2023/11/21
「液化炭酸カルシウムを残コン由来の粒状化骨材(水酸化カルシウム)と効率よく反応させることでCCUができないか」【オープンAI】
液化水酸化カルシウムと水酸化カルシウム(消石灰)は炭酸カルシウムに変化するのだろうか。ふとした疑問をそのままLINEのオープンチャットに投げかけてみたところなんと最強のCCU製造方法の萌芽が見られた。
液化二酸化炭素散水養生の可能性検討
コンクリの中性化を逆手に取る「脱炭素」
気中二酸化炭素とコンクリートに含まれている水酸化カルシウムが反応し炭酸カルシウムに変化することでpHが下がり鉄筋の不動態皮膜が失われることで問題となっている中性化を逆手にとって「脱炭素」とする取組・研究が世界規模で進んでいる。https://concrete-mc.jp/neutralization-test/
残コンをCCUに
なお、生コンキャンプらではこれまでも残コンに含まれる水酸化カルシウム(あるいは人為的に追加した)に二酸化炭素を吸収させるCCUに取り組んできた。
関連記事:「炭酸カルシウム粉体の製造方法」(230-7044) 出願番号:特願2023-122422 出願日:令和5年7月27日
残コンに液化二酸化炭素撒布したらどうだろう?
なお、今回の着想はCO2に圧力をかけることなどで得られる液化炭酸カルシウムと残コンに含まれる飽和水酸化カルシウムを反応させることでCCUが得られないだろうか、という仮説。(引用:https://www.tokyo-koatsu.com/products/gases/industrial-gases/post_3.html)
聞く相手がいないからChat Gptに聞いてみた
二酸化炭素が液化している場合でも、水酸化カルシウムと反応して炭酸カルシウムを生成する反応は起こります。反応式は以下の通りです。
Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O
この反応は、水酸化カルシウムと二酸化炭素が反応して炭酸カルシウムと水が生成される二次反応であり、液体または固体状態の二酸化炭素でもこれらの反応は起こります。ただし、二酸化炭素の物理的な状態が液体である場合、反応速度は通常の気体状態よりも速くなる可能性があります。
「いける」という答えがLINEのAIチャット君から得られた時にはかなり感動した。すごい、現代のテクノロジー。なお、気体よりも速くなるなんておあつらえ向きではないかっ。
液化二酸化炭素散水養生どうだろう??
消石灰(※水酸化カルシウム、つまり残コン由来の粒状骨材を想定している)を密閉された空間に貯蔵し、液化二酸化炭素で満たすという方法(※既出上澄水散水養生と同様の作業プロセスを想定)は、一定の効果を期待できるかもしれません。しかし、いくつかの留意点があります。
1. 反応速度:液化二酸化炭素の圧力がかからない状態で気化した二酸化炭素の場合、液体状態の二酸化炭素よりも接触面積が小さくなり、反応速度が低下する可能性があります。これにより、反応がゆっくり進行する可能性があります。
2. 反応量:液化二酸化炭素を密閉空間に貯蔵する場合、液化二酸化炭素と消石灰の反応により炭酸カルシウムが生成されますが、液化二酸化炭素の量に限りがあることに注意が必要です。炭酸カルシウムの生成量は、液化二酸化炭素の量に依存します。
3. 安全性:液化二酸化炭素は高圧で貯蔵する必要があるため、その取り扱いには安全上の配慮が必要です。液化二酸化炭素の漏れや圧力の急激な変化が、安全上のリスクを引き起こす可能性があります。
以上の点を考慮し、液化二酸化炭素を使用したCCUプロセスの効果や実現可能性を評価することが重要です。現実的な実施可能性については、具体的な条件や適用範囲によっても異なる可能性があるため、詳細な検討が必要です。
つまり、すでに豊富に水酸化カルシウムを含んでいる残コン粒状骨材に追加で水酸化カルシウムを加える(上澄水散水養生)だけでなく、追加で液化二酸化炭素を加えることでCCU(炭酸カルシウム)の生成を促すという意図に関して、いくつかの留意点がありながらも「一定の効果が期待できる」という判断が下された。これ、すごくね?
排出CO2の分離回収方法の最適化へ
上述CCU製造の開発に並行して必要となるのは、CCU(CO2の分離回収)がより低エネルギー・低CO2で行うことができるようにプロセスを最適化すること。両面がクリアされることで効率よく産業副産物「残コン」を炭酸カルシウム(CCU)で強化した骨材や微粉末が製造可能となる。(引用:https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccus.html)
「コンクリートをもっと身近に」
生コン工場に入った時には英語だってまさか使うことになるとは想像していなかったけれど、現代はAIという人間でない相手と技術開発の相談ができるようになるだなんて感慨深いものがあります。コンクリートはもっともっといろんな分野と混じり合わなくてはなりませんねっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。