑って危ない、②高濃度のPAH(多環式芳香族炭化水素。地中浸透による環境汚染などの指摘)の懸念。

宮本さんからの回答


Everyone said in case of liquied RCZ, inside of Drum is very clean, so it easier for us to make RMC factories convinced to produce Owacon. They are disturbed the residual powder in side, and very hard to clean them up.


そうは言いますが、みんな液体タイプの方がドラムの中が綺麗でとってもいいと評判です。それに、「オワコン」を製造してもらうために生コン工場が協力的にもなってくれる。これまでのパウダータイプには飛散など問題点が多すぎた。だから、液体タイプを僕たちは推奨していきたい。

宮本さんの指摘に関するSvenさんの共有


Yes, same in other markets, some drivers complain. So liquid Part A has many advantages is seems. Only problem for us are the two issues described above. The handling outside the truck is messy (unless you have advanced pumping equipment) And the questions around the aggregates containg levels of PAH over the environmental legislation levels (coming from the asphalt industry originally since the hydrocarbons are in bitumen)


確かに、他の市場でも運転手さんから「ドラムの中が汚くなる」と指摘されている。その意味では液体タイプはアドバンテージがあるように見える。論点は、①床が滑らないようにきちんと投入するなど取り扱う方法と、②多環式芳香族炭化水素の水準をどのようにコントロールするか。

当社フェラーリさんのコメント


Dear @Sven-Henrik Norman, as Mitsuya said the inside of the drum looked much cleaner than after using the powder type. I was also expecting some troubles related to its slimery aspect, so we were positively surprised. We used the same amount of CLN we normally use to wash. It seems not to stick nor agglomerate as the powder does.
About the handling, if you could supply it in 1m3 set (bottles) like you do with the powder it would be perfect. If so we avoid the problem of getting in direct contact with the liquid. Apart from this, we have found the handling of the liquid way better. No risk to inhale fine powders, no risk of broken bags and a better and faster dispersion in concrete. Also, we can avoid lumps and small parts of plastic bags in the treated concrete


①投入方法については例えば1m3/1ℓのボトルでパッケージしてそのまま投入するなどが望ましい。そうすることによって、液体を直接触る必要もなくなるし、パウダータイプの時にそうであったような破袋による飛散も防止できるし、ドラムの中で塊になって分散が妨げられるような心配もない。

PAH(多環式芳香族炭化水素)に関する宮本さんの指摘


In case of Owacon, PAH would be contained in concrete structure safely, so no need to care about it.
If we use rcz l/a for producing materials for underground, we should care.

Owacon is concrete pavement not materials for underground.

@Alberto Ferrari how about packaging rcz l/a in 500ml bottles? And suggesting remove/open lid and through into drum directly. If so more understandable for RMC factories.

Anyway, we will proceed with our partners in Japan.
and we are not interested in recycling residual concrete by rcz l/a any more. Because we solved residual concrete problems completely in Japan.

Residual concrete should be recycle to only concrete, not substrate.

We as NR will lead this field, so it would be recommendable for all of you to come to Japan to learn;D


出口・用途をコンクリート舗装とした場合、PAHは問題にならない。Svenさんの指摘は地盤改良や路盤に適用した場合に懸念される事項であり、含まれるPAHがコンクリート構造の中できちんと取り込まれていれば、地中浸透による環境汚染は問題とならないはずだ。

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また、例えば使用後の500mlを0.5m3用のY弾パッケージとして利用することができる。蓋を開けてそのままドラムの中に投げ入れることで周囲を汚すこともなく、適切に綺麗に生コンクリートを「オワコン」にすることができる。

残コンはコンクリート地盤改良や埋め戻し材などに用いるべきではない。あくまで、コンクリートに戻すのが懸命なあり方だ。そのようにすれば、PAHなどの懸念も生じなくて済む。

いずれにせよ、この分野は僕たち日本がリードする。だから、みなさん一度日本に学びにいらしてください(とちょっと偉そうにマウント取ってみた我が国ニッポン)。

循環的思考で「残コン」は「オワコン」に!

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I totally agree the it is much more circular thinking to always re-use into concrete, not substrate/filling material !!(イベルタ教授)

Si, you will bottle locally from the IBC! We will do a big Spriz party at Lumber on starting! Good way to relaunching Venice-Izu partnership! (フェラーリ博士)


「なるほど、コンクリートへの適用で有ればPAHは問題とならず、コンクリートへの適用を考えた方がより循環的思考であることに禿同!!」とイベルタ教授から絶賛される宮本さんの考え方。また、フェラーリ博士からは「確かに使用済みペットボトルの再利用で現地でパッケージングできるしいいね!」とこちらも絶賛。 舞台裏で開発チームが大盛り上がりの中、日本で仕切り直しのスプリッツ(ベネチアのカクテル)パーティーやろうぜっ、的な結論を得る。

宮本のやつ、出鱈目英語だてらに生コンを語ってSvenさん他も納得したようでよかったな。ちなみに、液体タイプの「オワコンの素(Y弾)」は、またRRCS藤井事務総長に「毒薬」呼ばわりされないよう念の為、厚生労働省 医薬局 医薬品審査管理課 化学物質安全対策室 さんにも照会しているところだそうだぜっ。

 残コン姐さん

「オワコンの素(Y弾)」ニュータイプ販売開始

SDSダウンロード:2_9007557_en_64428c0cd0c640d1888ded10ab42a225.pdf

残コンさん、残コン姐さん。今日はEU諸国との「オワコンの素(Y弾)」液体タイプの舞台裏の激論についてご紹介ご苦労様でした。
「コンクリートをもっと身近に」
こうして経緯をblgで記録として残しておくことであれこれいいことあるよね。これって、すごいアドバンテージだって、最近わかってきました。もちろん、発信することで身近に感じてもらう意図もあるけれど、それ以上に、自分たちにとって有益な活動だということを最近強く実感しています。
オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

ぉ、おわ??
本件、「瓢箪から駒」「怪我の功名」みたいな話ですが、液体タイプ「オワコンの素(Y弾)」が結果としてベストのようで、日本に永住しているフェラーリさん(生コンポータル勤務)も、すっごく嬉しいみたいでよかったですー。。
残コン‼︎ オワッコーン‼︎

 残コン姐さん



作者・宮本充也

残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。

Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。

After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士