2024/02/15
「残コナのプラント投入でCLSM【イワモル】はあらゆる生コン工場で製造可能」
岡山県岡山市。白石建設で行われた実験はCLSM「イワモル」を細骨材の粒度分布ではなく単位微粒分(残コナ)量で管理するというもの。 プラント投入で行えば世界中あらゆるバッチャープラントで「イワモル」は製造可能となる。
「残コナ」プラント投入でどこでもイワモル
全ての工場でCLSM(イワモル)残コナ
こちら、「残コナ」はスラッジケーキを加工して微粒分として取り出したもの。通常スラッジケーキは汚泥として高額で廃棄処分されていることで知られている。この度白石建設(岡山)で行われた実験では特殊な設備を導入することなくあらゆる生コン工場でCLSM(イワモル)が製造できるようにするために「残コナ」が用いられた。
水道水と回収砂で作った CLSM「イワモル」
動画でわかるように、やや分離気味。とろみが足りないと言ったところ。そこに「残コナ」を投入することでいわばとろみづけを行う。
「残コナ」でとろみづけ
フロー試験の様子。「残コナ」により分離気味だったフレッシュ性状が見事改善された。
【参考】とろみづけ
「とろみづけ」とは調理用語ではあるものの、生コンクリートの配・調合設計にも材料分離抵抗性の付与など応用可能な概念。
総微粒分(残コナ)量で管理! だからどこでも製造可能
こちらは水道水と結合材(SCMs)、残コナで製造されたCLSM(イワモル)。
フロー試験の様子。 以下、実験を指揮した白石建設武南社長のコメント。
生コン工場でCLSMできない原因並びに解消方法
生コン工場で流動化関連できない原因
①スラッジ水計量できない
②回収砂貯蔵できる設備ない
材料を選ばずどこでも一定の流動化ができる
残コナを20キロパックにする
おおよそm3 120キロがマックスだった
膨張材のようにプラント投入
残コナあるいは石粉でオッケー
どうでスカイ
残コナの粉体の量で十分対応可能です
m3の中の微粒分をコントロールすることでイワモルコントロール
何故かと言うと 生コン工場の砂はある程度の粒度分布がなされており 無数にある粗粒率から決めるよりそう微粒分でコントロールした方がいい
つまり、既往研究では一定の粒度分布でコントロールに対して、こちらは単位微粒分量で管理するアプローチ。膨張材のプラント投入の方法で理論上世界中どこでもCLSM「イワモル」の製造が可能ということになる。しかも、原材料が生コン工場の困り物「スラッジ」ということからもその潜在性は計り知れない。
生コンキャンプでできること
生コンキャンプでは上述にあるように日夜チャットやリモートミーティングなど現代のツールが生かされながら自律分散型の技術開発が展開されている。
「コンクリートをもっと身近に」
いやー、こういうゴリゴリに専門的な内容についても伝わる伝わらないはともかく「伝える」情報発信をすることで僕たちの貢献が少しでも広がると嬉しいですっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。