2023/11/25
「残コンで汚水も残業も廃棄物もカットして資源循環CCUでSDGsな生コンまで作れちゃう」(月刊残コン Vol.76)
手順は、生コン車の洗浄に上澄水またはスラッジ水で湿らせた残コン粒状骨材を洗材として用い、CO2排出源で未利用熱を用いた電気でドラムを回転させながらCO2や排熱でドラム内を満たすことで汚水も残業も廃棄物もカットして資源循環CCUを生成しそのままSDGsな生コンクリートの製造に用いる。完全クローズドループな生コン工場操業のあり方。
残コンでクローズドループCCU製造
資源循環や脱炭素だけでなく、働き方改革にも繋がる生コン産業の萌芽が見られますー。。
残コンからCCU製造
こちらは、生コン工場にあるもの(残コン、上澄水またはスラッジ水など)と排ガス(排熱、排CO2)を組み合わせることでCCUが製造できることが明らかとなった実験結果。
関連記事:「残コンを高度利用して排水を削減するだけでなくCO2を大量に固定したCCUを得る」
生コン車の洗浄を残コン粒状骨材とスラッジ水で行う
こちらの写真は自車の排ガス(高濃度CO2)、排熱を用いた実験。例えば、仕事が終わった後に残コン粒状骨材(20-0)をスラッジ水(上澄水)で湿らせたものでドラム内部を満たし近隣のCO2排出施設(ゴミ焼却場や製鉄所・発電所など)に向かい、排ガス・排熱ダクトをドラム内部に接続し、未利用熱で発電した電気などで生コン車のドラムを回転させておけば内部に固着したモルタルは洗浄され翌日中身をそのまま排出すればそのまま生コン出荷に供することができる。つまり、洗浄作業などに関わる時間(残業)や発生する汚水・廃棄物がカットできるというもの。
関連記事:生コン組合公認で始まったCCU製造と資源循環・脱炭素コンクリートの製造
洗材はそのままCCU骨材となる
なお、排出された粒状骨材は豊富な炭酸カルシウムを含んでいることから資源循環CCUとして用いることができる。
関連記事:生コン工場の静脈(残コンからCCU)と動脈(CCU利用生コン)を一気に見学【前編】
資源循環CCUの流通にはCLSMが必須
現時点でJIS A 5308は残コンなど副産物を高度利用したCCUの利用を前提としていないため、流動化処理土などCLSMのようなJIS外生コンの市場が資源循環CCUの普及促進に置いて必須条件となっている。
関連記事:「流動化処理土(LSS)とCLSM(ACI)の比較検討から生まれるコンクリートの新市場」
(造粒)ポーラスコンクリートも資源循環CCUの出口
こちら、残コンをそのまま利用して行政の防草材料として適用したもの。このようなポーラスコンクリートもJIS A 5308要求の枠外となっており資源循環CCUの有効な出口として期待される。
関連記事:【静岡】「地元生コン工場(組合)で発生した残コンを地元行政や市民の悩みの種【雑草】のソリューションとして活用」
生コンキャンプ(現場視察)は随時受付てます
ヘッドオフィス(kr-Quarry)・カフェLumberに新設されたオープンエアーグリーンオフィス。残コンを高度利用した資源循環CCUの製造に興味のある建設・コンクリート関係者のご来場を生コンキャンプでは随時大歓迎受付しております。
「コンクリートをもっと身近に」
というわけで、今回76回を数える月刊残コン、つまりもう76回、76ヶ月もこんなメルマガを配信し続けてきたってことを考えると感無量です。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。