2023/10/13
「生コン屋さんのCCU製造は今も試行錯誤が続いています」
連日連夜展開されている生コン屋さんで生コン屋さんにあるものだけで製造されるCCUの試行錯誤が続いている。そこに「失敗」という概念はない。仮説を立てて実行に移し事実を踏まえて次なる仮説に挑戦する毎日。
試行錯誤のCCU製造実験
なお、本実験については10月20日に予定されている生コンキャンプ定期演創会におけるシェア並びに実務者らによる最適化のための議論が予定されていますー。。
連日のCCU製造実験
生コンポータルではICC(伊豆中央コンクリート)の協力を得て排ガス・排熱を利用した残コン由来のCCU製造実験が行われている。
関連記事:「残コン由来の骨材による《サンディング効果》により軽減される負担と原価0円で生まれる大量のCCUは生コン工場の新しい操業のあり方を示唆している」
残コン細骨材だけでのCCU製造
なお、こちらは残コン粒状骨材(5mmU)に対して上澄水を質量10%(100kg/1ton)で製造したCCUではなかなか水分の蒸発が難しく(生コン車の排ガス、排熱では効果は限定的)ペースト状態が続いた。
上澄水10%を5%に減らしてみた
団子状になったCCU。排熱による水分蒸発を促すためには一定の粒度分布が必要という判断が下された。
全骨材(25-0mm)での実験を始めました
手前が手動(平場でもんじゃ焼きの要領で上澄水を散水)での改質5回目の試料。左手置く手前が生コン車による5%、奥が10%、それぞれの保管スペース。現在は、粗骨材をも含む全粒度の試料を用いたCCU製造実験が行われている。
実験に「失敗」はない
こちらペースト状のCCU(上澄水10%タイプ)を天日乾燥させたもの。多少湿り気を帯びているが真っ白は炭酸カルシウム析出の印。粒度分布の多様な試料(25mmから0mmまで)で行った方が粗骨材が移動することによる試料内部への空気(CO2)の流入が期待できるという仮説から現在は実験が行われている。その判断に至るための検証であり、実験には「失敗」というコンセプトは存在しない。
みんなで検証しよう生コンキャンプは10月20日
来たる、10月20日生コンキャンプ定期演創会ではCCU製造方法の至近報告と最適化に関する生コン実務者らによる討議が予定されている。
「コンクリートをもっと身近に」
研究者や技術者の皆さんと違って僕たち生コン実務者の最大のアドバンテージはつまりそこなんだよねっ。圧倒的なスピード感。そして、「伝える」情報発信を磨き込んできた当社の強みを最大限意識してこれからもたくさん実験して製品開発を楽しんじゃおうっ。
オワッコーン‼︎
確かに、大学の研修室から見たら実機でそのままやっちゃえますのは垂涎の的ですねー。。どうぞ、関心のある方はご利用くださいです。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。