2024/07/27
生コン工場にほぼ必ずあるもの(残コン、上澄水、残コンブロック)を高度利用した残コンCNシステム
生コン工場にすでにあるものだけでほぼ無限に二酸化炭素は吸収固定され、さらには排水が軽減し、環境温度の低減に貢献するのみならず、CNという付加価値のあるコンクリートブロックが生産される残コンCNシステムについて。
生コン工場の残コンCNシステム
そこにあるものをただ組み合わせただけでCO2を吸収固定し、環境温度は低減され、さらに排水を軽減するばかりでなく、高付加価値ブロックができちゃいますー。。
上澄水を飲み続ける「オワコン」
こちら、乾燥機の中に100ml上澄水を浸したバットにのせられた「オワコン」は半日もすれば上澄水をスポンジのように吸い上げて空隙内部に炭酸カルシウムとして析出(Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3)させてしまう。無数に繰り返すことで最終的には炭酸カルシウムが空隙を埋めて真っ白いコンクリートブロックになる。
関連記事:比表面積を利用した上澄水乾湿繰り返しによるCO2(炭酸カルシウム)回収【塩田効果】のポーラスコンクリートへの応用
戻ってきた残コンを「残コナ」で粒状化する
スラッジや残コン粒状化原石から得られる微粉末「残コナ」は残コンの処理(造粒)に用いることができることがわかっている。
セルドロンやコンバラスといった残コン処理材のように「残コナ」を残コンに入れて撹拌すると写真のように粒状化することがわかっている。
関連記事:【残コナ】「自前で作れる残コンソリューション爆誕?! スラッジケーキを加工したら造粒材になりました」【無料】
その残コンの オワコン by 残コナ でブロックを作る
こちらは「オコシコン」の残コンをそのままブロック型枠に打設して脱型(だっけい)したもの。残コナで普通生コンの残コンを造粒したものをブロック型枠に打設すれば硬いスポンジのようなブロックが出来上がる。
残コナで造粒した残コンブロックに上澄水を散水し続ける
二酸化炭素と反応して白濁する上澄水は飽和水酸化カルシウム溶液であることから冒頭の写真にもあるように上澄水を繰り返し散水することでブロックに無数に内在する空隙の中に浸透して炭酸カルシウムを析出し続ける(Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3)①二酸化炭素固定効果(塩田効果による炭酸カルシウム生成)のみならず、広大に及ぶ表面積で生じる気化熱による②環境温度の低減に貢献、さらには生コン工場における③排水(通常上澄水は中和処理されて河川放流されている)の軽減などトリプルの成果が見込まれる。
CNブロックとして付加価値が生じる
写真はベトンブロックという残コンで製造されるブロック。
残コナで造粒させた残コンをベトンブロックにして積んでおいてその上から上澄水を繰り返し洗浄して大量にCO2を吸収固定させた後は土留めや隔壁、重石などの用途でCNブロックとして販売が見込まれる。
残コンCNシステムのご相談はJOISまで
残コンCNシステムはコンクリートのオンラインサロンJOISにおける交流に端を発した技術体系です。
「コンクリートをもっと身近に」
宮本さん、JOISの後援を受けて9月下旬から47都道府県を再び行脚するCNツアーを企画しています。残コンCNシステムを広く建設・コンクリート製造者らにPRすることで生コン屋さんが主役のCN社会の実現に貢献したいと思いますっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。