2024/01/02
「飛躍の鍵はCLSM」イタリア・MAPEIと伊豆半島・生コンポータル(長岡生コンクリート)協業の歴史を振り返る #3
日本MAPEI躍進の鍵は「非JISコンクリート」と「脱炭素」にあり! シリーズ第3弾は前回の非JISコンクリート「コンクリート舗装」に続いてCLSM(Controlled Low-Strength Concrete)について紹介。
日本MAPEI 飛躍の鍵は CLSM にあり
レギュレーションの厳しい「建築」「土木」などのJISコンクリートではなく、新たな分野として広がりを見せている非JISコンクリート CLSM が日本MAPEI飛躍の鍵という宮本さんの主張ですー。。
日本生まれのCLSM 流動化処理土 とは?
日本では博多駅前道路陥没事故で一躍有名となった流動化処理土。その性能はアメリカACIらが基準・規格類を整備しているCLSM(Controlled Low-Strength Material)と酷似。アメリカと異なりm日本ではなぜかコンクリート産業ではない業界団体らが規格・基準類の取りまとめを行なっているため市場規模の拡大が限定的。(引用:https://www.nishinippon.co.jp/sp/item/n/301841/)
生コンポータル15年の歴史 流動化処理土
生コンポータルに設置されてある残渣式流動化処理土の専用プラント。こちらで泥水の密度と容積を把握しバッチャープラントで製造されるセメントミルクやモルタルと生コン車の中で混練することで製造される。
そんなCLSMの1つと言っていい残渣式流動化処理土は生コンポータルにおいて15年の歴史を数えている。生コンポータルや白石建設など一部でCLSMは生コン工場によって製造・出荷がされている稀有な事例。なお、流動化処理土はLSS(Liquefied Soil Stabilization)と英訳されている。
横浜国立大学らとの連携で誕生「イワモル」もCLSM
なお、YNUらとの連携から生まれたCLSM「イワモル」の名前の由来は「IWA骨材(re-con zero evoなどで製造された残コン由来の骨材)を用いたモルタル」として細田暁先生により名付けられた。
「イワモル」は100%残コンとSCMs由来
なお、「イワモル」は残コン由来の細骨材(左)を主要骨材として採用している。なお、多分に含まれている水酸化カルシウムは結合材のアルカリ刺激材としても役割を発揮する。
こちら残コンから得られた微粉末(「残コナ」)も混和材または細骨材同様アルカリ刺激材として結合材SCMsの反応を促す。
セメントを用いない「イワモル」
なお、残コン100%用いる「イワモル」もう一つの特徴は結合材にセメントを一切用いずSCMsのみという店からも、アルカリ刺激混和剤(ジオポリマー専用混和剤)を展開するMAPEIの事業方針とぴったり符合する。並行するムーブメント「脱炭素」にも叶うこうしたCLSM「イワモル」の特徴はMAPEIと生コンポータルにとっての市場開拓の上で有効に働く。
次は「したたかに利用しよう!」脱炭素
無論、日本でも「脱炭素」ブームには多くのゼネコン・大学・生コン工場など多くの関係企業が技術力を競っている。非JISコンクリート(あるいは残コン由来のマテリアル)が力強く流通していくための起爆剤として「脱炭素」の利用価値は高い。(引用:https://www.kajima.co.jp/news/press/202110/8c1-j.htm)
「コンクリートをもっと身近に」
今カレンダーを見直したらなんと再来週だよイタリア旅行汗。目まぐるしい新年の幕開けって感じで、まあ、でも、イタリア旅行で見聞するあれこれはきっとブログのネタとしても良質だろうからいつもながらに前向きにいこうと思いますっ。せっかく15年も協業しているのだもの。MAPEIと当社のつながりが双方にとってもっともっと実りあるものに宮本さんも頑張るぞっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。