2024/04/03
【地球上初】生コンスラッジ由来のCCU【残コナ】を配合した生コンの連続・大量打設(4.1t CO2固定)が決まりました
静岡県三島市。まだ地球上に類を見ないふんだんにCCUを配合したコンクリートの大量打設が決まった。残コンを高度利用し、スラッジ微粉末1トンあたり130kgのCO2を固定し、骨材は全量残コン粒状化骨材としたコンクリートの連続打設。一部セメントを高炉スラグ微粉末に置換したスーパーカーボンネガティブコンクリートの実装も予定されている。
CCU生コンの大量打設が決定しました
(※注釈:一連の表現は現場で元請けから得た情報をもとにした宮本さん自身の意見でありGI基金関係者らから得た情報などでは断じてありません)
白石建設から【残コナ】到着!
遠路はるばるやってきたのは【残コナ】と名付けられたスラッジケーキの微粉末。豊富に含まれる水酸化カルシウムは人為的にも自然にも二酸化炭素を吸収固定することがわかっているCCU材料として注目が集まっている。※CCU → Carbon Cupture Utilization
なお、残コナ1トンあたりのCO2固定量は130kgとされカーボンネガティブコンクリートを企図した場合絶対必須のマテリアルでもあり鍵は連続打設つまり実際の現場で通常の生コンクリート同様に納入できるかどうか、という点。なお、これまでにCCUをふんだんに実装した大量打設の実績は地球上に見られない。
駐車場コンクリート舗装での実装決まりました!
そんな世紀のコンクリートがなんと静岡県三島市のとある建築現場の外構工事(駐車場)に320m3実装されることが決まった。なお、本件は地元代議士や首長、監督官庁など行政関係者らの協力の末に実現したこともあり実装後には関係者らによるプレス発表が予定されている。
製造・出荷は伊豆中央コンクリート
倉庫の中に一時保管された残コナ。なお、伊豆中央コンクリートに設置されてあるサイロには一旦バラ車への投入の後エアレーションで移送される。あとは、通常の混和材の取り扱いと全く同じで今回は砂置換で100kg/m3配合される。
一部セメント0kg生コンに実装も
こちら、結合材に100%高炉スラグ微粉末を採用(セメント0kg)した残コン粒状化再生骨材コンクリートはセメントを用いていないことから限りなくカーボンニュートラル。なお、この生コンクリートの細骨材置換で上記CCU(残コナ)を100kg採用したコンクリートも一部実装を予定している。つまり、骨材も残コン由来(カーボンニュートラル)であることから、単純計算で1m3あたりCO2▲13kgのコンクリートが実装されるということになる。
【4.1t】CO2固定駐車場
なお、駐車場の面積は1500m2とされており、20mm厚で施工を予定しているため、320m3ものCCU生コンの打設が予定されている。つまり、CCU残コナは100kg/m3配合されるため、32トンの残コナが利用されることになるため、1トンあたり130kg以上CO2固定することがわかっているから、本現場では4.1トンものCO2固定が証明される見通し。
主幹事会社が「残コナ(スラッジ微粉末)を用いた生コンはCP骨材コンクリートではない」って表明したからにはCPCCは最低でもCO2▲13kg以上のカーボンネガティブコンクリートを "生コンスラッジ抜きで" 開発し実装するってことにコミットしたってわけだ。すげえぜ、神ってるぜ。どうやんだそれ??
(※注釈:一連の表現は現場で元請けから得た情報をもとにした宮本さん自身の意見でありGI基金関係者らから得た情報などでは断じてありません)
きっかけは野口貴文×西沢立衛対談【ホワイトカーボン】
なお、今回の現場実装決定はRRCS代表理事野口貴文先生と著名な建築家西沢立衛先生との対談で「ホワイトカーボン」が話題になったことに端を発する。主幹事会社安藤間の一存でCPコンクリートの実装とはならなかったが、関係者らの協力のもとバッチリ形を作ってご恩に報いたいと思います。
「コンクリートをもっと身近に」
もしも、コンクリートを使えば使うほどCO2が削減されて資源が循環するなんてことが皆さんに理解されたらきっともっと僕たちコンクリートの貢献の領域は広がるはずだねっ。だから、「伝える」情報発信がんばるよっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。